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用途に合わせて選択可能な「EOS C200/200B」

C200シリーズは用途に合わせて2モデルが用意されている。写真はオールインワンモデルのEOS C200

EOS C200/EOS C200Bは、ここがスゴい

  • 新規RAWフォーマット「Cinema RAW Light」対応
  • 単板式のスーパー35mm相当サイズ。約885万画素のCMOSセンサー
  • 「Cinema RAW Light」と「MP4」の2つの4Kファイルフォーマットに対応
  • コンパクトかつ軽量(約1.4kg)、しかも頑丈
  • EOS C200は80万円台後半、EOS C200Bは70万円台前半

幅広い映像表現を可能にするRAW収録は、外部レコーダーや大容量で高速な記録メディアが必要なことから予算に余裕のある撮影現場に限定されていた。これを小型かつリーズナブルな価格でカメラへの内部記録をかなえたのがEOS C200シリーズだ。その開発の背景に迫る。

左からICBソリューション事業推進センターの赤松真樹氏、総合デザインセンターの宮澤佳弘氏、ICB統括第二開発センター 室長の津田裕司氏、ICBソリューション開発センター 主幹の加藤誠一氏
――EOS C200のターゲット層を教えてください。

赤松氏:弊社の「CINEMA EOS SYSTEM」にはEOS C700、EOS C300 Mark II、EOS C100 Mark IIの3機種がございます。ここに新たに加わったのがEOS C200です。主なターゲットは報道やドキュメンタリーなどのENG系、およびシネマなどの制作系です。EOS C300 Mark IIとEOS C100 Mark IIの間に位置しており、結婚式のような重要なイベントの記録から、映画やドラマ、CMなどの高度な映像表現を求められるお客様にご活用いただければと考えております。

津田氏:EOS C200は「オールインワン」をキーワードに製品化に取り組みました。EOS C300 Mark IIでも買って箱から出してレンズとバッテリーを付ければすぐ撮影できるオールインワンを実現していましたが、EOS C200はそれを更に進化させています。EOS C300 Mark IIではモニターユニットやマイクロホンアダプターに録音レベル関連のスイッチ類やXLR端子を搭載していましたが、EOS C200では本体に搭載したのが大きな変更ポイントの1つです。

もう1つは、外部レコーダーを使用せずCFastカードにRAWフォーマット記録を実現したところです。この発想に至った経緯は、2012年のEOS C500発売まで話は遡ります。EOS C500は、外部レコーダーでCinema RAWを記録できるRAWワークフローをいち早く実現した製品でしたが、大手制作会社から外部レコーダーはケーブルの劣化で信号が途切れたり接続ミスが起きる可能性があるとフィードバックをいただきました。それ以来、何が何でもRAWの本体内記録を実現しようと考えるようになりました。

しかし、RAWの本体内記録を実現するとなると消費電力は上がり本体は大きくなります。その一方で、本体は今まで以上のコンパクト化を目指していたため、省電力化と小型化の両立には大変に苦労しました。

ICB統括第二開発センター 室長の津田裕司氏
――これまでのCINEMA EOS SYSTEMの型番は百の値は奇数でした。EOS C200で型番に偶数を採用した理由はなぜでしょうか。

赤松氏:EOS C300 Mark IIとEOS C100 Mark IIの間がEOS C200の位置づけになります。なので、数字でラインナップの位置づけをイメージしていただけたらと思います。あとは、収録フォーマットがラインナップに関係しており、EOS C100 Mark IIは撮ってすぐ編集してお使いいただける機種で、EOS C300 Mark IIやEOS C700はCinema RAWで収録をしてグレーディングで作り込める機種となっております。

今回のEOS C200は、MP4の4K UHDやRAWの4K DCIも撮影可能で、RAWでグレーディングして編集することもできますし、ワンマンで撮ってすぐに映像の作品につなげることもできます。なので、ちょうど中間のEOS C200とさせていただきました。

EOS C300 Mark IIでは外部ユニット側に搭載していた「AUDIO STATUS」や「録音レベル切り換えスイッチ」「録音レベル調整つまみ」をEOS C200では背面に搭載している
――EOS C200はCFastカードスロット記録に対応するCinema RAW Lightが大きな特徴です。Cinema RAW Lightとはどのような特徴をもった収録フォーマットなのでしょうか?

赤松氏:EOS C200の強みはRAWの内部記録対応で、フレームごとに10bitと12bitの映像が撮れます。EOS C300 Mark IIやEOS C700の「Cinema RAW」に対して、EOS C200の「Cinema RAW Light」はファイルサイズが1/3から1/5と小さく、CFastカードへの本体内部記録を実現しております。PCに取り込んで、そのままグレーディング処理する際も、ファイル転送が速いので取り回しがしやすくなっています。

――EOS C200はAFも大幅に強化されていますが、改めて特徴を教えてください。

赤松氏:Dual Pixel CMOS AFはEOS C300 Mark IIやC700でも搭載してきましたが、EOS C300 Mark IIではジョイスティックでフォーカスエリアを選んでいました。ただ、お客様からはもう少し直感的にフォーカスを選べるようにしてほしいとフィードバックをいただいておりました。そこで、EOS C200ではタッチパネルで被写体をダイレクトに選択してピントを合わせられるようにしました。また、EOS C200のDual Pixel CMOS AFは、ピントの追従性に優れているのが特徴で、被写体を捉えた後も滑らかに追従します。

ICBソリューション事業推進センターの赤松真樹氏
――EOS C200はRAWやAFなど機能が充実していますが、EOS C300 Mark IIとの差別化はどこにありますか?

赤松氏:EOS C200は10bitや12bitのCinema RAW Lightに対応していますが、撮って編集してすぐに使えるフォーマットの部分は8bitに限られています。また、2018年前半に対応予定のMXFフォーマットもYCbCr 4:2:0 8bitです。EOS C300 Mark IIに関しては、4:2:2の10bitで撮れますので、そういったところで上位機種として差別化できるかと思っております。

――EOS C200は、CINEMA EOS SYSTEMのデザインを踏襲していますね。

宮澤氏:基本的なCINEMA EOS SYSTEMのイメージは統一しつつ、カメラ本体にオーディオコントロールを搭載しながら小型化する。EOS C200にはそんな挑戦もありました。そこでプロジェクトの当初から最小限の容積で操作性を確保しながら、どう小型化するかを設計サイドとともに繰り返し検討しました。最終的には、小型化と操作性を両立するレイアウトにできたと自負しております。

総合デザインセンターの宮澤佳弘氏
――EOS C200のメカの部分で特に注目してほしいところや、苦労された点などを教えてください。

加藤氏:CINEMA EOS SYSTEMは、狭小空間での撮影を可能にするモバイルコアデザインをコンセプトにお客様に提供しております。モバイルコアデザインとは、「ギリギリまでを攻める」をキーワードに、カメラを壁や体、地面に近づけられるようにしたデザインコンセプトです。

例えば、狭い車内でドライバーを撮影する際に、被写体とカメラの距離をできるかぎり離したい場合がございます。その際に、本体から伸びる外部マイクのケーブルが後ろに向いてしまうとケーブルが壁やカメラマンの体にぶつかり距離を稼ぐことができません。しかし、ケーブルを横に向ければカメラを胸まで引くことができます。一方、横に壁があるときは後方にケーブルを出すことで、カメラを壁に寄せることができます。そこで、EOS C200では2つのXLR端子を背面側、側面側と向きを変えて搭載しています。

また、レンズの光軸の高さはEOS C300 Mark IIより低く設定しており、床面からのローアングル撮影における自由度を上げています。この光軸の高さは、EOS C700と同じ高さにそろえておりますので、EOS C700対応のアクセサリーやリグをそのままつけることが可能です。

横向きのXLR端子を使えば、カメラを限界まで引いた撮影が可能になる左は開発途中のモック、右は製品版。開発当初はXLR端子の向きは一緒だったが、製品版では異なる向きになるように変更されている
――EOS C200Bのことについてお聞きします。まず、EOS C200Bはどのようなきっかけで誕生したのでしょうか?

加藤氏:EOS C200シリーズには、オールインワンの「EOS C200」と、最少構成の「EOS C200B」の2つをラインナップしておりまして、EOS C200Bはドローンやジンバルでの使用を念頭に開発されたモデルです。最近は、ドラマやドキュメンタリー、ネイチャーといった作品は、上空からの撮影シーンも最近増えてきています。

ジンバルやドローンに載せた際にはバランスの調整に時間がかかります。そのバランス調整の自由度を広げるために、EVFを搭載していないEOS C200Bの開発を進めました。

ICBソリューション開発センター主幹の加藤誠一氏
――実際に想定しているドローンやジンバルのメーカーはありますか?

赤松氏:検証の段階では、RONINのジンバルに取り付けて、確認を行いました。しかし、特に固有のメーカーのジンバルに対応するということではなく、お客様のお使いいただいているジンバルをカスタマイズして使えるようにしています。

手前はジンバル、ドローンなどの撮影に最適な最少構成カメラ「EOS C200B」
――逆にビューファインダー搭載のEOS C200をRONINと組み合わせて使いたいというユーザーも多いと思います。

赤松氏:使っていただくことはできます。EOS C200にはHDMI OUT端子を搭載していますので、他社の確認用のモニターを取り付けることもできます。そういったカスタマイズはEOS C200、EOS C200Bどちらの機種でも可能です。

加藤氏:EOS C200Bは、特に小型のドローンに対応できるのが特徴です。大型のドローンやジンバルであればEOS C200でも対応できると思います。ドローンは、レンズを付けたときのバランスが重要で、重たいレンズを使う場合は、カメラ本体を後ろにずらさざるを得ません。EOS C200Bは後ろにずらせる幅が広く、自由度が高いので、より長いレンズに対応できるのも特徴です。

――最後に改めてEOS C200シリーズの特徴をお願いします。

赤松氏:EOS C200は、RAWの内部記録対応やCINEMA EOS SYSTEM共通の特徴でもあるレンズマウント交換サービスによるPLマウントのサポートにより、シネマ系などの大規模や中規模の撮影にも対応します。ですので、EFレンズやPLマウントのレンズのどちらも装着可能で、お客様の資産を十分に活かせるのもEOS C200シリーズの大きな特徴となっております。

txt・構成:編集部
Vol.04 [最新カメラ探訪2018] Vol.06