京都で一期一会の出会い。「京菓匠 游月」の春夏秋冬の上生菓子

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京都在住の和菓子ライフデザイナーが案内する、きまぐれ京都さんぽ。今回は、静かな京都旅がしたい人におすすめの修学院エリア。歩き疲れたら「ここにしかない」という言葉がぴったりの美しい和菓子で、ひとやすみしましょ。

【和菓子と巡る、京都さんぽ】


四季折々の顔を見せる名所を訪れたり、その季節ならではの和菓子を食べて職人さんたちの声を聞いてみたり……。ガイドブックでは知り得ない京都に出会う旅にでかけてみませんか。

あなたの知らない京都について、京都在住の和菓子ライフデザイナー、小倉夢桜さんに案内していただきましょう。

其の二 西と東の美しい融合「京菓匠 游月(本店)」


気の向くままに、癒やしの修学院さんぽ。


近年、京都は平日、休日を問わずに多くの観光客で賑わっています。

静かな京都を期待してお越しになった方の中には、期待とかけ離れた京都に肩を落として帰られる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とは言え、観光客で賑わっているのは、紅葉と桜シーズン。

それ以外の時期は、ごく限られたエリアが賑わうだけです。

日々の喧騒から離れ、のんびりと“京都さんぽ”。

心を癒やしに修学院界隈に出かけてみてはいかがでしょうか。

京都市内中心部となる河原町、祇園界隈から京阪電車 祇園四条駅より出町柳駅へ。

そこから、叡山電鉄に乗り継いで約10分、修学院駅で下車。

東へ向かい、歩きはじめると東山三十六峰の一つ、修学院山が目の前に広がります。

修学院山方面へ向かい徒歩20分圏内には、京都御所の表鬼門を守護する「赤山禅院(せきざんぜんいん)、後水尾上皇によって造営された「修学院離宮」、そして、洛北屈指の名刹として知られる「曼殊院門跡(まんしゅいんもんぜき)」などが点在しています。

天候の良い日には、少し足をのばして詩仙堂や圓光寺を訪れてみるのもおススメです。

時間を気にすることなく、のんびりと散策するにはおススメのエリアです。

甘いもので、ひとやすみ。


修学院駅より東へ徒歩2分、右手に白い暖簾が印象的なお店「京菓匠 游月(ゆうづき)」があります。

創業は、平成になってからの比較的新しいお店です。

店内には、昔ながらの和菓子はもちろんのこと、現代風にアレンジした和菓子まで幅広く、四季折々に合わせて販売されています。

多くの地元住民から根強く支持され、普段使いから進物まで、お気に入りの商品を買い求める方が後を絶ちません。

まず、ご紹介させていただくお菓子は、立春となる頃から桜の花が咲く頃までの期間に販売される「花菜(はなな)」という配送も可能なお菓子です。

春らしいパッケージのお菓子に添えられた口上書きには、こう記されています。

“黄金をのべたる如く打ちつづく菜の花畑。

本菓は、心温かき黄なる花「菜花」を柚子風味ほのかな黄味しぐれ地に写し、淡小豆(うすあずき)を包んで、しっとりと蒸し上げました。

黄と緑の織りなす春の彩に味わいの花を咲かせて、心ときめく爛漫の春へと誘います。”

パッケージの中には、菜の花が咲いたかのような黄色と黄緑色の可愛らしいお菓子が4個入っています。


菜花


 

「和菓子の華といえばやはり上生菓子です。その上生菓子を作る技術を普段のお菓子作りの中でも活かすように心がけてます」と語る製造責任者の職人さん。

その言葉通り、黄緑色の黄味しぐれの周りに黄色い、きんとんのそぼろを付けた、手の込んだお菓子となっています。

もちろん全てが手作業です。

手間暇かけて作られたお菓子は、通常のパッケージ商品の黄味しぐれとは、全く異なる食感です。

遠方の方も気軽にお買い求めいただけますので、一度召し上がってみてはいかがでしょうか。

そして、やはり和菓子の華である上生菓子。

毎月、季節を彩る上生菓子が数種類店内に並びます。

そのお菓子たちは、翌年に販売されることはほとんどなく、私たちにとっては一期一会のお菓子たちです。

毎月どのようなお菓子が店頭に並んでいるのかを楽しみにしてお店を訪れます。

京都のみならず、東京でも修行をしてこられた製造責任者の職人さん。

その職人さんが作られる上生菓子は、京都の抽象的な意匠と東京の写実的な意匠が持つお互いの素晴らしいところを上手く取り入れて表現されています。

今回は、特別に春夏秋冬のお菓子を作っていただきました。

菓銘「しだれ桜」

春はやはり、桜。

しかも、京都の桜、といえば「しだれ桜」。

京都には、はんなりとした雰囲気の桜が似合います。

その「しだれ桜」をモチーフにした外郎製のお菓子です。

菓銘「夏の空」

夏の季語でもある夏の空。

夏の空といえば、やはり青空と入道雲。

その夏の象徴である二つを表現した上用饅頭です。

空を自由に気持ちよく飛び回っているツバメ。

焼印一つで動きのある印象のお菓子となります。

菓銘「山の秋」

秋の山には、様々な色が溢れます。

きんとんを山に見立てています。

召し上がる方に、それぞれの秋の山を想像していただきたいお菓子です。

菓銘「冬木立」

冬の代表的な色、白色と茶色。

その二色を組み合わせて冬を表現しています。

凛とした冬の雰囲気を感じるお菓子です。

いかがでしょうか。

どのお菓子もこちらのお店にしかない創造的なものばかりです。

一期一会のお菓子を求めて出かけてみてはいかがでしょうか。

ホームページ(http://kyoukasyou-yuuduki.com/)でも様々なお菓子が紹介されています。

きっと、素敵なお菓子と出会えるでしょう。