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”デジタルトランスフォーメーション”のトレンドの下、あらゆる企業がデジタルへの変革を進めている。ここでメインフレームは重要な役割を果たすことができるというのはCA Technologiesだ。それだけでなく、デジタルネイティブではない既存企業こそ、信頼を勝ち取るという点で有利だという。重要なのは、「デジタルトラスト」--デジタルでの信頼だ。

CAはメインフレーム管理、DevOps、セキュリティなどのソリューションを提供しており、これらを通じて顧客のデジタルトランスフォーメーションを支援している。CAが提唱するのは「モダン・ソフトウェア・ファクトリー」-工場のようにモダンなソフトウェアやサービスを迅速に開発して、顧客に届けるというものだ。

CAでメインフレーム事業を統括するゼネラルマネージャのAshok Reddy氏は、既存企業もモバイル、ソーシャル、Web、AI、IoTといった技術を使って”デジタルエンタープライズ”への転身を進めることができるという。ここで重要なのが、「デジタルトラスト」だ。

デジタル時代の信頼(トラスト)を形作るのは、1)アプリとシステムの常時稼働、2)スマートフォンやIoTなど様々なチャネルで一貫したデジタル体験の提供、3)ユーザーやデバイスの認証、4)データとプライバシーの安全性だ。ここで既存のエンタープライズは、すでにある信頼を活用できる有利な立場にあるという。

「自動運転カーでは、既存の自動車会社への信頼が47%と最も高く、新しいIT企業は27%。つまり、人々は既存の企業を新しい企業よりも信頼する傾向にある」(Reddy氏)

上記の4つの要素により、1)洞察、2)自動化、3)アジリティ(俊敏性)、4)セキュリティと規制遵守と4つの成果を生む。だが課題もある。システムが停止することで生じるコストは1.5億ドル、サイバー攻撃の被害は3兆ドルに達しており、システムの安定稼働、データの保護に課題を突きつける。

中でもスキル不足は重要だ。「世界では企業の38%がスキル不足に悩まされている。メインフレームのスキルを持つ世代が引退期に入る中で、スキルをどうやって継承するかが課題だ」とReddy氏。特に人材不足が深刻な日本では、ITも例外ではない。

このような問題に対し、CAは「MRI」を提唱する。メインフレームのM、リソースのR、インテリジェンスのIを組み合わせたもので、企業がデジタル化を進めるにあたって課題を割り出して優先順位をつけて解決のためのソリューションを作り上げるという総合的なサービスとなる。

「ツール、レポート、コンサルティングを組み合わせ、ライセンス契約、エンジン、データセキュリティの状況などのハードウェア環境やDevOpsの状況などを把握できる」とReddy氏、病院で受けるMRI(核磁気共鳴画像法)スキャンと同じようなもの、とした。

MRIにより浮かび上がったそれぞれの課題に対し、CAはソリューションを備える。プラットフォームの最適化では、キャパシティの最適化、スペシャリティエンジンの活用、ソフトウェア標準化などでリソースの効率活用を支援する。例えば2017年秋に発表したキャパシティ管理ソリューション「Dynamic Capacity Intelligence」の利用により月額ライセンス料金(MLC)総額を8%削減したり、論理区画(LPAR)あたり最大で2万ドルの削減も可能だという。このほかにも、スペシャリティエンジンの利用によりオフロードによりMLCを55%〜65%節約できる、ソフトウェア標準化では、モバイルからメインフレームまで同じ開発ツールを用いる、Java活用などを進める。

スキル不足に対しては、自動化がCAの回答となる。CAはメインフレーム向けに機械学習を利用した管理ツール「CA Mainframe Operational Intelligence」を発表しており、トランザクション、データベース、システム、ネットワーク、ストレージ、ブロックチェーンなどのデータを収集して学び、機械学習アルゴリズムを利用して自動化を進める。

「問題が発生する前に問題を特定できる」とReddy氏、自動化する前に専門家が正しい対応かどうかをチェックできる機能もあるという。解決できるのはスキル不足だけではない。ビジュアル分析と自動のデータ相関関係によりサービルレベル(SLA)を確実にしている例もあるという。

「CAだけではなく、IBMなど外部の情報もサポートすることで、完全な”セルフドライビング・センター”を構築できる」(Reddy氏)

DevOpsでは「DevOpsからメインフレームを排除しない」とReddy氏はCAの考えを説明する。CAは「Project BrightSide」として、Microsoftの「Visual Studio Code」や「Atom」「Gradle」などのオープンソース技術まで、開発者が使い慣れたツールを使ってメインフレーム向けに開発できる。メインフレームのバックエンドに変更を加える必要はなく、開発者は「メインフレームと意識することなく使える」とメリットを説明する。

このソリューションは日本でも提供する予定という。また、IBMのz Systems向けのEclipseベースの統合開発環境「CA Development Environment for z Systems」も備える。

データセキュリティでは、メインフレームにある機密データを自動検出したりアクセスルールを定義できる「CA Data Content Discovery」を2017年より提供している。この分野での今年のトピックは欧州で5月に施行が始まる「一般データ保護規則(GDPR)」だ。CA Data Content Discoveryでは規制遵守に必要なデータ保護対策を講じることができるため、好評だという。Reddy氏によると、ニーズが高いという日本語版を2018年前半に提供する予定とのことだ。

最後にReddy氏は、「メインフレームは無くならない。デジタルエコノミーの一部として重要な役割を果たす技術であり、CAは企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する」と強調する。

CA自身、昨年メインフレーム分野で300人の若い開発者を起用したとのこと。「メインフレームは、オープンシステムより少ない人数で管理できるというメリットがある」とし、重要なポイントとして「ツール面でメインフレームを特別なものにしないこと」「人材が引退する前に、機械学習などを利用してCOBOLなどレガシーコードの管理を進めている」という。

メインフレーム市場については様々な統計があるが、MIPSベースでは年8〜10%で成長しているとのこと。「MIPSが少ない小規模企業のメインフレーム離れは底を打った。基幹システムをメインフレーム上で構築している企業は継続して投資している」とReddy氏は述べた。