良かれ悪しかれ、デジタル広告の現状が、少しずつ明らかにされている。

アドベリフィケーションツールベンダーのMomentum(モメンタム)株式会社は24日、ホワイトペーパー「アドベリフィケーション問題に関する実態調査レポートvol.1」を公開。同社独自の調査結果において、日本国内におけるアドフラウド比率は9.1%、ブランド瑕疵リスク比率は11.2%、ビューアビリティ率は41.0%であると発表した。

今回公開されたホワイトペーパー「アドベリフィケーション問題に関する実態調査レポートvol.1」は、同社が参画するアドベリフィケーション推進協議会の活動の一環として発表されたもの。このアドベリフィケーション推進協議会には、Momentum以外にも、電通、電通デジタル、インテグラル・アド・サイエンス(IAS)、サイバー・コミュニケーションズ(CCI)が参画している。

また、この「アドベリフィケーション問題に関する実態調査レポートvol.1」では、グローバルに展開するアドベリフィケーション計測ベンダーIASによる、2017年上半期の「メディアクオリティレポート」の内容も併載。その調査結果も含め、アドベリフィケーション推進協議会として、「グローバルと日本の比較では、大きなかい離は見られない。日本でも世界基準のアドベリフィケーションの課題認識と対策が必要である」という結果を導き出した。



トップクラスの分類技術



なお、日本における唯一のアドベリフィケーションツールベンダーとなるMomentumは、まだ20代の若き起業家3人が、2014年に立ち上げたスタートアップ。現在、代表取締役を務める高頭博志氏はかつて、グリー(Gree)でプラットフォーム内の広告媒体設計業務に従事していた人物だ。

同社の特徴は、ベンチャー情報誌「ベンチャー通信」が掲載したMomentum創業者たちのインタビューによると、「世界でもトップクラス」の「業界別のネガポジ分類技術」だと、高頭氏は答えていた。その自信の背景には、テクニカル・アドバイザーとして自然言語処理の第一人者である東京工業大学准教授の高村大也氏、ビジネス・カウンセルとして人工知能やWeb工学の権威である東京大学大学院工学系研究科准教授の松尾豊氏の同社参画もあげられる。

2017年7月25日、KDDIのグループ会社、Syn.ホールディングスによる当社株式の取得を通じ、同社の連結子会社となったMomentum。同年9月4日には、米国の認定団体であるトラストワージーアカウンタビリティグループ(Trustworthy Accountability Group:TAG)から、アドフラウド対策やブランドセーフティにおいて世界最高水準のTAGガイドラインに準拠した日本初の企業として認定された。

業界内における昨今の動向



「アドベリフィケーション問題に関する実態調査レポートvol.1」では、「アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティの問題は、広告主だけのものではない」と結んでいる。

ベンダーサイドとして、Googleは2017年9月、不正トラフィックの払い戻しなどを含むアドフラウド対策方針を発表。Syn.ホールディングスの中核会社であるSupership(スーパーシップ)株式会社も同年10月、Momentumと連携してアドフラウド対策を行うことを発表した。また、DSP企業のThe Trade Desk(ザ・トレード・デスク)も同時期に、アドフラウド対策を手がけるWhiteOps(ホワイトオプス)と提携し、入札前に不正インプレッションを除外する初の広告配信プラットフォームを提供開始している。

パブリッシャーサイドとしても、オールアバウト(All About)は同年8月、記事型ネイティブ広告にIASのアドベリフィケーションツールを導入。同年9月には、それをインフィード型のネイティブアドネットワーク「All Aboutプライムアド」に発展させた。

デジタル広告の健全化に向けた動きは、まだはじまったばかりだ。しかし、確実になにかが大きく動き出していることは、実感できるようになってきたといえるだろう。

Written by 長田真