18世紀のフランスで、王侯貴族に愛されたレユニオン島のコーヒー豆「ブルボンポワントゥ」。その後一度は消えた“幻のコーヒー”だが、UCC上島珈琲が復活させた

写真拡大

温かいコーヒーがおいしい季節だが、UCC上島珈琲が11年前から数量限定で販売している「ブルボンポワントゥ」という超高級豆が密かに注目を集めている。かなり強気な値段設定にもかかわらず、毎年、即完売するという人気商品の秘密とは?(取材・文/真島加代)

フランスの王侯貴族が愛した
「幻」のコーヒー豆

 個人の趣味趣向に合わせて楽しめるようになったコーヒー。人口減少の影響で外食産業が苦戦を強いられている中、国内のコーヒー生産・出荷量は増加しており、マーケットを拡大している。

「今、私たちの周りにはコーヒーがあふれています。たとえばコンビニコーヒー。以前はゼロだった市場が、登場から5年で20億杯を超える市場へと成長しています。こうしたマーケットの広がりに合わせて、コーヒーのバリエーションにも変化があらわれています」(UCCコーヒーアカデミー東京校・講師 中平尚己氏)

 そんな中、コーヒー愛好家の間で注目を集めているのが、2007年から毎年数量限定で販売されている「ブルボンポワントゥ」。「幻のコーヒー」と呼ばれ、個性的な特徴とドラマを持つコーヒー豆だ。

 何より驚きなのが、その価格。年度によって多少変動するが、昨年発売された「UCC ブルボンポワントゥ2017」は150gで1万2000円である。

 コーヒー愛好家の間でも賛否が分かれるほどの値段設定にもかかわらず、毎年完売。さらに、オンラインショップとUCC直営店で販売する「ブルボンポワントゥギフト」の2017年度販売数は、前年比で146%伸長(集計期間:先行予約開始〜発売1ヵ月)しているというが、いったい普通のコーヒー豆とは何が違うのか。

「ブルボンポワントゥとは、フランス海外県のブルボン島(現・レユニオン島)で18世紀頃に生産されていたアラビカ種の代表品種・ブルボン品種のコーヒー豆です。ポワントゥはフランス語で“尖った”を意味し、コーヒーの木や葉、コーヒーチェリーなどすべてが尖っている特徴的な形をしています。“香りのブーケ”と称されるほどの華やかな香りと、クセのないクリアな酸味が魅力です」

 こう話すのはUCC農事調査室室長の中桐理氏。ほかにも、原種に非常に近い点やカフェイン含有量が0.6〜0.7%と、一般的なコーヒーの約半分であることも特徴といえる。

「ブルボンポワントゥのはじまりは、1715年。イエメンからブルボン品種のコーヒーの苗木が持ち込まれ、コーヒーの栽培を開始。当初は、ブルボン品種のコーヒー豆を栽培し、王侯貴族に献上していました。ブルボン品種のコーヒーを生産していく中で、1771年に島の住人の苗床で、突然変異で生まれた木が発見されました。これがブルボンポワントゥだったんです」

 18世紀のフランスではレユニオン島のコーヒーが人気を博し、王侯貴族にも愛される存在となった。しかし、台風などの自然災害や害虫被害などの不運が重なり、19世紀初頭にコーヒー栽培は衰退。1942年の輸出統計を最後に、歴史上から姿を消していた。これが、ブルボンポワントゥが“幻”と称されるゆえんだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)