ディフェンディングチャンピオンで、第2シードのロジャー・フェデラー(ATPランキング2位、1月15日付)が、全豪オープン準々決勝で、第19シードのトマーシュ・ベルディヒをストレートで破って、14回目の準決勝進出を決めた。

 36歳のフェデラーは、驚くべきことにここまで1セットも落とすことなくベスト4入りしている。


今年の全豪オープン、順調に勝ち進み、ベスト4を決めたフェデラー

 フェデラーは今でこそ、優勝候補の筆頭に挙げられているが、1年前の全豪ではまったく状況が異なっていた。

 2016年のシーズン後半を左ひざのリハビリにあてるため戦列を離れ、休養明け初の公式戦が2017年の全豪だったからだ。そのため、当時世界ランキング17位まで落ちていたフェデラーが果たしてどれぐらいのプレーができるのか、多くの人が半信半疑だった。

 そんな状況で、第17シードのフェデラーが4回戦で対峙することになったのが、第5シードの錦織圭(当時5位)。ふたりはグランドスラムでは初対戦だった。

 2017年シーズンをフェデラーが振り返る時、錦織とのプレーが「大きな試合だった」とターニングポイントのひとつに挙げる。

 あの試合での錦織の立ち上がりは素晴らしかった。一方、フェデラーはミスが早いうえに多く、錦織が第1、第3ゲームのサービスブレークに成功して、一気に5-1とリードを奪った。

「自分のオーストラリアンオープンでの戦いは、ここで終わるかもしれない」と覚悟したフェデラーだったが、そこから逆襲が始まり、タイブレークまで持ち込んだ。第1セットは結局、錦織が奪ったものの、フェデラーの心の中には、少なくとも”十分戦える”という手応えが得られていた。

 そして、3時間24分におよぶ5セットの末、フェデラーが(4)6-7、6-4、6-1、4-6、6-3で錦織を破り、勝った瞬間は、まるでグランドスラムで優勝したかのように飛び上がって喜んだ。4回戦であんな喜び方をするフェデラーはめずらしかったが、1年が経過した今、次のようにそのときの心境を振り返る。

「(当時復帰明けにもかかわらず)自分が5セットを戦えるほどフィットしている選手であることがわかって、素晴らしいと思ったし、オフシーズンでのすべてが報われた。そして、(錦織との5セットから)たくさんの情報がもたらされ、前へ進むための自信を得ることができた」

 準々決勝からのフェデラーはフレッシュな気持ちになり、気分よくプレーすることができるようになった。そして、あのセンセーショナルな優勝へと突き進んでいったのだ。

「昨年のシーズン全体における僕の戦いの中で、圭との試合はとても重要なものだった」

 錦織との全豪4回戦がきっかけとなり、そこから世界2位にまで駆け上がって、奇跡的ともいえる素晴らしいシーズンを送ったフェデラー。そのプレーは、36歳になった今も衰えを知らず、全豪準決勝で、韓国人選手ではグランドスラムで初めてベスト4に進出したチョン・ヒョン(58位)と初対戦する。

 21歳のチョンは、いまや男子ワールドツアーで期待される若手選手”Next Gen”の中でも、一番の注目株に急成長した。錦織を「アジアのプライドだ」と尊敬し、トップ10にいた錦織を追いかけていくなかでつかんだ、フェデラーへの挑戦権だ。

「チョンとの試合を、とても楽しみにしている。興味深い試合になると思う」と語るフェデラーが、はたしてアジアの新星とどんな戦いを繰り広げるのか。我々は新しい歴史の1ページを目撃することになる。

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