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インターネットイニシアティブ(IIJ)は1月25日、各業界を代表する大手企業18社とともに、デジタル通貨の取引・決済を担う金融サービス事業の新会社「株式会社ディーカレット」を1月10日に設立したと発表した。

IIJが持分比率35%の筆頭株主で、社長にはIIJ 専務執行役員の時田一広氏が就任する。資本金は52億3000万円。

資本参加するのは、IIJ以外では、野村ホールディングス、伊藤忠商事、JR東日本、QTnet、ビックカメラ、ケイ・オプティコム、三井住友海上火災、SOMPOホールディングス、三井住友銀行、第一生命、三井不動産、大和証券グループ本社、三菱東京UFJ銀行、東京海上日動火災、CTC、日本生命、電通。

新会社ディーカレットは、IIJがFX専業会社やネット銀行、証券会社向けに提供している高速通貨取引システム(IIJ Raptorサービス)の資産・知見およびネットワーク、クラウド、セキュリティ等のインターネット関連技術をベースに、国内金融機関と同等のサービス・セキュリティレベル、不正防止(アンチマネーロンダリング、KYC等)を担保したデジタル通貨金融サービスを開発・提供する。

具体的なサービスとして、2018年10月から12月を目途にウォレットを通じた「デジタル通貨交換サービス」、「デジタル通貨を利用した決済サービス」を開始。2019年にECサイト・店舗決済、電子マネー、モバイルウォレット連携を開始。その後、ポイント交換や法人間決済などの機能を追加し、2022年ごろに法人間取引のための業界向け新決済プラットフォームを開始するという。目標の獲得会員数は2022年に500万以上で売上100億円超を目指す。当面は国内に注力するが、将来的にはグローバル展開も考えていくという。

これらのサービスは、多数のデジタル通貨を管理できる口座機能、適正な価格でいつでも交換できる取引所機能、デジタル通貨の発行事業者や決済サービスを利用するECサイト・実店舗などを連携するネットワーク機能およびAPIを有するシステムにより、実現する。

IIJ 代表取締役会長 CEO 鈴木幸一氏は「100億円は低めに見積もった数字」と語り、実際の目標額はこれよりも高いことをうかがわせた。

同社ではこれらのサービスを実現することにより、個人端末にデジタル通貨が入金されるなど、口座を持ち歩ける、キャッシュレスで店舗での支払いができる、決済記録が自動的に集約され一限管理が可能になる、企業間取引に利用すれば取引の自動記録で業務の簡素化、効率化が可能になるなどのメリットがあるとしている。

会社設立の背景として、ビットコインをはじめとする仮想通貨の台頭により、法定通貨のデジタル通貨発行に関する具体的な取り組みが各所で始まっている点や、ブロックチェーン技術の登場によって、改ざんが不可能な情報を記録するしくみにより、デジタル通貨の流通が可能になった点があるという。

今回の新会社は鈴木氏がかなり以前から温めていたものだといい、同氏は新会社設立の理由を次のように説明した。

「インターネットの役割は、世の中のしくみを変えることで、IIJはそのためのもっとも基礎的な重要なしくみを提供し、プラットフォームを創ってきた。最後は金融だろうと思っていたが、そのための技術的な要素もかなり揃い、Fintechが現実的になってきた。今後は、現在の金融機関に劣らないプラットフォームをつくっていく。日本は現金比率が高く、それに対してどう取り組んでいくかの課題がある。金融のしくみを大きく変えるには、金融機関ではない、ニュートラルな立場にあるわれわれがつくったほうがいい。この分野で日本が世界に遅れないために、有力な企業と組んで日本のデジタル化の推進力になっていきたい」(鈴木氏)

また、新会社の社長となる時田氏は、「日常のすべての取引がデジタル通貨になることを目指していく」と、意気込みを語った。