恵比寿のバル、港区のビストロ…。いつもデートは街も店も気楽なところばかり。いいお店に行くのは記念日やお祝いなどのハレの日だけ。

しかし、社会人10年目、男が32歳を迎えたら、そろそろ次のステージへ行くべきだ。

そこで今回は、そんな男性の心情を元に、神楽坂の大人のデートプランを紹介しよう!



最近のデートで行く店といえば、もうワクワク感がないどころか、既視感の連続でしかない。

そんなことを考えている時に、大手町の商社に勤める遊び仲間が「風情ある街並みに小さい店が密集していて面白いよ」と教えてくれたのが神楽坂だ。



社会人10年目になる32歳、カジュアルな店で飲み続けるのはやめにしてそろそろ次のステージに行きたいところだ。

そんな気持ちで、大人の夜を求めていざ神楽坂へ。



意中の彼女と飯田橋で待ち合わせをして、神楽坂下から目当ての店へ向かう。

「神楽坂通りから脇に入ると、こぢんまりとしたいい店がたくさんあるんだよ」と薦められたとおり、裏通りを見ると小京都のような佇まいの店が立ち並ぶ。

住宅と店が混在しているのも新鮮だった。



静けさが心地よい小径に、薦められた和食『蒼穹』はある。土壁と二重扉の外観を前に、ちょっとした旅気分だ。

趣ある戸を引いて、店に入りカウンターに腰を下ろす。まずはビールを頼むとオールドバカラのグラスで提供され、ふとした酒器の上質さに気分が上がる。



料理はおまかせのみでお品書きはない。店主が流れを決めてくれるので、座っているだけで大人の時間が自然と流れる。提供されるのは、華やかさというよりは実直な料理の数々。

きっと大人になればなるほどこのミニマムさに魅了されるのだろう。

また、懐石に不慣れな自分にとってこの店は敷居が高すぎず、価格的にも無理がなく、ちょうどいい。ふたり、穏やかな気持ちで料理と日本酒を堪能できた。


つい寄り道したくなる夜の神楽坂通り



充実した食事の余韻に浸りながら、神楽坂通りを下っていく。通りは一方通行なため、車が少なく、落ち着いて歩ける。

小さな店が多いからか騒がしい団体の酔客が見当たらず、他の街より静かなのもいい。



そう思いながら歩いていると、パワースポットとして知られる毘沙門天がライトアップされていた。

「ちょっと寄ろうか?」と彼女を誘い、本堂の階段を上がる。神楽坂通りを見下ろすことができ、道行く人の流れを感じられた。

もう少しこの街をそぞろ歩きしたい気持ちになり、のんびりと2軒目のバーへと向かう。



行き先は、牋徹妊弌〞として以前から噂に聞いていた『歯車』という店だ。住所どおりに小径を進むと、古いマンションのようなビルの1階に、ほのかに灯る店の看板が見えた。

扉を開けると、そこは夜にして外より暗い空間。BGMもなく客層は落ち着いた紳士淑女たち。アウェイに来たか…という緊張感を胸にテーブルについた。



どうしたものか考えているとバーテンダーの方が「お食事の帰りですか?」と話しかけてくれた。

和食を食べ日本酒を飲んだことを伝えると、口に残る甘みをさっぱりさせる果実のお酒を提案された。いつしか目も慣れ心も安らぐ。この静謐な暗闇は、一度体験するとクセになる。

店を出て飯田橋に向かい歩くと、同じ通りに小さなワインバーやビストロが並ぶ。「今度はここ入ってみたいな」と彼女が言った。なぜ神楽坂デートが次に繋がるか、納得した瞬間だった。


社会人10年目の彼をグッと大人にした神楽坂の2つの名店



アフリカから取り寄せた一枚板のカウンターが印象的な店内

身をゆだねるだけで大人になれる和食店
『蒼穹』

長年、都内のホテルや和食店で酒番として活躍していた多田正樹さんが店主。2017年4月に和食と日本酒を楽しむ店として『蒼穹』をオープンさせた。

料理は7品または11品のコースのみ。料理長の大塚将人さんが旬の食材を、飾りは控えめに、それでいて他店では見られないひと工夫を加え提供してくれる。



軟らかく臭みの少ない雌猪肉の脂のコクをまとった米が食欲をそそる猪の炊き込みご飯


たとえば猪の炊き込みご飯にはごぼうとセリを合わせ、土釜を開けた瞬間に肉、土、春の香りが絶妙にマッチし鼻孔をくすぐる。

そんな丹念な料理に、多田さんが選ぶ日本酒を合わせれば、相乗効果も抜群。

多田さん曰く、もてなしのテーマは“流れ”。約2時間、ただ流れに身をゆだね、美酒美食に酔いしれられる場所なのだ。



黒七味が香る金目鯛の焼き物には旬のくわいが添えられている。コースは7品¥8,000、11品¥13,000を用意。




以前よりは明るいという暗い店内

神楽坂でバーと言ったら真っ暗闇のここ!
『歯車』

“かみ合わせを調整できる空間”という意味を込めて、『歯車』という店名はつけられた。その名のとおり、暗く静かな店内に身を置くと、せわしない毎日のリズムが整うように気持ちが落ち着く。

15時から営業しているのも、「ふっとできた時間を贅沢に使っていただきたい」というオーナー兼バーテンダーの濱本義人さんの思いが理由だ。



金柑のホットカクテル¥1,800


メニューはなく、濱本さんに「◯◯を食べた帰り」「柑橘のカクテルを」とやんわり好みを伝えると、処方箋のようにその人に合った一杯を出してくれる。

ボトルは並べられていないが、他のバーではなかなかないブランデーやリキュールも実は多数用意。神楽坂と言えば真っ先に出てくる名店だ。



フランス最高峰のフルーツブランデーの洋梨版「オー・ド・ヴィ・ド・ポワール・ウィリアムス パスリエ」のストレート¥5,000。




本日発売の月刊誌「東京カレンダー3月号」は一冊すべて、神楽坂特集!

まだ神楽坂が残っていた!32歳からはこの街で大人の階段を上る


社会人10年目=32歳、今こそ神楽坂を知ろう!そのヒントが最新号「東京カレンダー3月号」に!

【月刊誌のお求めは・・・】
・最新号をすぐに手に入れたい方はこちらからお求めください!
・大好評!「定期購読プラン」がとにかくオススメ!
雑誌とデジタル版の両方が楽しめて、なんと最大半額!!あなたも、定期購読で『東京コンプリート』を目指そう!

※リンクはFujisan.co.jpに移動します。
※東京カレンダーは毎月21日頃の発売です。今月は1/20(土)!