富士フイルム、サウジで「女性の健康」支援

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 富士フイルムはサウジアラビアで乳がんなど「ウーマンズヘルスケア(女性の健康)」普及に向けた技術協力に乗り出す。同国スポーツ庁と女性向けの健康診断センターの整備協力に関する覚書(MOU)を結んだ。サウジアラビアは女性の肥満解消、健康促進を国の方針に掲げており、提携で現地の医療水準の向上に貢献する。

 今後、詳細な内容を検討する。乳房用X線診断装置(マンモグラフィー)で手軽に乳がん検診ができる技術や読影医不足を解消するため人工知能(AI)や遠隔診断技術などを提供する方針。X線撮影装置や内視鏡、血液診断システムなどの市場開拓につなげ産業育成に貢献していく。

 富士フイルムは2014年から現地に駐在員事務所を設け、商談を活発化している。17年には移動型デジタルX線撮影装置を約230台納入した。後藤禎一取締役は「潜在力な魅力があり機器単体でなくパッケージで事業展開したい」としている。

 石油大国のサウジでは医療費は原則無料だが、原油安を受けて財政が悪化し、医療の効率化が求められている。日本とサウジが昨年結んだ「日・サウジ・ビジョン2030」でも健康・医療分野を協力項目の一つに掲げている。
日刊工業新聞2018年1月18日

内視鏡で新興国を狙う
 富士フイルムは内視鏡システムで新興国戦略を加速している。中でも中東・アフリカ、東南アジア、中南米の各市場で現地の医療機関と連携し、内視鏡の実技指導を行う“トレーニングセンター”化を推進。実技指導による医療水準の向上に貢献しながら、内視鏡の技術の普及、市場拡大につなげている。

 内視鏡は小さな病変を早期に発見できることから世界的に需要が増加している。先進国では高齢化や早期の病気の診断ニーズの高まりで検査数が増加し、新興国では人口増加や経済成長による医療ニーズの拡大で、世界的に年率4―6%の成長が続いている。

 だが、需要の増加と比べて、課題となるのが内視鏡の専門医の不足だ。世界的に専門医が不足しており、特に新興国ではその傾向が顕著だ。このため専門医の育成は、内視鏡を普及・拡販するために不可欠となる。

 富士フイルムは中東・アフリカ地域で、トルコやイラン、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトに「トレーニングセンター」があり、センターを中心に年間50件以上の研修を実施している。

 今後もセンターの設置を進め、2020年度までにセンター数を倍増する方針。各国の販売代理店で使用するデモ機を増やすなどサポート体制も拡充していく。

日刊工業新聞2017年8月22日