男女の仲を深めるのに欠かせない、デート。

完璧だったと思ったのに、うまくいかないときもある。私たちはそんなとき、こう考える。

―あの時の、何がいけなかったのだろうか?

あなたはその答えに、気づけるだろうか。

気遣いもできるし相手にも合わせられる美優。博の気持ちを“察してあげられた”はずなのに、二回目のデートで次がなくなる。

その答えや、いかに。




美優と出会ったのは、知人の新居お披露目会だった。

僕は手土産にお気に入りのマルベックのワインを持参したのだが、たまたま隣に座っていた美優が、そのワインをとても気に入ってくれたのだ。

「あのワイン、博さんが持って来られたんですか?」
「そうだよ。あの品種が好きで。お口にあったかな?」
「はい!すごく美味しかったです。エチケットの写真、撮っておこうかなぁ。」

自分の好きな物を、好きと言ってもらえるのは純粋に嬉しい。美優が嬉しそうにエチケットの写真を撮る姿を見て、僕は彼女に興味を持った。

「あのワイン、気に入った?毎回大量にまとめ買いをしているから、今度一本あげるよ。」

お気に入りのワインは、いつもダースでオーダーしている。家に大量にあるし、あげる口実でデートに誘えるという下心がない訳ではない。

「え?いいんですか!?嬉しいです!」

素直に喜ぶ美優。僕たちはすぐにその場でデートの約束をしていた。

「美優ちゃん、食事は何が好き?」
「イタリアンとか、好きですが...博さんは、何がお好きですか?」
「イタリアン、好きだよ!そしたら気になっている店があるから、今度そこへ行かない?」

“この子、趣味が合うかも”、と思った。

気遣いもできる上に綺麗な美優に好意を抱いたのだが、その反面、デート中に垣間見えた“計算高さ”に、若干の怖さも覚えたのである。


デート中に博が感じた美優の“あざとさ”とは?


A1:気遣いは嬉しいけれど、やり過ぎは勘弁してほしい


昨年11月に中目黒にオープンして以来気になっていた『RODEO』を、僕は意気揚々と予約した。

「ここ、前に何かで見て以来気になっててさ。美優ちゃん、来たことあった?」

一瞬、美優が伏し目がちになり、何か言いたげな表情になった。

-あ、これは、来たことがある感じだなぁ...

しかし慌てて美優は 「初めて来ました♡」とフォローを入れてきた。その表情と微妙な間に、少しだけ違和感を覚えながらも、デートは始まった。

「何飲もうか?まずはシャンパンかなあ。」

『RODEO』はイタリアンレストランだが、店内は暖簾や格子のドアなどの、和テイストのインテリアが特徴的で、独特の空間が魅力的な店である。




洗練された空間にすっかり満足した僕は、さっそく乾杯して料理をオーダーし、しばらく話しこんでいた。しかし料理が運ばれてきたタイミングで、美優が飲んでいたシャンパンをこぼしてしまった。

「大変!すみません。」

よく見ると、彼女の綺麗な洋服にシャンパンが少しかかってしまっている。

「大丈夫?おしぼりもらおうか?」

そう言って店員を呼ぼうとした時、美優は鞄の中からはおもむろに染抜きを取り出した。

「すみません、大丈夫です!そう言えば、これ知っていますか?」

一瞬、返答に困る。

「何かあった時用に、持ち歩いているんです。」
「いつも持ち歩いているの?さすが美優ちゃん、いい女だね〜。」

「そんなそんな。秘書なのでいざという時に備えて、色々と準備しているだけです。博さんも、こぼした時は言ってくださいね♡あと二日酔い防止サプリも持っていますので、飲みますか?」

素直に感心したが、同時に若干の不信感も覚える。

あまりにも全てが周到に準備されており、“いい女”アピール感が否めないのと、計算高さが見え隠れしているように思えたのだ。

「すごいね。秘書の子と付き合ったことはないけれど、美優ちゃん良い奥さんになりそう。」

何とか絞り出した褒め言葉は、彼女に刺さったようだ。トリュフのパスタを嬉しそうに食べる姿を、僕は黙って見ていた。

しかし彼女の周到過ぎる“気遣い”について、他にも気になることがあった。

「ワイン一本空いちゃいそうですね。最後、注いじゃってもいいですか?」

終わりかけのワインボトル。そのボトルをおもむろに手に取り、僕のグラスに注ごうとしたのだ。

「本当だね。でも美優ちゃん、ワインボトル重いと思うから置いといていいよ。」

-ワインは、女性が注いだらダメだよ!

そう言いかけたが、初デートだったので気が引けた。しかも美優は良かれと思ってしてくれているので、それ以上は何も言えなかったのだ。

結局その日は2軒目へ行って解散したが、美優の的外れな“気遣い”が心にひっかかったまま、帰路に着いた。


デートには少し遅れていくべき?待ち合わせ時間の正解とは


A2:毎回、微妙に遅れてくる人。他のこともルーズだと思ってしまう


そんな中、僕たちは二回目のデートをすることになった。

美優の家が白金高輪だと言っていたので、今回は彼女の家に近い『TARANTELLA da luigi(タランテッラ ダ ルイジ)』を予約した。




しかし待ち合わせ当日、美優は店に5分遅れでやってきた。

-家、近いんじゃないの!?

そう突っ込みそうになったが、“ごめんなさい”と言う美優に何も言えなくなる。

「お待たせしてすみません!」
「大丈夫。全然待ってないよ。」

しかしそう言いながら、僕はふと思い出した。

そう言えば、前回も、またその前のホムパの時も、美優は少し遅れてやってきた。30分、1時間遅れるわけではない。しかし、微妙に5分くらい遅れてくるのだ。

-その5分に、何の意味があるのだろうか。

僕は基本的に時間厳守である。多少の遅刻に対して怒りはしないが、時間にルーズな人は、どうも他のことに関してもルーズな気がしてならない。

「そう言えば、この前渡しそびれちゃったワイン。今日は忘れずに持ってきたよ。」

実は初回のデートが楽しくて、美優が“アリ”だったら、今回の2回目のデートで、家に誘う口実としてこのワインを使おうと思っていた。

男だって、デートの後のことを何も考えていない訳ではない。しかし何となく家にあげるのが面倒で、今回食事の席に持ってきたのだ。

「重いのに、わざわざありがとうございます...家まで取りに行っても良かったのに。」

そう言う美優に、変な期待を持たせなくてよかったと思っていた時、サラダが運ばれてきた。

「サラダ、取り分けますね。」
「え、ありがとう。でもいいよ、自分でするから。」

レストランで女性にサーブさせるのは、あまり好きではない。幼少期に海外に住んでいた経験のせいかもしれないが、女性がお皿やグラスを触るのは基本的にNGだと教えられてきた。

食べたい分はこちらが取り分けてあげるか、あるいは各自で取り分ければよいだろう。

しかし、美優は引き下がらなかった。

「いいんです、ここは女性がすべきことですから。」

そのはっきりとした口調は、有無を言わさない感じだった。“いい女アピール感”が見え隠れし過ぎて、彼女の“素”が分からなくなる。

-遅れてくるのも、自分のことをいい女だと思っているからなのか!?

小さな疑問は膨れあがり、僕はそれ以上このデートを楽しめなかった。

「あれ?二軒目、行きませんか...?」
「うん、今日はもう帰ろう。」

多少の可愛い計算や気遣いは良いけれど、あまりにも見え透いた計算は男性としては引いてしまう。

そして下手な気遣いよりも、約束の時間に遅れてこないとか、テーブルマナーがきちんとしているなど、もっと基本的なところがしっかりしている女性の方がずっと魅力的である。

この回の【Q】はコチラ

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デートの答えあわせ【Q】:何回目のデートで脈ありor無し判定するのか?

<これまでのデートの答えあわせ【A】>
Vol.1:「明日、朝早いから帰ります」は真実か?女が2軒目で帰る理由に気づかぬ男
Vol.2:2人きりで食事に行くことの意味。女性がデートの誘いに乗った本当の理由とは?
Vol.3:待ち合わせは「駅or店」どちらが正解?女が思う、ベストな集合時間と場所とは
Vol.4:男がデート中に見ている仕草。女が良いと思っていることが、仇になる?
Vol.5 : 男が勘違いしがちな“無駄な優しさ”。メニュー選びに潜む罠
Vol.6:店選びで女が見ている点。女が男に求める気遣いと、欲する一言とは
Vol.7:女は出す“フリ”をすべきなのか?会計時に男が女に求める行動とは
Vol.8:女だって、恥ずかしい。デート中に、好きな男性にだけ見せる仕草とは
Vol.9:あゝ悲しき男の勘違い。女が仕掛けてくるボディタッチの真の意味
Vol.10:女の「こんなの初めて♡」を真に受け、踊らされる男たち
Vol.11:あなたのセーターは、大丈夫?“家庭的でいい女”を目指した女の失態
Vol.12:女のさしすせそ「さすがです、すごい♡」の真意に気づかず、惑わされる男
Vol.13:「何食べたい?」に対する正しい返答。男の戦意を喪失させる女の行動
Vol.14:見落としがちな、デート直前のマナー。日程決めの際に男が必ずすべき事とは
Vol.15:意外に単純?デート中に女が惚れた、2軒目へ移動する際の男の振る舞い
Vol.16:「前の彼女って、どんな子?」と聞く女の心理。素直に答える男はバカを見る