韓国で横行するキムチの“産地偽装”。その巧妙な手口と「やめられない」理由

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韓国で、キムチの“産地偽装”が問題となっている。

同国の国立農産物品質管理委員会が1月24日に発表したところによれば、昨年、産地偽装で摘発された飲食店や食品加工業者などは3951箇所(4715件)。

そのうち、キムチの産地偽装は全体の25.1%(1187件)を占め、1位の豚肉(1202件、25.4%)に次いで2位に入っている。

国別に見ると、中国産を国産と偽装した事例が982件(32.7%)でもっとも多く、そのほとんどが農産物だという。

つまり、韓国では、中国産キムチを国産キムチと偽装する事例が多発しているといえる。

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“偽装キムチ”が病院や学校で…

実際、中国産キムチを国産キムチと偽装して提供した事例は数えきれないほどだ。

例えば、全州(チョンジュ)市にある病院では、中国産の白菜を使って作ったキムチ280kgを患者とその保護者に「国産」として提供し、摘発されている。

また、京畿道(キョンギド)にある食品会社の手口は巧妙だ。

中国産と国内産の唐辛子を混ぜてキムチを生産。

唐辛子の生産地を「国産」と表記し、学校に給食を配給している業者に7545kgを販売していた。

それでも偽装をやめられない理由

こうした産地偽装が後を絶たないだけに、取り締まりも強化されている。

前出の国立農産物品質管理員は、昨年10月30日から12月15日までの47日間に、キムチの産地偽装に対する特別取締を実施。

違反行為が見つかった93箇所を摘発し、産地を偽装していた71箇所については、刑事事件として立件している。

また、韓国農林畜産食品部(省に相当)は、昨年12月19日に、産地偽装の常習犯19人に合計9億3700万ウォン(約9370万円)の課徴金を科したと発表している。

産地偽装で課徴金が科されるのは、2014年に「原産地偽装法」が改定されて以降、初めてのことだ。

それだけ産地の偽装が増えているということだろう。

それにしても、なぜ彼らは、わざわざ産地を偽装してまで中国産キムチを使うのか。

その最大の要因は、価格にあるだろう。

中国産キムチの需要が伸びている理由について、韓国メディア『マネートゥデイ』はこう分析している。

「2016年には、白菜の値段が1玉当たり1万ウォン(約1000円)ほどに暴騰し、急激に中国産キムチの輸入が増えたが、食品業界では、その需要が2017年にもそのまま維持されたといわれている。(飲食店などでは)一度、安い中国産キムチを使って原価を抑えると、食品安全の問題などが出ない限り、また国産に戻る可能性は低い」

要するに、飲食店などは、国産キムチに比べて安価だから中国産キムチを使用しているということだ。

原価は抑えたいが、「国産」の信頼感とブランド力には頼りたい。そんな葛藤の末に、人々は産地を偽装してしまうのだろう。

いずれにしても、食品の産地偽装は許されることではない。

消費者を裏切るような行為が、一日でも早く根絶されることを願うばかりだ。

(文=S-KOREA編集部)