執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

スイーツ好き、万年ダイエッターは肝臓に脂肪がたっぷり!?
お酒を飲まない女性にも脂肪肝が急増中。脂肪肝になる原因を肝臓治療歴30年の医師が解説。

肝臓に神経なし! 自覚症状が出た時には病気が進行している

肝臓は人体でいちばん大きな臓器。体に必要なものを合成し、不要なものを分解する「化学工場」として働き続けています。代謝、解毒、胆汁の分泌というのが肝臓の3つの働きですが、ふだん使っているのは最大能力の30〜40%程度。余力があるうえ、肝臓には神経が通っていません。そのため、自覚症状が出るころには、病気がかなり進んでいるということに。

「肝臓の病気=お酒好きな男性の病気」と考えがちですが、最近はお酒を飲まない女性にも、肝臓のトラブルが増えています。忙しく、食生活が不規則になりがちで、甘いものをよく食べるといった人は要注意。こうした習慣が肝臓にじわじわと脂肪をためていくことになり、その結果、病気を招くフォアグラ状態の肝臓“脂肪肝”になる人が増えているのです。

中でも最近、問題視されているのが、脂肪肝の一部が“非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)”を引き起こすこと。 NASHはアルコール性肝炎より肝硬変や肝臓がんに進行しやすく、また、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。そうなる前に生活を見直して、脂肪肝を予防・改善しましょう。

脂肪肝を招く要因は3つの「し過ぎ」

肝臓は食べたものを代謝する臓器ですが、何らかの原因で食べたものが処理しきれない場合は脂肪として肝臓に蓄積され、やがて脂肪肝を招くことになります。脂肪が肝臓に蓄積される原因は主に3つと考えられています。

1) 糖質のとり過ぎ

糖質は肝臓に運ばれて中性脂肪に合成されます。おもにエネルギーとして利用されますが、消費されずに余った分は、中性脂肪のまま肝臓に残ります。

2)脂質のとり過ぎ

脂質は糖質よりも代謝に時間がかかるため、とり過ぎると肝臓に負担をかけます。特に酒と一緒にとるとアルコールの解毒が優先されるため、肝臓に残りやすくなります。

3)ダイエットのし過ぎ

食事制限による急激なダイエットは、栄養が偏りがちに。すると、中性脂肪を肝臓から血液に運び出すためのタンパク質が不足し、肝臓にたまったままになります。

3つの「し過ぎ」に注意して、バランスのよい食生活を心がけることが、肝臓を守る近道です。