(写真提供=STORY COMPANY)「日韓漫画公募展」

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『comico』や『ピッコマ』『XOY』といった漫画アプリの普及で、日本でもファンを増やしつつあるウェブ漫画“ウェブトゥーン”。その世界で今、面白い試みが行われている。

J:COMの子会社で映画・映像事業を展開する「アスミック・エース(Asmik Ace, inc. )」と韓国の映画配給会社「SHOWBOX」など、日韓の4社が共同主催する 『第1回 ワールドワイド ウェブトゥーン&コミック コンテスト』(Worldwide Webtoon & Comics Contest 2018)というもので、映像化を目的としたウェブ漫画原作を公募・製作しようという試みだ。

韓国では「ウェブトゥーン」(WebとCartoonの組み合わせ)というウェブ漫画が紙の漫画を追い越して久しい。

一般的な漫画とは違ってページ割りがなく、縦スクロールとフルカラーという特徴からスマホに適しているため、あのYoutubeに並ぶ人気コンテンツとして君臨するようになったのだ。

世界80カ国で同時連載!?

ウェブ漫画への需要が高まるにつれ、斬新で独創的な作品を探そうとする動きも以前より増している。そんななかで始まった公募展の特長といえるのは、“国籍を越えた作品の制作”を目指しているというところだ。

当選した場合は80カ国以上での同時連載はもちろん、“韓国人作家の脚本に日本人作家の作画”といった様々な形での創作のチャンスが与えられるという。

これを聞いて真っ先に思い浮かんだのは、最近韓国で大ヒットしている映画『神と一緒に』の原作だった。

韓国人作家ジュ・ホミンが手がけた人気ウェブ漫画『神と一緒に』は、実は日本で同名のタイトルでリメイクされている。とはいっても、単純なリメイクではなく、原作のストーリーラインはそのままに、作画を日本オリジナルに変えたもの。

まさに韓国と日本のコラボレーション。これこそが今回の公募展が目指す究極の形ではないだろうか。

(参考記事:「原作は韓国、作画は日本」のリメイクや、実写映像化も増えているウェブトゥーンの可能性

このような“コラボ”の可能性に加え、もうひとつ期待したいのは、映像化だ。当選作家によって生まれた作品は将来、日韓共同投資によるドラマや映画、アニメなどの映像化も検討されるという。

ドラマ化・映画化されるウェブトゥーン作品も

漫画が映像作品のネタの宝庫になっている日本のように、最近韓国でもウェブ漫画の実写映像化が増えた。

以前も紹介したドラマ『ミセン-未生-』(日本リメイク版の題名は『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』)をはじめ、『チーズ・イン・ザ・トラップ』、映画『インサイダーズ』など、様々な作品が映像化を遂げた上に、成功を収めている。

しかも最近は、テレビ・映画業界が身を乗り出してウェブトゥーンの良作を探している印象すら受けるが、これまでを見る限り、作品が映像化となればウェブトゥーン作家にとってもメリットが大きいのは当然だろう。

今後は、このような公募展が増えるかもしれない。はたして日韓文化交流の新しい形は何を産み出すか。ウェブ漫画の知られざる可能性に期待したい。

(文=慎 武宏)