スイス・ダボスで、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席した国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のエルハッジ・アマドゥ・シィ事務総長(2018年1月23年撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】エボラ出血熱、ジカ熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)──約5000万人が死亡したとされるスペイン風邪の大流行から100年、人類は今、新たな致命的疾病の危険にさらされており、グローバル化された現代社会ではスペイン風邪のような世界的流行は避けられないかもしれないと、専門家らが今週、警鐘を鳴らした。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)のエルハッジ・アマドゥ・シィ(Elhadj Amadou Sy)事務総長は、スイス・ダボス(Davos)で開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)でAFPの取材に応じ、「パンデミック(世界的大流行)は人類にとって現実の脅威となりつつある」と述べた。

 世界保健機関(WHO)の感染症専門家、シルビー・ブリアン(Sylvie Briand)氏は「Are We Ready For the Next Pandemic?(われわれは次のパンデミックの準備ができているか?)」と題されたダボス会議の討論会で、「パンデミックが起こりそうなことは分かっているが、われわれにそれを止める手だてはない」と語った。

 史上最悪の流行病とされるスペイン風邪が発生した1918年から、今年はちょうど100年目。専門家らによると、スペイン風邪のウイルスは第1次世界大戦(World War I)時に米国から欧州へ渡った兵士らによって運ばれたものと考えられているという。スペイン風邪により約2年間で死亡した人の数は、約4年に及んだ大戦の死者数より多かった。

 感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)のリチャード・ハチェット(Richard Hatchett)氏によると、1918年にインドでは人口が5%減少し、同国史上で人口減となった唯一の年だという。

 それから1世紀。専門家が最も懸念している脅威は、新型のインフルエンザウイルスだ。

 ブリアン氏は、「インフルエンザウイルスは感染が容易な呼吸器系ウイルスで、症状が現れる前に他の人びとに感染してしまうので、食い止めるのは簡単ではない」と述べた。

 さらにインフルエンザウイルスの型は多数あり、お互いが結合したり、また鳥やブタからのウイルスと結合したりすることで、ヒトにとって致命的な組み合わせになる可能性もあるという。
【翻訳編集】AFPBB News