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朝一番で、その日のニューヨーククローズを読むというイメージトレーニングを繰り返すことは、先を読む力をつけるために結構役に立つ方法です。そしてなおかつ、実戦にも使用可能な武器だとも思っています。

碁や将棋に例えれば、1時間を一手として、最初の一手で二十四手先、つまり24時間先の相場水準を読んでみるということです。

もちろん、だからと言って相場観を固定するというのではなく、相場の展開に応じて臨機応変に相場観を調整していくことは忘れてはいけません。大事なことは、「遠くを見る」ということです。

例えばスキーを例にしてみますと、目先のところばかり見ていると、突如現れたコブに飛ばされて転倒してしまうことがあります。

しかしもっと遠くを視野に入れていると、あのあたりにコブがあって、あっちには急斜面、こっちには緩斜面があるというふうに、自らがおかれている大方の周囲の環境がわかり、事前にある程度の対応ができます。

相場の世界で言えば、月足、週足、日足などを定期的に見て、大勢を掴むことが大切です。

しかし、より日々の実戦に役立てるには、これからの1日をどう読むか、言い換えれば、1日のストーリーの展開をどう構築するかということが大事です。

そして、ストーリー展開の構築のためのイメージトレーニングとして、朝起きて、前日のニューヨーククローズの各種データから、関心のある通貨ペアだけで結構ですから、24時間後のニューヨーククローズにおいてその通貨ペアのレートがどこに収まるかを、毎日予想してみることが結構良いトレーニングになります。

もし余裕があれば、24時間後には、24時間前に予想した水準と実際の水準のズレを比較して、何が原因でズレが生じたのかをチェックしてみるという復習をすると、さらに踏み込んだトレーニングになると思います。

なお、もっと短い期間、例えば1時間でも、3時間でも可能です。

1時間後のレートを見る前に、自分のイメージではいくらと考えておき、実際のレートを見てみるということも大切です。

ただし、例えば1時間と24時間との違いは、やはり時間の経過の長さが違う分だけ、24時間の方が予測と現実とのブレが大きくなるため、長いものを読む方が、難易度が高いと言えます。

いずれにしても、短いは短いなりの用途はありますし、長ければ長いなりの用途があるわけで、そのどちらにも対応できるとも言えます。

また、このトレーニングのために特別に用意するものもなく、費用も掛からず、いつからでも始められるという利点があります。

実際、トレーディングでのトレーニングは、実戦しかないのが一般です。そんな中にあって、純粋にトレーニングができる方法としては、稀有な存在だと思います。

したがって、できるだけ何回も繰り返して、トレーニングすることが大事です。練習の繰り返しが感覚を研ぎ澄ませ、より鋭敏にしていきます。すると、例えば、24時間後のレベルをよりピンポイントで読めるようになります。

そうなると、おもしろいことが起きます。相場の実勢と予想にさほどのブレがないと気にならないのですが、何か気になりだしてレートを見ると、実際が予想とはぶれて動いていることが増えます。つまり、それだけ感覚が鋭敏になっているということだと思います。

私がインターバンクディーラーで激しくやっていた頃は、大口のお客さんが来るというのが、実際の1分前ぐらいには感じていて、やっぱり来たということは良くありました。日頃から、感覚を磨くことは重要です。

○水上紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売された。詳しくはこちら。