“セレブなプチ起業”は妄想?「サロネーゼ主婦」の残念な裏話

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「サロネーゼ」という言葉を聞いたことがありますか? 自宅をサロンにして、料理や手作りアクセサリーなどの教室を開き、収益を得る女性のことをこう呼ぶそうです。

 専業主婦の間で人気の起業の一つですが、中にはサロネーゼ同士の付き合いで教室に参加したり、販売している物を買わなければいけない…といった悩みも少なくないといいます。

 サロネーゼ同士の付き合いに疲れて、現在は会社員に復職した主婦の理香子さん(仮名・35歳)に話を聞きました。

◆最初は楽しかったサロネーゼ生活

「元々、お菓子作りが好きで休みの日に作っていました。妊娠した時にママ友がベビーシャワーをしてくれた時に手作りケーキを出したら、サロネーゼをしているママ友から、自宅サロンの経営を勧められました。

 子供が産まれたら自宅でできる仕事のほうが良いのかなと思い、ママ友に勧められるがままに、自宅でお菓子作り教室をオープンすることになったのです」

 軽い気持ちで自宅サロンを始めた理香子さんは、サロネーゼ同士の付き合いがどういうものなのか、分からなかったといいます。しかし自宅サロンを初めて、理香子さんの環境は徐々に変化していきました。

「私に自宅サロン経営を勧めてきたYさんは、ハンドメイドのヘアアクセを個人のネットショップで販売し、収益を得ていました。

 彼女は地元のサロネーゼの世界では顔が広いらしく、様々な教室に私を誘ってきました。ハンドメイドアクセや、ハンドメイドバッグ、リボン作り…。初めは私も楽しかったですし、子供とお揃いの物を作ったりしていましたね」

 自宅サロンを通して、サロネーゼの知り合いも増えたという理香子さん。初めは趣味の延長程度でやっていたそうですが…。

◆イベントの売り上げはほとんんど手元に残らず…

「ある日、Yさんからサロン同士のワークショップに参加しないかと誘われました。ワークショップとは、教室をもっと色んな人に知ってもらおうという目的で行うイベントのようなもの。

 初めは断りましたが『サロンの知名度も上がるから!』と口車に乗せられて、お付き合いで参加することになったんです。イベント企画者でもあるYさんに料金設定などをコーディネートされて、500円でカップケーキにデコレーションできるというワークショップを開きました。

 いざ参加してみるとすごく大変で…、前日にカップケーキを20個焼いて、そこからさらにショップの出店料を引かれました。1日中、カップケーキデコレーションの指導をしても手元には材料費ぐらいしか残りませんでしたね」

 それ以来、少しずつYさんを含むサロネーゼ同士の付き合いから距離を置くようになった理香子さん。そしてついに、理香子さんの目を覚ます決定的な出来事が起きたそうです。

◆ある日、世間の価値観とのズレに気づく

「Yさんが、百貨店の催事にハンドメイドヘアアクセの店を出すことになったのです。他のサロネーゼさんに誘われて行ってみると、なんとプラスチックのヘアクリップが7000円で売られていました。それを見た瞬間、これに7000円払うならブランド物を買った方がいいなぁ…と思いましたね。

 一緒にいたサロネーゼさんは嬉しそうに買っていましたが、彼女の持ち物を見るとハンドメイドのバッグにリボンのアクセとサロン同士の付き合いで買った物ばかり…。サロネーゼの世界では通用しても、世間では通用しない品ということにハッキリ気付いたんです」

 やがて子供の小学校入学をきっかけに、理香子さんは自宅サロンを辞めて会社員に復職したといいます。

「社会復帰して分かったのですが、やはりこの歳になると手作りの物ではなく良い物を持ちたいと思いましたね。子供も小学生になり、ママとお揃いの物を付けるという年齢でもありませんし…。

 これからは自分の稼いだお金で、自分の欲しいものを買いたいと思います」

 自分でサロンを経営し自立することは素晴らしいと思いますが、やはりどの世界にもある女同士の付き合いというものは面倒なもののようです。

<TEXT/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。海外夜遊び歴13年。編著書に『旅の賢人たちが作った最強ナビ』(辰巳出版)など。ツイッターアカウントは@ayumikawano