さまざまな改革を進める百貨店

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 長らく低迷していた百貨店に復活の兆しがみえ始めている。来店頻度を高める店づくりや、店舗の立地に合わせた商品政策などを進め、にぎわいを取り戻してほしい。

 日本百貨店協会がまとめた2017年の全国百貨店売上高は前年比0・1%増(既存店ベース)の5兆9532億円で、3年ぶりにプラスに転じた。株価上昇に伴う高額商品の売り上げ増や訪日外国人による免税品売り上げの回復などが寄与した。1月の初売りも、福袋だけでなく、高額品を中心に売れ行きは堅調だった。

 百貨店の売上高は1991年に9兆円超を記録して以降、約4割も減少し、従業員数もピーク時の約14万人から半減した。駅前立地でクルマ社会への対応が遅れたことに加え、大型商業施設の規制緩和に伴い、郊外型のショッピングセンター(SC)やアウトレットモールに顧客が流出したのが大きい。

 ただ再生のヒントはある。例えば大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJフロント・リテイリングが、東京・銀座の松坂屋銀座店跡地に開店した国内初のラグジュアリーモール「ギンザシックス」。海外の高級ブランドを集積、ゆとりのある売り場を提供し、人とお金を集めている。

 東京・日本橋の三越本店ではシニア層向けに「Hajimariのカフェ」というフロアを設け、さまざまなセミナーを開く。山歩きセミナーとアウトドア用品をセットで提案するなど、高齢になっても活動的な団塊世代のコト消費を喚起する。

 百貨店は1階を化粧品や服飾雑貨で埋めるのが定番だが、西武所沢店(埼玉県所沢市)は1階と地下1階を食品売り場に大改装し、前年比で客数を15%、売上高を5%増やした。「地産地消」を掲げて地域の老舗や人気店をそろえ、遠のいていた顧客を呼び戻した。

 スーパーやコンビニエンスストア、専門店など実店舗だけでなく、インターネット通信販売の台頭など、百貨店を取り巻く環境は平坦ではない。とはいえ生き残るための手段は、まだまだ残っていそうだ。