イエレンFRB議長も退任へ。FRB議長の交代時、相場が急変するリスクも(写真:tabiphoto/PIXTA)

ニューヨークダウは2万5000ドルに乗せたと思ったら、わずか8営業日で2万6000ドルへの大台替えだ。先週末(1月26日)は223ドル高の2万6616ドルと3日連続史上最高値更新で、早くも2万7000ドルを目指す勢いだ。

「ダウの格言」に従うべきか?

止まることを知らないNYダウ。さしたる「押し」もなく、ドナルド・トランプ大統領の言う「次は3万ドル」になるのか。チャールズ・ヘンリー・ダウ(1851年―1902年)が提唱したダウ理論の中には「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」という相場格言とも言うべき一文がある。正に今のNY株はこのトレンドに逆らうと火傷しそうな勢いだ。

しかし、天まで届く木はないように、株もどこかで天井を打つ。トレンドに明確な変化が出たら撤退すべき事は勿論だが、できればその前に売り抜けて投資の勝者になりたいものだ。

筆者は、天井を打つときは「実態と人気と政策」のバランスが崩れた時だと思っている。トムソン・ロイター社の集計によると、S&P500種構成銘柄のうち、先週まで発表された企業決算の約8割が、事前の市場予想を上回っている。

基本的に企業業績が増収増益を続けるうちは、大天井を打つことはないと思っている。個々の企業では増収減益や減収増益はよくあることだが、例えばS&P500種構成銘柄全体の業績が、わずかでも「増収減益」や「減収増益」になったら、それは明らかな「異常音」の発生で、そこは空売りのチャンスだ。

そして下げ始めた株価を無視するように、もしその時の過熱的景気指標中心の見方で引き締めを続行したら、完全に相場は終わる。相場循環図で言うところの、逆業績相場(下降相場)が始まるところだ。

さらに、ここでは投資家個々の感覚が必要になる。急騰・過熱の感受力だ。相場が天井を打つときは、「株価急騰・金利急騰・景気過熱」が条件だが、それぞれのレベルは数字では表せない。仮にある程度計算したとしても、「急騰」と言う表現の上昇角度は決まっていないし「過熱」と言う表現も温度が決まっているわけではない。

投資家の感性が違うから相場は面白いのであり、感性が一緒だったら、皆が事前に行動するので絶対に天井で売ることなどできない。感性を研ぎ澄まし、数少ない相場成功者になりたいものだ。

NYの天井は1年先?

そんなことを考えてNY株を見ると、まだ天井は見えない。金利は上がり始めたが、景気は弱い部分もあり「過熱」と言う表現もメディアにはまだない。世界最大級の資産運用会社であるブラックロックの2018年展望では「米国景気のピークアウトは2年先」とあるが、それが正しいとすると、株の先見性から言って「1年先が天井かな」、などと筆者は考えている。

さて、今週は米国にとって忙しい1週間だ。30日にトランプ大統領の一般教書演説、30-31日はFOMC(米連邦公開市場委員会)、2月2日は1月の米雇用統計、同3日はジャネット・イエレンFRB(米連邦準備理事会)議長任期満了日となっている。特にイエレン議長の退任は、波乱リスクの1つだと考えている。

「イエレン緩和策」によって、FRBのマネタリーベースは2兆ドル台から4兆ドルになった。この資金が米国を活性化させ、世界の株高を誘導した事は間違いない。できれば、バランスの取れたテーパリング(量的金融緩和縮小)を本人にやってほしかった。解任に近いので仕方がないが、筆者から見るとイエレン議長の勝ち逃げの感じがする。勝ち逃げになると言うことは、これから株価と金融政策にバランスの崩れが発生することを意味する。

今回は米国のことばかり書いたが、日本株については前回予想した展開で推移している。全体モミあいの中で中小型株の活況相場がしばらく続くと考える。今週の日経平均株価の予想レンジは2万3500円―2万4000円とする。