妹や弟と一緒にいるときは"上"としての振る舞いを求められ、兄や姉と一緒にいるときは"下の子"として扱われ、バランス感覚が自然と身に付く中間子(写真:hashisatochan / PIXTA)

『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』の著者・五百田達成氏が、「きょうだい型」別に性格分析とコミュニケーション方法を伝授する本連載。五百田氏は角川書店で雑誌・書籍編集者、博報堂でプランナーとして勤めた後、作家・心理カウンセラーとして独立。豊富なカウンセリング実績を生かした人付き合いやコミュニケーションに関する実践的アドバイスを行っています。第4回となる今回は、繊細で複雑で感受性の強い「永遠の思春期」、中間子について解説します。
なお、本稿ではきょうだいのいちばん上を「長子」、3人以上のきょうだいの長子と末子以外を「中間子」と表記しています。

長子と末子のハーフであり、「中間管理職」的存在

中間子の性格を表すキーワードは「思春期」です。

まるで十代の中高生のように他人が自分をどう思っているかが気になるし、周囲の人間関係も気にかかる。些細な言動に一喜一憂しては、クヨクヨしがちです。

中間子はもともと、末子として生まれます(暫定末子)。家族のアイドルとしてチヤホヤされ、栄華を誇っていたある日突然、その座は弟や妹に奪われる……。「その喪失感は実に大きかった」と多くの中間子は語ります。

以後は、妹や弟と一緒にいるときは"上"としての振る舞いを求められ、兄や姉と一緒にいるときは"下の子"として扱われる。コロコロ役割が変わるので、自然とバランス感覚が養われます。

いわば、長子と末子のハーフであり、職場における中間管理職のような立場の中間子。誰とでもそこそこうまくつき合える器用さを持っていますが、それが災いして、「八方美人」とバッシングを受けることもあります。

ある女性(中間子)は「小さいころ、普通にしていたら、親に気づいてもらえないという危機感がつねにあった」と告白します。

一家団らんのときも、放っておくと自分の話はしてもらえない。何でもいちばんの長子と、愛玩される末子の間で、親の関心を引くのは並大抵のことではありません。

ちょっとしたチャンスも見逃さずに、「私もね……!」と割って入るべく、涙ぐましい努力を重ねたそうです。この目立ちたがりという性格は、中間子が持つ"裏"の性格と言えるでしょう。

繊細な性格で、感受性も人一倍強い。よく考えてから行動する思慮深さがありますが、ときとして考えすぎて、自分で自分を縛ってしまう傾向もあります。


『"生まれ順"でまるわかり! 中間子ってこんな性格。』より

人間関係にめっぽう強い"人付き合いのエキスパート"

考えすぎと言えば、中間子は「いつも私だけ割を食っている」という被害者意識を募らせがちです。ある女性(中間子)は「お下がりばかりで本当にイヤだった」と顔を曇らせますが、家族に確かめると「ほとんどなかった」とのこと。

別の女性(中間子)も「彼氏が自分にかまってくれないのが許せない。デート10回のうち8回はちゃんとしてくれてても、残り2回がダメだと、怒りが止まらなくなってしまう」と語ります。

いつでも人間関係に気を配れる彼らはいわば、"人付き合いのエキスパート"。末子がノリだけで動くのに比べて、中間子はパワーバランスや相手の気持ちまで配慮します。そのため交渉上手で、中間管理職などの調整役としては高い手腕を発揮。中間子がひとりいるだけで、チームが引き締まるシーンは多々見受けられます。

「誰とでもうまくやれる人付き合い上手」か「何を考えているかわからないミステリアスな人」か、人によって評価が大きく分かれるのも中間子らしいところです。

中間子にとって、最も相性がいいのは同じ中間子。要領がいいところが似ている末っ子とはうまくやれますし、真逆の性格である一人っ子とも大丈夫。唯一、長子とだけは何かとぶつかる場面が多そうです。

中間子は空気を読むことに長けていて、相手に合わせるのが得意。その分、我慢を重ねて、ストレスをため込む傾向があります。

たとえば、長子との仕事では、長子が強引過ぎるリーダーシップを発揮したとしても、細やかな気遣いでサポート。長子は働きやすく感じるかもしれませんが、中間子にとっては気疲れすることになりかねません。

むしろ、同じ身勝手ならどこまでも天真爛漫な一人っ子をサポートしたり、明るく言うことを聞く末子をプロデュースするほうが、中間子のやる気につながるでしょう。

中間子同士の恋愛には要注意

中間子同士はなにかと相性がいいのですが、こと恋愛となると、黄色信号。双方ともに駆け引きや相手を試すような行為に走ってしまい、台無しになる可能性があります。「策士、策におぼれる」にならないためには、末子ぐらい明るい相手のほうがいいのかもしれません。

逆に結婚のように、ひとたび安定した関係が手に入れば、中間子同士でも落ち着いて持ち前の優しさを発揮することができるはずです。

人当たりはよいが、内面は実に複雑で繊細な中間子との付き合い方。相手を尊重し、味方になることがカギ。

中間子の人付き合いスタイルは複雑で繊細。空気を読むのが得意な気配りの人であるのと同時に、他人からの注目を求めている。それなのに、その気持ちを素直に表せない……、と実に込み入っています。そのため駆け引きや探り合いも得意とします。

一見すると人当たりが良く誰とでも仲良くつき合うのに、じつは心を開いていなかったり、些細なことで傷ついたり。なんとも一筋縄ではいきませんが、裏を返せばきわめて人間味にあふれた深みのある性格。また、人付き合いや人間関係をとても大事にする人情家でもあります。

多くの中間子が大人になってからも思春期さながらのアンビバレンツな感情をもてあましています。そんな中間子とうまく付き合っていくには、その葛藤と並走する覚悟が必要です。

といっても恐れる必要はありません。中間子たちは、尊重されればされた分だけ相手を大事にするという義理堅い一面もあります。


『"生まれ順"でまるわかり! 中間子ってこんな性格。』より

さらには細かな気持ちの機微を一瞬で察して、人を動かす交渉の達人でもある彼ら。味方につければ、これほど頼もしい相手もいないでしょう。

中間子にはこのひとことでうまくいく!!


1 褒めるとき:うらやましい

なにごとも、周囲との関係性でものを考える、“ 人間関係オタク” である中間子。彼らを褒めるなら「うらやましい」が効果的です。単に「すごい」「えらい」「よくやった」と褒めても、客観的な評価はいまひとつ刺さらないのです。「他の誰でもない、私が、あなたを褒めている」という姿勢が重要です。また、「部長もすごいって言ってたよ」「隣の部署でも評判になっていた」など他人を引き合いに出して褒めるのもいいでしょう。

2 しかるとき:もっとできるはず

中間子をしかるときには、一工夫が必要。頭ごなしにどなったり、シンプルにハッパをかけたりしても、拗ねてしまう危険が。ここはひとつ「期待しているからこそ厳しいことを言うんだ」「君ならもっとできるのに残念だ」など、秘めた愛情をアピールしましょう。必要とされている、期待されているという実感が、彼らを突き動かすエネルギーになります。ムチのあとにはアメを。ツンのあとにはデレを。手間をかけたらかけた分だけの効果は見込めます。

3 謝るとき:いやな思いをさせてごめん

繊細で感受性の豊かな中間子に謝るときの基本は、「ご心配をおかけしました」「悲しませたね」など、気持ちにフォーカスを当てることです。「ごめんって言ってるじゃん」とキレぎみに謝っても、「何がごめんなの?」と食い下がられることになります。どっちが悪いなどの事実関係はいったん横に置いて、腹を立てている彼らの気持ちに寄り添いましょう。そこさえクリアになれば、細かなミスには目をつぶってくれます。

4 慰めるとき:君のせいじゃない

落ち込んでいる中間子を励ますには「君のせいじゃない」「君は悪くない」とフォローするのがいいでしょう。謙虚で思慮深い彼らのことですから、隙(すき)あらば「自分のせいなんじゃないか」と、自己嫌悪に陥りがち。あるいは逆に「どうして自分だけがこんな目に……」と周囲を恨んでみたり。「あなたに非がないことは、私がよくわかっている」ということさえ伝われば、「それならいいんだけど……」と元気を取り戻します。

5 誘うとき:みんな来るよ

周囲の視線を気にしがちな中間子は誘われても、はっきり返事をしない傾向があります。「すぐに参加を表明したら暇だと思われるんじゃないか」「社交辞令で誘われただけなのでは……?」などと、素直になれないのです。そんな中間子に刺さる言葉は「みんな来るよ」。自分だけが参加しないという悪目立ちは避けたい彼らは、すぐさまOKの返事をくれるはずです。その他「○○さんが会いたいって言ってる」などのフレーズも効果的です。

6 口説くとき:君みたいな人はいない

中間子が恋愛に求めているのは「スペシャル感」です。これまで異性と意識したことがなかった相手からでも、「君みたいな人はいない」「ずっと気になってた」など、かけがえのない特別な存在であることをアピールされると、弱いようです。自分のことが「好きだけど嫌い」な中間子は、肯定されたい気持ちが人一倍強い、いわゆる恋愛体質。ロマンティックな言い回しを、どれだけ照れずに言えるかが勝負となります。

7 頼むとき:あなたしかいない

中間子のやる気を引き出すなら、情に訴えるのがいいでしょう。「困ってるから助けてほしい」と泣きついたり、「君にしかできない」と持ち上げたり。さらには「いつでも相談してね」「私もちゃんと見てるから」など、見守っていること、一人ではないことを伝えると、安心して取り組んでくれます。一度信頼すればいざというときに「一肌脱ぎますよ」と高い忠誠心を発揮するのも中間子の特徴。とにかく、コミュニケーションを怠らないことです。

8 断るとき:残念なんだけど

中間子の誘いや依頼を断るとき、気をつけたいのは相手を不安にさせてしまわないこと。そっけなく「行けない」「NGです」と返そうものなら、「嫌われているんじゃないか」「迷惑だったんじゃないか」と妄想が止まりません。「すごく残念なんだけど」「うわー、行きたかった」と、気持ちを大げさに伝えるようにします。そうすれば「誘ってよかったんだ」と安心するだけでなく、「なんていい人!」と素直に感動し、次もまた誘ってくれるはずです。

頭ではわかっていても、なかなか納得することのできない「人づきあいの真髄」に気づくことのできる奥深いテーマ、それが「生まれ順」なのです。この記事を通じて、あなたの日々の人間関係が少しでもスムーズになることを心から祈っています!