「大相撲初場所・11日目」(24日、両国国技館)

 大関高安が平幕の隠岐の海を突き出して3敗を守り、勝ち越しを決めた。全勝だった横綱鶴竜が関脇玉鷲に押し出されて初黒星を喫したため、トップと2差に接近。2横綱が途中休場した今場所、終盤戦にようやく大関が存在感を見せ、逆転優勝圏内に浮上してきた。平幕栃ノ心は宝富士を突き落として10勝目を挙げ、鶴竜と並んでトップタイ。1敗の2人を3敗で高安と平幕大栄翔が追う。

 高安の爆発力はやはり侮れない。豪快な立ち合いで隠岐の海を吹っ飛ばすと猛然と攻め立てる。棒立ちの相手を一気に押し出した。「当たっていい流れ、いいテンポで前に出た。一方的に前に出て、こういう相撲は一番ケガが少ない」と会心の内容だった。

 白鵬、稀勢の里の2横綱が途中休場する中、豪栄道と2人の大関が前半戦、存在感を見せられずにいた。しかし、高安が勝ち越しを決めた後、横綱鶴竜に土がついた。

 トップと2差に接近。「僕はあした以降も集中してやる」と気合は高まる。「大関として役目を果たしたい気持ち。(残り)4日間、堂々とした大関らしい相撲を取りたい」と力を込めた。4連勝で内容も日ごとにアップ。「きょうみたいな相撲なら、あしたもいい気持ちで取れる」と乗ってきた。

 場所前は稀勢の里と連日、30番を超す稽古を繰り返した。「僕は自分のための稽古をしただけ」と言うが、復活を期した兄弟子の執念は体に伝わっている。優勝争いは使命だ。

 昨年初場所で稀勢の里が優勝し、旗手としてオープンカーに乗り感激。「今度は自分の番」と今年こそ賜杯の思いは誰より強い。自力優勝はないが鶴竜とは直接対決も残す。「千秋楽まで負けてはいけない」。逆転を信じ最後まで食らいつく。