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症状が強まる冬はつらい季節。
肌の保湿機能が弱く、乾燥しやすい。治療の基本は外用療法、スキンケア、生活リズムを整えるのも大切。

大人になってからアトピーを発症する人とは

アトピー性皮膚炎は、体のあちこちにかゆい湿疹ができる慢性病で、以前は子どものときにできても、成長するにつれて症状が治まる傾向にありました。しかし最近は思春期になっても治まらず、成人後さらに悪化するとか、成人になって突然発症するという例もあります。

成人後にアトピー性皮膚炎が悪化しやすいのは、乾燥肌の人です。
皮膚の一番外側で刺激から皮膚を守る働きをしているのは角質層。角質層は天然の保湿成分を含む角質細胞が重なった状態になっていますが、細胞間をつなぎ合わせている角質細胞間物質の半分ほどを占めるセラミドという脂質が、アトピー性皮膚炎になりやすい人は一般の人より少ないのです。このため、皮膚の水分を十分に保つ働きが弱く、皮膚が乾燥しやすい状態になっています。また、毛穴の皮脂腺から分泌される皮脂も少なくて、角質層の表面を覆う皮脂膜が不十分になっています。

このように、アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、もともと乾燥ぎみなのですが、空気が乾燥する冬は皮膚もいっそう乾燥するため、症状が強く出がちになるのです。

皮膚を保護する機能が低下し、乾燥しやすい皮膚は刺激にも弱くなっています。アトピーになりやすい素因をもっている人は、アレルギーを引きおこす物質(アレルゲン)に過敏に反応し、アレルゲンから体を守る免疫の働きが過剰におこって皮膚に炎症が生じます。

ハウスダスト、ダニ、カビなどがおもなアレルゲン

大人のアトピー性皮膚炎をもたらすおもなアレルゲンは、ハウスダスト、ダニ、カビなどで、子どもに多い卵、大豆、牛乳などによる食物アレルギーは大人には少ないとされています。また、アレルゲンだけでなく、汗、涙、汚れ、化粧品、衣類、極端な寒暖差、強い紫外線、大気汚染物質、化学物質、たばこの煙などもふつうの人よりデリケートな皮膚を刺激し、皮膚の炎症を引きおこすことがあります。

大人のアトピー性皮膚炎は首から上にも症状が出やすく、しかも治りにくいことがあります。前述のように、子どものころに発症して思春期を過ぎても引きずってしまうタイプのほかに、成長してから突然発症するタイプがありますが、これはもともとアトピー性皮膚炎になりやすい素因ももっていたためです。

自分で気をつけたい毎日のスキンケア

アトピー性皮膚炎の治療は、基本的に外用療法、スキンケア、生活リズムを整えることも必要です。外用療法では、ステロイド(副腎皮質ホルモン)外用薬で炎症を抑えます。ステロイドはよく効きますが上手に使う必要があるので、専門医の指導のもとに進めることが重要です。

スキンケアでは入浴と洗髪・洗顔に注意が必要です。入浴は毎日でも大丈夫ですが、汚れを落とすためならシャワーでもよいので皮膚を清潔にしましょう。しかし決してゴシゴシ洗ってはいけません。

体を洗うのは、洗浄力のマイルドな石けんで、できれば手でやさしく洗うのがよいのです。タオルやスポンジを使うなら、ゴシゴシとこすらずに、やさしくなでるように洗ってください。シャンプー、リンスは皮膚への刺激が強いので、よく洗い流しましょう。入浴後は皮膚は入浴前より乾燥しますから、体をふいたらすぐに保湿剤入りのクリームや軟こうなどを塗って、スキンケアをきちんとしておきます。

生活リズムとは規則正しい生活を維持して、心身ともにゆとりをもつことです。できるだけストレスの少ない生活と適度な休養を心がけることは、皮膚の抵抗力を保つためにも大切なことなのです。

※この記事は2008年1月に配信された記事です