死ぬまであと何食食べられる?店選びも“諦めない”ことのススメ

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今も昔も、成功を収めたビジネスパーソンたちの共通点は“あきらめない”ことだという。そんな経営者達を数多く取材してきた筆者がすすめる、元気と前向きな気持ちになれる店とは。

【食を制する者、ビジネスを制す】


第25回 渋谷の中華料理店「兆楽」で元気をもらう


自分をあきらめないこと


仕事柄、ビジネスで成功した人たちの取材をすることが多い。そこで彼らの話を聞いていると、いつもあることに突き当たる。それは「あきらめない」ということだ。早咲きの経営者も遅咲きの経営者も経営の現場では、常にがけっぷちだ。いくら会社が大きくなっても経営者は安穏としてはいられない。ビジネスの環境はどんどん変化し、突如情勢が変わることもある。どんな状況になっても生き残っていくには、苦境のときに思考停止になるのではなく、あきらめずに前に進むことが必要となってくる。

例えば、サイバーエージェント社長の藤田晋氏はかつて26歳で会社を株式上場させ、早咲きの新進経営者として注目された。しかし、藤田氏は世間から脚光を浴びつつも、その裏では人知れず苦労を重ねている。会社が買収対象になって眠れない日々を過ごしたり、なかなか業績が黒字にならないことで投資家から罵声を浴びせられたりもした。社員が辞めていく状況を変えるために、組織のつくり方、動かし方にも苦心した。しかし、そうした苦労があったからこそ、今はIT企業として確かな存在感をもつことができたのである。

他方、遅咲きの経営者も成功するまでに様々な経験をしている。不遇なときが長かったり、自分本来の力を出せなかったり、結果をなかなか出せないという時期を過ごしている。ただ、彼らの場合も、どんなに苦しいことがあっても、自分の可能性だけは信じていたというケースが多い。自分をあきらめないこと。それは人生を切り開くために最も必要なものだろう。


安田財閥の創始者、安田善次郎の教え


人生の道程において、失敗したり、挫折したりすることはたくさんある。そのときは苦しくとも、やがて、そうした経験こそが今の仕事に役立っていることに気づく。人生は積み重ねであり、一足飛びに目標の場所に辿りつけるわけではない。

多くの経営者を見て思うのは、この感覚を身につけることが大事だということである。だからこそ、一日一日を丁寧に過ごす。安田財閥をつくり上げた安田善次郎は、子供たちに「うそをつくな、悪口を言うな、自慢をするな。それを今日一日だけ守れ」と言っていたという。面白いのは、もしその教えをその日一日守れなくても「できるだけやったら、仮に積み残しても忘れて、次の日にまた同じように努力しなさい」と諭したという。

安田は独立して10年余りで富豪になった人物である。勤倹と克己で成功をつかんだ。だが、その過程では、自分に負けそうになったり、ときには負けたりしたときもあっただろう。人間はそれほど強いものではない。であればこそ、一日自分との約束を守れなくとも、それを悔やんだり、引きずったりするのではなく、一旦忘れてリセットして、次の新しい一日を過ごす。そのことが結果として、日々を丁寧に過ごすことにつながるのである。

渋谷の中華料理店「兆楽」がいい


日々の食事についても、一日一日を大切にしたい。例えば、人が晩ごはんを食べる回数は、自分で思っているほどそう多くはない。365回×平均余命(平均寿命-現在の年齢)で計算すると、仮に40歳ともなれば、あと1万4000回くらいしかない。その少なさを意外と人は認識していない。ぜひ日々の食事を大切にしてほしい。

そんな私たちの日々の食事を支えてくれる存在といえば、町にある普通の定食屋や中華料理店だろう。若いビジネスパーソンならば、とくに中華料理店を利用する頻度が高いはずだ。そこでお薦めしたいのが、渋谷の宇田川町にある中華料理店「兆楽」だ。

私は店に行くと、ビールに餃子かシューマイから始め、そのあとに「ホイコーロライス」か「ルースチャーハン」を注文する場合が多い。でも、正直に言えば何でもうまい。しかも、この店がいいのは調理場を中心につくられているため、店内に活気があることだ。フライパンを振って、カンカンとチャーハンをつくる音が聞こえたり、料理人が手際よく調理したりする姿は見ていて気持ちがいい。さらに言えば、食べている人たちにも、なぜか活気がみなぎっている場合が多いことだ。いろんな話し声が聞こえ、店内がガヤガヤする中で、食べていると次第に自分も元気が出てくる。料理はアツアツ、フウフウしないと舌を火傷しそうになる。それもまたいい。食べると身体も温まる。明日もがんばろう。まだあきらめたくないなあ。そんな気持ちになれる店だ。

ルースチャーハン 出典:mamemakiarareさん

ホイコーロライス 出典:あきにぃさん