初期太陽系での天体衝突、意外と穏やか?

写真拡大

 千葉工業大学の黒沢耕介研究員や東京工業大学地球生命研究所の玄田英典特任准教授らは、隕石(いんせき)に刻まれた天体衝突の“記憶”が別の天体の衝突でリセットされる仕組みについて、数値シミュレーションで解明した。天体衝突時の衝撃波で壊れた岩石による内部摩擦などのエネルギーが加わり、毎秒2キロメートルの低速での衝突にもかかわらず、天体衝突の年代の記録が消去されることが分かった。

 初期太陽系での天体の衝突環境が、考えられていたよりも穏やかだった可能性が高いことを示した。

 隕石中に含まれる放射性同位体の存在比率からその当時の年代が分かる「放射壊変年代」は、45億―46億年前の初期太陽系で起きた出来事を調べる上で重要とされる。

 隕石が示す年代は、天体衝突により隕石の母天体が約700度C以上の高温にさらされた時刻を示す。母天体が700度Cに加熱され、今までの記録がリセットされるには、従来は毎秒6キロ―8キロメートルの高速での衝突が必要とされてきた。

 成果は26日、米科学誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズ電子版に掲載される。