コンデナスト(Condé Nast)は、顧客行動を詳細に把握するためのリサーチを活用し、媒体を横断的に活用したマーケティング機会を探っている。

これは、コンデナストの調査分析チーム内で最近はじまったプロジェクトである、コンデナストパフォーマンスラボ(Condé Nast Performance Lab)が実施する取り組みの一環だ。背景にはデータ収集と調査の実施によって、媒体横断的なマーケティング戦略をより強化する狙いがある。2017年7月に最初の調査(ニューロサイエンスを駆使してスポンサード投稿の効果を示した)を公開したあと、ファッションの流行をいち早く採り入れる顧客は、テクノロジーのトレンドセッターになる可能性が高いことを示す、最新の知見を明らかにしている。

そのデータは、ファッションとテクノロジーの相関が売上に繋がることを示していた。実際、ファッションへの意識が高い顧客は、iPhoneの最新モデル、スマートホームデバイス、VR対応製品、AR対応製品などに、そうでない顧客の2倍の金額を使っているという。調査は、13〜49歳の1200人以上を対象に実施し、ファッション意識が高い顧客(VogueやWなど、コンデナストの媒体でファッションに特化しているものに関心のある顧客と定義)と、そうではない標準的な顧客とのふたつのグループに分けられた。

軽視されるふたつの交差



コンデナストで、カスタムアンドプライマリーリサーチ部門のシニアマネージャーを務めるカラ・パンタノ氏によると、ブランドやパブリッシャーがファッションとテクノロジー両方に熱狂的なユーザーデータを利用するチャンスがあることを、この調査は示している。テクノロジー主導のファッションデザインを祝した、シリコンバレーファッションウィーク(Silicon Valley Fashion Week)のようなイベントは増えているが、このふたつの交差はマーケターたちにもっぱら軽視されてきた。「ファッションの消費とテクノロジーは、広告主たちが感じているより結びつきが強い」と、パンタノ氏は語る。

コンデナストで調査と分析分野のSVPを務めるステファニー・フライド氏によると、ビジネス面においては、ワイアード(Wired)やニューヨーカー(The New Yorker)のようなパブリッシャーに広告を出しているテクノロジー系のブランド企業は、この調査を活用して、ファッション媒体への出稿を考えることができる。また、編集面においてもこの調査をコンテンツ戦略にも活用できるほか、そこから新しい領域を生み出すことも可能だと語った。

「めざすのは、特定のキャンペーンや媒体に縛られずに、顧客のマーケティング支援をするためのパートナシップをブランド企業と結ぶことだ」とフライド氏は語る。「私たちは、どのような層が顧客の中心なのかの理解を深めてもらうことで、中長期的なサポートができる」。

また同調査では、ファッション意識が高い顧客の50%がテクノロジー市場に注目していることや、テクノロジーは彼らの内にスタイルを表現する場を与えてくれると、47%が認めていることもわかった。結果として、ファッションへの関心が高い層が特に関心を示しているのは、Amazon AlexaやGoogle Homeといった、Amazon、Google、サムスンなどが提供するテクノロジーだ。またこの層の顧客は、財布やサングラスよりもスマートフォンを自分のファッションセンスを表すツールとして考えているようだ。

VRやARの普及が追い風に



ファッションとテクノロジーの交差は、VRやARへ進出するブランドが出てきていることもあり、引き続き拡大していくとフライド氏はいう(たとえば、デパートチェーンのJCペニー(JCPenney)はホリデーシーズンに、VRのポップアップ・ストアを展開。VRを使ってニューヨークの臨時小売スペースからオンライン購入できるようにした)。

ファッションとテクノロジー愛好家の繋がりが拡大しているのは、フィットビット(Fitbit)のデザイナーコレクションや、グッチ(Gucci)やマイケル・コース(Michael Kors)によるスマートウォッチなど、ファッションコミュニティを念頭に置いたウェアラブル端末が増加しているからでもある。調査によると、ファッション意識が高い顧客は、このカテゴリーに平均の約4倍の金額を支払っている。

また、「なかには(スマートウォッチの)ベルトを服装にあわせて毎日交換するという回答もあった」とコンデナストのパンタノ氏はいう。「これはサービス改善のためにも、参考にしたいトレンドだ。現在、全社を挙げてサイトのコンテンツ、レコメンド、機能のカスタマイズに取り組んでいる」と、同氏は語った。

Bethany Biron (原文 / 訳:ガリレオ)