羽生結弦(写真:gettyimages)

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27日放送、TBS「S☆1」では、五輪2大会連続入賞の鈴木明子氏が、平昌五輪に向けてコンディションが心配される羽生結弦について、金メダル獲得に太鼓判を押した。

羽生は昨年11月、大会前の練習中に右足首じん帯を損傷した。鈴木氏によると、ジャンプの踏切と着氷に影響が出るという。フィギュアのジャンプは着氷時に体重の5〜8倍もの衝撃がかかるため、体重52キロの羽生の場合、最大で416キロの衝撃が右足にかかるわけだ。

だが、鈴木氏は「十分、金メダルを獲れる」とコメント。羽生はジャンプだけでなく、トータルの選手であり、2つの強い武器を誇ると解説した。

その一つが、ジャンプに入る動作だ。通常は軸足を入れ替えてジャンプするが、羽生は軸足をそのままに、ターンを入れてジャンプしている。その難しさは、実演解説した鈴木氏が「これでトリプルアクセルとかすごいな」と思わず漏らしたほど。「スケート技術がないとできない」技という。

そうやって難度を高めることで、4回転ではなくても高得点につなげることができる。実際、今季のグランプリシリーズでは、このトリプルアクセルで9人の審判全員が満点の出来栄え点をつけたこともあった。

2つ目の武器は、スピンへの入り方。こちらも、羽生は軸足を変えることがない。鈴木氏によると、力を利用せずに「遠心力のコントロール」を駆使しているという。ただ、見た目以上に難度は高く、実演した鈴木氏が転倒してしまったほどだ。

通常の選手ではなかなかできず、当然、これも高得点につながる。さらにそれを曲が盛り上がる演技の最後に入れることで、プログラムが最後にグッと締まるという。鈴木氏は「技の得点だけではなく、演技構成点にも生かされている」と称賛した。

宇野昌磨やネイサン・チェンなど、4回転ジャンプが注目される男子フィギュア界だが、鈴木氏は羽生がトータルの選手と再度強調。「プログラムのつなぎの評価」が非常に高く、「体のコントロールが非常に優れているところが演技に表れている」とし、完成度を高めたベストな演技を見せてほしいと期待を寄せた。