オランダの運送会社Port-Linerや電力会社Werkinaなどが共同開発した「電気を動力にした貨物船」が、2018年夏に就航することが明らかになりました。「運河のテスラ」の異名をとる電気貨物船の導入によって、Port-Linerはヨーロッパにおける二酸化炭素排出量を大幅に低減させることが可能だとアピールしています。

Port-Liner launches first emission-free barges on Europe's waterways - The Loadstar

https://theloadstar.co.uk/port-liner-launches-first-emission-free-barges-europes-waterways/

World's first electric container barges to sail from European ports this summer | Environment | The Guardian

https://www.theguardian.com/environment/2018/jan/24/worlds-first-electric-container-barges-to-sail-from-european-ports-this-summer

Port-Linerが開発した電気貨物船は、ベルギーとオランダの内陸部を走る運河で航行させる計画の輸送船です。ヨーロッパにおける貨物輸送では、74.9%がトラックなどの自動車が使われ、鉄道の利用は18.4%、貨物船にいたってはわずか6.7%の利用にとどまっています。この貨物自動車を電気貨物船に置き換えることで、二酸化炭素排出量を大幅に低減させようというのが電気貨物船導入の狙いです。



2018年夏に先行的に導入されるのは、全長52メートル、幅6.7メートルで、20フィートコンテナを24体、最大425トンの荷物を運搬できるタイプです。このタイプの船は15時間の運航が可能で、大型のエンジンがないためレイアウトの自由度が高く、ディーゼル船に比べて8%も荷物積載スペースが大きいのが特徴。まずは、アントワープ、アムステルダム、ロッテルダムの港から貨物船の運航が始まる予定です。なお、電気貨物船は自動運転機能があるため、基本的にクルー不在での運航が可能だとのこと。ただし、就航当初は、インフラ整備工事が行われている都合上、クルーを乗せての貨物輸送となる見込みです。

さらに、全長110メートルで270体のコンテナを搭載でき、4つのバッテリーで35時間の連続運航が可能な大型タイプも将来的に導入する予定だとのこと。小型・大型の電気貨物船の導入によって、2万3000台のトラックを置き換える予定で、1年あたり1万8000トンの二酸化炭素排出量を抑制できると試算されています。

Port-Linerの電動貨物計画にはEUから700万ユーロ(約950億円)の補助金や港湾関連団体からの支援金がつぎ込まれており、ヨーロッパで過熱する電動化の波に乗って開発が進んでいます。なお、Port-Linerによると年間500隻の電動貨物船の製造が可能で、既存のエンジン船を電動化できると述べています。