「海外勤務者が多い会社」ランキング上位10社

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海外勤務者数がトップのトヨタ自動車。売上高28兆円の大企業は、当然、全世界を相手にビジネスをしている (撮影:鈴木紳平)

売り手市場を背景に、年々早期化の傾向が見られる就職戦線。すでにインターンシップや学内セミナーへの参加経験がある就活生も多いだろう。一方、まだこれからという人は、まずはどんな業界や会社があるのかを知り、会社選びの基準を考えてほしい。

近年では、就活生が会社選びで重視する基準は、「待遇」から「働きやすさ」にシフトしているようだ。もちろん、基準や優先順位は人それぞれだろう。こうした中で「海外で働けるか」を重視する人も存在する。

では、実際に海外で働く機会が多いのは、どんな企業か。2017年11月に東洋経済が刊行した『就職四季報2019年版』(総合版、女子版、優良・中堅企業版が発売中)をもとに見ていくことにしよう。

トヨタ、デンソー、豊田通商などトヨタ系多し


総合版に掲載されている1293社のうち、「海外勤務者数」に回答があったのは、1226社(うち1名以上は997社)。そこから上位200社を集計し、ランキングにまとめた。

なお図表には「従業員数」も記載しているが、調査では原則、メーカーなど工場で働く現業勤務者を除いた人数を回答してもらっている。そのため、有価証券報告書などに記載された社員数の公表数値とは異なるケースが多い。また、会社によっては、違う基準の従業員数を回答している場合がある。「現業者含む」と注記で記載している場合もあるが、海外勤務者の割合を知るための参考程度にとらえてほしい。

1位は昨年に引き続きトヨタ自動車だ。海外30カ国・約80事業体に約2450人の海外勤務者がいる。2位との差は1000人超とダントツの1位である。2位はゲームや映画などでもブランド力がある電機大手のソニー1400人。3位は自動車部品国内首位のデンソーで、36カ国・地域に1336人が勤務している。

トップ3はいずれもメーカーだが、存在感では総合商社も負けていない。4位三菱商事(1286人)、5位三井物産(1209人)、6位住友商事(1101人)、10位丸紅(907人)と、トップ10に4社がランクインした。

7位には三井住友銀行(1083人)がメガバンクで唯一ランクイン。三菱東京UFJ銀行みずほ銀行(みずほフィナンシャルグループ)は、非回答につきランク外となっているが、実態は同程度の水準と考えてよさそう。
 
このように上位にはいわずと知れた大企業が並ぶ。もちろん、事業規模が大きく従業員の「人数」が多いのは当然、との見方もあるだろう。

海外勤務者比率ではJETROがトップ

ここで、従業員に占める海外勤務者の「比率」に注目すると、先ほどとは違う景色が見えてくる。トップは、日本貿易振興機構(JETRO)で、比率は39.7%(ただし海外勤務者数は現地スタッフを含む)。また、総合商社は各社20%前後と、比率でも上位だ。なお、総合職に限定すれば、さらに高い値だと考えられる。ほかには、商船三井などの海運、東洋エンジニアリングなどのプラント建設、伊藤忠丸紅鉄鋼などの専門商社が浮上する。このように比率では、BtoBの業界・会社が目立つのも特徴だ。

海外に事業展開している会社であれば、長い目で見ると海外で働けるチャンスがあるはず。ここで、最新の会社四季報(2018年1集)に掲載されている海外売上高比率に着目すると、18位村田製作所(560人、海外売上高比率92%)、59位TDK(281人、海外売上高比率91%)、170位太陽誘電(125人、海外売上高比率90%)などが9割以上となっている。大手の金融や食品が国内市場の頭打ちなどを理由に、海外へと活路を見出す中、こうした会社は「海外で働けるか」に加え、成長の観点で見ても優位かもしれない。

3月1日の広報解禁まであと1カ月余。その間に企業研究を仕上げられるかが、就活の明暗を分けるといっても過言ではない。どんな会社があるかを知り、自分の会社選びの基準がまとまっていないと、エントリーシートすらまともに書けない状態に陥りかねない。「こんなはずじゃなかった」と後悔することだけは避けてほしいところだ。