クラウドクレジット、再生エネ分野などにファンド開発 ペルーのファンドも

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 貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)サービスのクラウドクレジット(杉山智行社長、東京都中央区、03・6268・9210)は、新たな投資分野に参入する。再生可能(リニューアブル)エネルギー事業、農業、不動産の3分野で、資金が必要な海外の事業者に貸し付けるファンドをそれぞれ開発し、相次いで市場に投入する。1月前半には、貧困層の人たちの自立・経済成長を支援するマイクロファイナンス分野で同社として初となるファンドの募集をスタートした。各分野でファンドが出そろえば、8分野をカバーすることになる。出資者の選択肢を広げ、元本割れなどのリスクを避けるための分散投資をしやすくする。

海外のローンに特化して投資
 杉山社長は今後の方針について「アグレッシブにビジネス展開していく」とし、各分野でファンドのラインアップを充実させていく構え。

 クラウドファンディングはインターネットを通じて不特定多数の人たちから資金を集める仕組み。クラウドクレジットは投資対象を海外のローンに特化したところが特徴。クラウドファンディングで集めた資金を貸し付け、そこで得た金銭的なリターンを出資者に分配する「ソーシャルレンディング」を行う。2020年の貸付残高で18年現時点比25倍の1000億円を目指す。

 再生可能エネルギー事業分野については、3月中ごろにも、リニューアブルエネ事業者へのローンに融資するファンドを組成し、販売をスタートする。農業分野、不動産分野では、年内をめどに、それぞれ農業事業者向けローンファンド、不動産担保ローンファンドを組成する。

 同社はこれまで個人向けローン、中小事業者向けローン、ノンバンク向け融資、不良債権投資の4分野でファンドを組成した実績がある。

マイクロファイナンス分野に参入
 低所得者層の人たちに融資や貯蓄の機会を提供して生活水準の改善につなげるマイクロファイナンス分野では、ペルーのマイクロファイナンス実施機関に融資する米ドル建ての「ペルー金融事業者支援ファンド」「ペルーマイクロファイナンス支援ファンド」の募集をそれぞれ1月にスタートした。

 ペルー金融事業者支援ファンドは、クラウドクレジットの100%子会社であるクラウドクレジット・ファンディング合同会社が資金を調達し、同じく北欧・エストニアのグループ会社を通じて、ペルーのマイクロファイナンス実施機関に貸し付けるスキーム。マイクロファイナンス実施機関にはペルーの貯蓄信用組合による100%の債務保証を付けている。

 クラウドクレジットによると、ペルーはアスパラガス、トウモロコシ、アボカドといった農産物で世界有数の生産量があり、政府の財政状況が健全。さらに貸付先のマイクロファイナンス実施機関は、農村地域への貧困削減・生活水準向上につながる金融サービスで実績があり、環境にやさしい事業に融資するなどの特色がある。杉山社長は「大手証券会社などが対象にしない新興国にもファンダメンタルズ(経済の基礎的状況)が良好な国が多い」とし、投資妙味があるとみる。同社は今後、こうした新興国向けのローンファンドを充実させていく模様だ。

 矢野経済研究所によると、2017年のクラウドファンディングの国内市場の規模は1090億円の見込み。このうち、ソーシャルレンディングに関するものが90%を占める。クラウドクレジットは今後もソーシャルレンディングが一段と注目されるとみている。同社は13年設立。