大阪出身の3人組ボーカルユニットのベリーグッドマンが27日に、東京・中野サンプラザホールで全国ツアー『てっぺんとるぞ宣言ツアー 2017-2018〜超好感男と貴方〜』のファイナル公演をおこなった。自身初となるホールツアーは昨年12月29日の大阪・オリックス劇場を皮切りに、4カ所5公演をおこなうというもの。10月にリリースされたアルバム『SING SING SING 5』からの曲を中心にアンコール含め全23曲を届けた。4月4日には早くもニューアルバム『SING SING SING 6』のリリースと、自身最多となる25カ所27公演をおこなう全国ツアーの開催も発表した。【取材=村上順一】

奈落から勢いよく登場

Rover(写真=ARIGATO MUSIC提供)

 ステージには、階段が作られLEDで装飾されているのが確認できる。中央にはMANA-BのDJセットを配置。ライブへの期待感が高まるなか、開演時刻になると照明が落ち、SEが響き渡った。階段の頂上から、Rover、MOCA、HiDEXの順番で勢いよく奈落から飛び出してくるオープニング。この演出に観客も大興奮。「Future」でライブの幕は開け、オープニングからタオルを回転させ盛り上がった。

 序盤はほとんどMCを挟まず、楽曲を紡いでいく。観客の腕がワイパーのように美しい振り子運動をみせた「まずはそこから -Berry Mix-」や、<やっぱり東京サイコーです>のコールアンドレスポンスで盛り上がった「Brand New World」など、バラエティーに富んだセットリストで全く飽きさせない。

 「どんな辛いことも乗り越えていける」と応援歌「ライトスタンド」を披露。スクリーンには高校球児たちの熱い映像が映し出され、楽曲を盛り立て、3人の情熱的な歌声が響く。続いて、常夏の空間を作り上げた「One Love」では、現在が真冬だということを忘れさせてくれる好演。

 「一生懸命応援していきます」と「大切なもの」では、MOCAが最後に「手をパーにしてください」と観客に投げかけ、みんなが手を上げたところで「特に意味ないけど」とボケると、メンバーから「なんでやらせてんねん」とツッコミが。笑いも忘れないその姿勢は常に健在だ。

MOCA(写真=ARIGATO MUSIC提供)

 そして、昨年結成4周年を迎え5年目に突入し、その喜びを伝えるように「Anniversary」をダンサーも交えパフォーマンス、そして、タイトルコールで歓声が上がった「はじまりの恋」を披露。「はじまりの恋」ではRoverがステージに男性スタッフを引き連れ、お立ち台の上でキスをするというサプライズも。そのあともHiDEXにBack DJを務めるMANA-Bがキスを求め、嫌がるHiDEXに会場から笑い声。

 ベリーグッドマンの結成のきっかけにもなったアコースティックセットで「You&Me」を披露。HiDEXが東京にRoverとライブをおこない挫折した時の話。その時からでは信じられない光景が広がっていると、このサンプラザに集まったファンに感謝を告げる。そして、家族の歌を歌いたいと「おかん〜yet〜」をしっとりと3人で歌い上げた。

そこに待っている人がいるなら…

HiDEX(写真=ARIGATO MUSIC提供)

 ここで、ステージを後にするメンバー。「TTS RADIO」と題したラジオ放送を映像で届ける。リスナーからの質問に3人が真摯!? に答えていく。その中でどうすればアイドルになれるのかというメールに、アルバム曲のなかでも異色を放つナンバー「とにかくこの瞬間だけはアイドルになりたくて」をプレゼント。SO.ON project TOKYOがダンサーとして参加し、華のあるステージで視覚でも楽しませる。続いて、お酒が飲みたくなる「飲みニケーション」で、両手を交互にアップダウンさせるゴーゴーダンスの振り付けで、お祭り騒ぎの盛り上がりを見せた。

ライブは後半戦に突入。MOCAが「腕を振りすぎてトリップしちゃった」と躍動感のあるナンバー「Trip」、“てっぺんとるぞ宣言”の頭文字をとった盛り上がり必至のナンバー「TTS」と立て続けに披露。そして、Roverが音楽を始めたきっかけを話す。

 「誰かを幸せにしたい、癒して上げたい、励まして上げたいというのが根本にあります。メッセージを生むことというのは辛いことですけど、そこに待っている人がいるなら僕達は、疲れ果てていても(曲を)作ろうって改めて思うことができました。次は僕ら自身の誓いの歌です」と、夢を追いかける人たちへの応援歌である「ハイライト」を情感たっぷりに歌い上げた。

 本編のラストはRoverがHiDEXのデモを聞いて涙を流したという「You」を披露。スクリーンにはファンの姿が映し出される。伸びやかで情感を込めた歌声は、余すことなく観客の心に届けられる。言葉の意味を噛みしめるかのように、静かに聴き入っている観客たち。しっとりと丁寧に歌い上げ3人はステージを後にした。

 観客たちによる「コンパス」のシンガロングがアンコールとなり、物販紹介VTRを挟み再び、Tシャツに着替えた3人がステージに登場。「Pain, Pain Go Away」や「Mornin' 」を披露。ここで4月4日にリリースされるニューアルバムについて言及。各々の音楽的趣向が反映されたアルバムになりそうと現段階でのビジョンを語った。

 記念撮影に続き、力強さを感じさせる応援歌「ライオン」、ラストに「もう一曲いいですか?」と、カラフルな銀テープがサンプラザいっぱいに舞った「Good Time」を届けた。感情を抑えられなくなったMOCAはステージを降り、客席を駆け巡る。まさに“Good Time”だった2時間30分のライブは大団円を迎えた。

ベリーグッドマン(写真=ARIGATO MUSIC提供)
ライブのもよう(写真=ARIGATO MUSIC提供)
ライブのもよう(写真=ARIGATO MUSIC提供)
Rover(写真=ARIGATO MUSIC提供)
Rover(写真=ARIGATO MUSIC提供)
MOCA(写真=ARIGATO MUSIC提供)
MOCA(写真=ARIGATO MUSIC提供)
HiDEX(写真=ARIGATO MUSIC提供)
HiDEX(写真=ARIGATO MUSIC提供)
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