就活スタイル編集部

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就活で企業から電話連絡が来たとき、折り返しをしなければならないときもありますよね。そんなときに「どうしても電話対応に緊張してしまう」「うまく対応ができず毎回自己嫌悪に陥る」「対応の仕方がわからず固まってしまう」など苦手意識をもってしまう方も多いのではないでしょうか。社会人のみなさんが当たり前にやっている電話対応が「なぜこんなに難しいのだろうか」と感じる就活生も多いはずです。今回はそんな就活中に陥りがちな電話対応の苦手意識を克服する方法をご紹介していきます。ぜひ参考にしてスムーズな電話対応を身につけてみてください。

■なぜ電話対応に苦手意識をもってしまうの?

そもそも、なぜ電話対応に苦手意識をもってしまうのかを5つの理由でご紹介していきます。

・どうしても慌ててしまう

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メールやLINEなどのテキストコミュニケーションがメインとなっている今の就活生。そもそも家族以外の目上の方と電話をする機会自体が極端に少ないという特徴があります。以前は固定電話しかなかったため、家の電話にかけて誰かに取り次いでもらうということも多く慣れている人が多かったのです。しかし今は、すべて携帯にかければすぐにつながりますし、誰かに電話を取り次いでもらうということもありません。

そんな環境で育ってきたわけですから初めての目上の方、しかも就活で合否を判断される企業の人事担当から電話がかかってきたら、緊張してしまうのも当たり前です。就活のメールの場合は、考えることができたりネットで調べて対応したりことができます。しかし電話の場合は常にリアルタイムになりますので、即座に自分で考えて対応しなければなりません。それに負担を感じてしまうという方も多いからだと考えられます。

・言い回しが難しくて覚えられない

これを読んでいるみなさんは就活が始まるまで、「私(わたくし)」「お世話になっております」「◯◯様はいらっしゃいますでしょうか?」などの言い回しを一切使ったことがない方ばかりのはずです。

「こういうときなんて言うんだっけ?」ということが多く慌ててしまった結果、電話口でフリーズしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。たくさんのことをいっぺんに、しかもリアルタイムでやることの難しさを痛感するのが就活中の電話対応です。

・単純に慣れていないから

就活中の連絡は目上の人から電話がかかってくる、あるいは出られずに折り返しの連絡をかけるという初めて経験することばかり。言い回しを含めて何をどうすればよいのか手順がわかっていないため、いつまでたっても慣れることができません。回数をこなす前に就活が終了してしまうのもひとつの原因と考えられます。

社会人になって電話対応をするときは、新人がどんどん電話を取って対応します。1カ月もすると十分1人で対応できるようになっていきます。それに比べて就活で電話対応する期間は非常に短く、面接を行う1カ月の間に10回も電話でのやりとりがないのではというほど少ないです。企業側も、やりとりをほとんどメールで行うケースが多いため、覚えられるまで練習ができないのも覚えられない理由です。

・どのタイミングで話せばよいかわからない

電話をかけた場合、「お世話になっております」など自分が最初にあいさつする前に「お電話ありがとうございます。株式会社◯◯の△△でございます。」という先方のごあいさつが入ります。その後に何か続くのかと思ったら、相手が待っている状態だということに気づいて慌てて話しだすなど、「どのタイミングで話しだせばいいのかわからない」という方も多いはずです。

通常友人に電話をかけたときは、「もしもし」だけで会話が始まるわけですから、話すタイミングがつかめないのも理解できますね。

・聞き取れなかったら…と失敗したときのことを考えてしまう

就活生が社会人の電話を取った際、早口だと感じるケースは多いはずです。そのため、「何回聞いても聞き取れなかったらどうしよう……」と思い、縮こまって電話対応をしてしまう方も多いです。

「失敗しないように」ということに注目しすぎると意識しすぎて失敗をしてしまい、さらに本来取るべきだったコミュニケーションがスムーズにとれないということもうまくいかない原因です。

このようなポイントが、苦手意識を作り出してしまう原因となっているのです。ではどうすれば、この電話対応に対する苦手意識を克服することができるのでしょうか。

■苦手意識を克服する方法5つ

次に苦手意識をもってしまう理由と、克服する方法をご紹介していきます。

苦手意識を克服する方法1.ゆっくりハキハキと話す

まず慌ててしまい早口になる、どもるなどの状態になってしまう方は、自分がゆっくりハキハキと話すようにしましょう。慌ててしまっている人は自分の早口の不安定な声を聞いているため、それを聞いてさらに不安が募ってしまう状態になっているのです。

自分がゆっくり話す声を耳にすると、不思議と落ち着いて対応ができるようになってきます。またゆっくり話すことで呼吸もゆっくりになります。これにより、慌てている気持ちが落ち着いてくるのです。自分では「ゆっくり過ぎるのではないか?」と思う程度にゆっくり話しても、相手には通常通り聞こえるくらいのペースになります。電話対応では慌てず、落ち着いてゆっくりとハキハキと話すようにしましょう。

苦手意識を克服する方法2.パターン分析をする

「言い回しがどうしても覚えられない」という方は電話対応のときの行動と、話す内容のパターンをまとめておくことをおすすめします。基本的には就活中の電話は自分の電話にかかってくる場合と、折り返し電話の2パターンです。その分のトークスクリプトを作っておきましょう。

パターンが書かれた紙を用意しておけば、いざというとき見ながら対応ができます。また、用意をしていることで安心感があり、慌てずに対応ができるようになります。以下にトークスクリプトの例をご紹介しますのでぜひ活用してみてください

a.相手から電話がかかってきた場合
<静かな場所に移動し、手帳と筆記用具を用意してから、電話に出る>

電話に出るときは、「はい。◯◯大学の△△でございます。」と電話に出ます。もし相手から面接日程の調整ですと言われたら、「ありがとうございます! 候補日を伺えますでしょうか。」と伝えましょう。そしてその候補日が自分の予定に当てはまるかどうかを確認するために、「確認させていただきますので、少々お待ちくださいませ」と言って電話を消音にします。

確認した後、消音を解除して「大変お待たせいたしました。面接ですが6月19日月曜と6月20日火曜の10時から13時、6月21日水曜の午後13時以降の日程にお伺いすることが可能です。」などと伝えます。

相手から日程の指定があったら、「復唱させていただきます。6月21日水曜日の13時、午後1時から御社本社ビル7階に伺わせていただきます。当日はどうぞ宜しくお願いいたします。」相手「こちらこそ宜しくお願いいたします。」あなた「失礼いたします」と言い、終話。相手が電話を切ってから切るようにする。

こうしたポイントを抑えた、トークスクリプトを作っておくことをおすすめします。

b.折り返しを自分がする場合
<静かな場所で手帳と筆記用具を用意し電話をかける>(以下省略)

このように手順を書いておくと、その手順通りに進めればよいので余計な緊張をせず落ち着いて対応することができます。

慣れるまでは1人でシミュレーションし、家族には相手役を手伝ってもらって練習をするのがおすすめです。少し慣れてきたら友人と一緒に練習してみるのがおすすめです。その際に友人がしている言い回しや対応で気遣いがあるなというポイントなどを聞いて、自分に取り入れていくと電話対応が素晴らしいものに変わっていきます。

苦手意識を克服する方法3.練習・真似をする

2で作ったトークスクリプトを1人でシミュレーションしてある程度覚えたら、家族に相手役を手伝ってもらって練習をするのがおすすめです。会社にお勤めのご兄弟やご両親などに手伝ってもらうと、「こんな対応をしたら?」とアドバイスがもらえるはず。言い回しにもバリエーションが増えますよ。

また、少し慣れてきたら友人と一緒に練習してみるのもよいでしょう。その際に友人がしている言い回し、ご家族に教えていただいた対応で「気遣いがあるな」と感じられたポイントを真似していくと、電話対応が素晴らしいものに変わっていきます。

苦手意識を克服する方法4.話すタイミングの正解を覚える

企業との電話をする際に、話すタイミングが重なってしまうことがあります。この点に関しては特にマニュアルなどにも書かれておらず、どうしたらよいのか迷ってしまう方も多いとはずです。

基本的には、電話をかけると相手が「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社△△が承ります」と電話に出てくれます。その直後に「お世話になっております。私◯◯大学4年△△と申します。」と会話を始めるようにしましょう。その後に「◯時頃にお電話いただいたのですが、◯◯様はいらっしゃいますでしょうか?」などのように話す順番をメモしておきます。電話を切るときの「失礼いたします」などは相手と重なりながら発言する形でOKです。これが遅れてしまうと何も言わずに電話を切ったと思われかねませんので、先方に続いて失礼いたしますと伝えるようにしましょう。

苦手意識を克服する方法5.「コミュニケーションが目的」と考える

「相手とコミュニケーションを取るためのツール」として電話を使っているのだという認識をもつようにしましょう。失敗してもコミュニケーションがとれていれば問題ありませんし、電話対応だけがすべてではありません。

企業側は学生に完璧な電話対応を求めてはいませんし、それが選考結果に関連することはほとんどありません。面接日時や持ち物などの連絡が確実にできれば問題ないのです。就活生の方だけが非常に気にしてはいますが、企業側が案外気にしていないことを知ると、失敗してはいけないという強迫観念に駆られずに済みますよ。

相手とコミュニケーションを取るためのツールですので、深く意識しすぎずに対応する方がうまく電話対応できるはずです。

■電話対応で大切なこととは

電話対応で大切なことは、「相手がどのようなことを伝えたいのか」という情報を得ること、そして自分が「伝えたい情報をしっかり伝える」というコミュニケーションです。

電話は近くにいない人もコミュニケーションが密にとれるということが魅力ですので、完璧に電話対応しようと考えずに、コミュニケーションしたい内容が伝わるように不器用でも一生懸命にやるのが大切ですよ。

■まとめ

苦手意識をもつ方も多い、就活電話対応の苦手意識を克服する方法をご紹介しました。

書類対策・面接対策の後にさらに電話対応対策など、やることが多く非常に忙しくなってしまう就活時期でもあります。

社会人への一歩目を歩み出していると考えてぜひ前向きに捉えてみてください。ご紹介した苦手意識の克服方法を実行すれば、あなたもすぐ電話対応に慣れて苦手意識がなくなってくるはずです。社会人になってからも使える方法ですので、ぜひ覚えて使ってみてください。

執筆:高下真美

新卒でインターンシップ紹介、人材派遣・人材紹介のベンチャー企業に入社。ベンチャー企業から大手IT・流通・情報・サービスなど多岐に渡る業種で営業・コーディネーターを担当。その後、大手採用コンサルティング系企業で8年の勤務を経て、夫の転勤を機に退職。現在は人材系コラムの記事執筆など、フリーライターとして活動中。