インフルエンザの流行、まだ続いているようです。今年は熱があまり出なかったとか、新年会でうつされたみたい……、といった話を耳にしますが、こんな人も多いですよね、「予防接種、受けたのにかかっちゃった」。なぜなんでしょうか?

インフルエンザ予防接種を受けたのに、かかるわけ

インフルエンザというと何か大病のように言われますが、これは日本独自の感覚だと思います。たしかにインフルエンザはかぜより症状は重いですが、かぜの一種です。

なぜこれほどインフルエンザが重病視されるのか、私はつねづね不思議に思っています。毎年秋になると予防接種が推奨され、実際、高齢者や小児をはじめとして接種を受ける人は多い。今シーズンはワクチンが足りない!とニュースになりましたね。ちなみに世界のタミフルの7割は日本にあると言われています。

それほど多くの人がワクチンを接種しているのに、なぜ毎年、インフルエンザが大流行するのでしょうか?予防接種する人が増えれば、かかる人が減るはずです。冷静に見て、これは矛盾していないでしょうか? 

実際には「ワクチン接種をしたけれどかかった」という人が少なくありません。私が薬局に勤務していたころも、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ)を処方されてくる人のうち約半数は予防接種を受けていました。このことからも私は、インフルエンザワクチンの効果については信用していません。

ウイルスは少しずつ変異するものですから毎シーズン微妙に違うため、流行するウイルスにピタリと合うワクチンを作ることはできません。ですから私は「予防接種を受けたけどかかる」ことは、特に不思議なことではないと思っています。

インフルを発症しない人は免疫力が強い

予防接種を受けたのにかかる人がいる一方で、予防接種は受けてないが「インフルエンザにかかったことがない」という人もいます。かかりやすい人とかかりにくい人、体質の差でも?いえいえ、ズバリ免疫力の強さの差と考えられます。

学級閉鎖の例を見てもわかるように、クラス中にウイルスが飛散しているにもかかわらず、インフルエンザにかかる子とかからない子がいますね。なぜでしょうか。半日も同じ教室の中にいれば、だれもが感染しているはずです。しかし、感染=発症ではありません。感染しても発症しない子がいます。その子は感染後、免疫力が働いてウイルスを退治したから発症しないのです。

大人でも同じことです。社内でインフルエンザが流行ったとき、かかる人とかからない人がいるわけです。インフルエンザにかぎらず、かぜでも同じことが言えるでしょう。

それにしても、毎年インフルの予防接種を受けているのにかかる人もいれば、受けていないのにかからない人がいるという事実も、ワクチンの効果が不明であることのひとつの証ではないでしょうか。

私は、インフルエンザにいちばん有効な予防法は、あなた自身の免疫力を高めることだと思います。かぜの予防策と同じです。栄養バランスのとれた食事、睡眠、運動など、いわば当たり前のことですが、体力をつけることです。

ただ、中には「予防接種を受けたほうが冬を安心して過ごせる」という人もいるでしょう。その場合は、安心効果があるので受けたほうがいいかもしれませんね。不安=ストレスを感じながら過ごすより、安心感のある日々のほうが心身にとっていいに違いありません。免疫力にとっても効果があると思われるからです。

いずれにしてもインフルエンザにかかったら、無理をせず安静にしていましょう。水分を摂って温かくして寝ていることです。熱はウイルスと闘っていることで発熱します。とにかく熱が下がるまで会社を休む。具合が悪くても休めない会社が多いことが、日本のインフルエンザ事情を取り巻く問題だと私は思っています。もちろん、つらいときは病院へ行きましょう!大切なことは無理をしないことです。

予防接種を受けたからと言って、インフルエンザにかからないわけではありません。



■賢人のまとめ
予防接種を受けても、毎年のようにかかる人もいます。予防接種の効果については個人差があり、受けたから大丈夫と言うことはできません。自前の免疫力をつけることが、いちばんの予防策だと思います。ふだんの食事、運動、睡眠を大切にして、体力をつけることがインフルエンザやかぜ予防の基本なのです。

■プロフィール

薬の賢人 宇多川久美子

薬剤師、栄養学博士。(一社)国際感食協会理事長。明治薬科大学を卒業後、薬剤師として総合病院に勤務。46歳のときデューク更家の弟子に入り、ウォーキングをマスター。今は、オリジナルの「ハッピーウォーク」の主宰、栄養学と運動生理学の知識を取り入れた五感で食べる「感食」、オリジナルエクササイズ「ベジタサイズ」などを通じて薬に頼らない生き方を提案中。「食を断つことが最大の治療」と考え、ファスティング断食合宿も定期開催。著書に『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)など。