モーニングスターの2018年3月期 第3四半期決算は、売上高43億37百万円(前年同期比23.9%増)、営業利益11億72百万円(同1.8%増)の増収・増益決算になった。(写真は、決算説明会に臨むモーニングスター代表取締役社長 朝倉智也氏)

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 モーニングスター <4765> の2018年3月期 第3四半期決算は、売上高43億37百万円(前年同期比23.9%増)、営業利益11億72百万円(同1.8%増)の増収・増益決算になった。営業利益は8期連続の増益、6期連続の最高益を達成した。ただ、増益率は前期まで2ケタ増益だったことと比較すると伸び率が鈍った。1月24日に開催した決算説明会で、同社代表取締役社長の朝倉智也氏(写真)は、「当期は、モーニングスター単体の収益が伸び悩んだ影響で増益率が鈍ったが、収益のベースであるタブレットアプリの提供者数、提供台数、また、ファンドレポートの受注本数は順調に伸びているため、将来の収益への不安はない」と語っていた。
 
 当期業績は、子会社のSBIアセットマネジメントが売上高で87.3%増収、営業利益で55.4%増益と大きく伸びたことが業績を底上げした。SBIアセットの業績進展は、運用資産残高が前年12月末比59%増と大幅に伸びていることが要因。運用成績の良いファンドが支持を集め、17年1月以来12カ月連続で資金流入超となり、今第3四半期累計で895億円の資金流入になっている。販路も従来のネット証券から、対面販売の銀行等へと拡大し、今後の業績見通しも明るい。
 
 一方、単体の業績は売上高3.1%減収、営業利益0.2%増益と厳しい結果になった。ウェブ広告やセミナーなどを提供するメディア・ソリューション事業が20.3%減収となった他、前年度末に事業譲渡したマネールック事業の売上がなくなった影響等が現れた。
 
 ただ、単体事業で強化しているタブレットアプリの提供社数は、17年12月末67社から88社に増加。タブレット提供台数も4.56万台から4.93万台に増えている。また、ファンドレポートの受注本数は、414本から1249本に3倍増するなど、基幹と位置付けるビジネスは順調に伸びている。
 
 朝倉氏は、「金融庁がフィデューシャリー・デューティーの徹底を呼びかける中、金融機関は手数料の高い商品や毎月分配型商品の販売を控え、積立型で資産形成を後押しするビジネスモデルへの転換を図っている。タブレットを使った丁寧な商品説明やファンドラインナップの見直しには重要な意味があり、タブレットアプリや定性的なファンドレポートへのニーズは高まっている。ただ、金融機関向けのサービスは、短期的に大きな収益が得られるものではない。金融機関向けにサービスのシェアを高めておくこと、取引の実績を重ねておくことで、単体収益の拡大につながってくる」と語っていた。
 
 なお、新規事業分野については、インドネシアの関連会社が17年10月に単月黒字化し、今年度に通期黒字化のメドが立ったと発表。また、仮想通貨に関する情報提供については、現在、スマートフォンの仮想通貨アプリ(登録した仮想通貨の価格や損益をリアルタイムで管理できる機能や、比較チャート機能等)、また、ICO格付け情報の開示を準備中とした。そして、上場会社全社の信用評価情報の公表についても、「18年4月をメドに約1300社、19年3月をメドに上場全企業3600社の評価情報を公表できる見通し」とした。
 
 朝倉氏は、「ICOや企業の信用情報の評価は、案件ごとに費用をもらって格付けするのではなく、勝手格付けで多くの格付けを実施することが重要。社債等の格付けは、日本でハイ・イールド市場が育っていないという現状を打破するきっかけになるかもしれない。投資家や金融機関が必要としている情報に応えられるサービスを拡充し、ビジネスチャンスにしていきたい」と語った。(写真は、18年3月期第3四半期決算の説明会に臨むモーニングスター代表取締役社長 朝倉智也氏)