太陽光発電、前年実績を大きく上回る見込み 関連業者の倒産件数は4年連続で最高を更新

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 太陽光発電の実績は増えているが、買い取り価格の引き下げで市場は縮小しており、関連企業の倒産は増加傾向にある。

 経済産業省 資源エネルギー庁が公表している電力関連の各種統計情報によると、平成29年9月の太陽光発電の発電実績は7億2,532万1,000キロワット時で、前年同期の4億70,22万5000キロワット時を大きく上回った。

 平成29年度に入ってからの推移を見ると、4月の発電実績は7億9,958万5,000キロワット時(前年同期5億5,503万4,000キロワット時)、5月が9億112万キロワット時(同6億6,305万5,000キロワット時)、6月が8億5,675万1,000キロワット時(同5億4,388万5,000キロワット時)、7月が8億6,912万6,000キロワット時(同6億4,489万6,000キロワット時)、8月が8億172万6,000キロワット時(同7億914万キロワット時)と前年の実績を上回って推移している。太陽光による発電は天候に左右されるものの、このままのペースで推移すれば、平成29年度の発電実績は前年度を大きく上回りそうだ。

 太陽光による発電が増加する中、帝国データバンクは1月16日に「第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査」の結果を発表した。調査における太陽光関連企業とは、太陽光発電システム販売や設置工事、コンサルティングなど関連事業を手掛ける事業所で、本業が別にある事業所も含んでいる。

 2017年の太陽光関連企業の倒産件数は前年比31.1%増の88件で、過去最高だった2016年の67件を大きく上回った。倒産件数が前年を上回るのは4年連続。負債総額は同9.2%減の302億4,600万円で3年ぶりに減少したものの、2015年の負債総額93億700万円と比較すると高水準にある。

 倒産した事業所を負債規模別にみると、「1億円〜5億円未満」が34件(構成比38.6%)で最も多く、「1000 万円〜5000万円未満」(26件 同29.5%)、「5,000万円〜1億円未満」(13件 同14.8%)など中小・零細業者の倒産が大半を占めた。その一方で「10億円〜50億円未満」の倒産も5件(同5.7%)発生し、比較的規模の大きい中堅企業の倒産も目立った。

 こうした状況について帝国データバンクは、市場縮小を受けて中小・零細の訪問販売業者などの淘汰が進んでいるほか、太陽光パネルメーカーなど比較的体力のある製造業者にも影響が及んでいると指摘している。

 2012年に導入された再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)では、昨年から入札制度も始まるなど、買い取り価格の引き下げ傾向が続いている。太陽光関連企業にとって、厳しい環境はしばらく続きそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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