新年に立てた「目標」の達成の成否を分ける原因は何なのか?(写真:タカス / PIXTA)

社会人となったからには、自分を成長させていかなければ。そう意気込んで、目標を立てて、毎日の行動を始めたけれども、早くも1月半ばにして挫折してしまったなんて人はいないだろうか。

この記事を読んでいる人のなかには、打ち立てた目標を実行できずに、早々に「なんて自分はダメな人間なのか……」そんなふうに思っているかもしれない。

達成できないのは目標設定に問題あり


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「しかし、うまくいかないのは、あなたが怠惰だからではありません。たいがいの場合は、目標の立て方に問題があるのです」と、話すのは『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)の著者で、メンタルコーチ・目標実現の専門家、大平信孝氏だ。

これまで万年三日坊主だった人でも、少しだけやり方を変えることで、努力が続き、目標が達成できるようになるという。大平氏への取材を基に、努力が続かず目標が達成できない人の原因と、その改善策をまとめた。

失敗する原因1 そもそも、本気で達成したい目標ではない

いくら目標を立てても、それを達成する必要性が感じられないと、やる気は持続できない。たとえば、「ビジネスで使えるレベルの英語力を身に付けたい」と思っている人は多いだろうが、実際にビジネスで英語を使う機会がないと、心のどこかで「今すぐ必要なわけではない」と考えてしまう。すると、勉強を始めても、甘えが出てしまい、「今日はいいか」「来週から取り組もう」などと妥協してしまいがちだ。

このタイプの人は、「英語ができないと取り残される」とあおるメディアや、「同期が英語を学んでいるから」という周囲の人からの影響で、目標を立てていることが少なくない。そうしたことに影響されないためには、目標を立てる時、「それは本当に達成したいことなのか」と自問しよう。

失敗する原因2 いくつも目標を掲げ、複数の行動を習慣化しようとする

「今年こそは」と意気込む人に限ってやりがちなのがこれ。「毎日、英語のリスニングをして、毎週1冊ビジネス書を読み、ダイエットのためにジムにも通う……」というように、一度にいくつもの行動を始めようとする。

しかし、二兎を追えば一兎をも得ず。これまで努力が続かなかった人が、一気にいくつもやろうとしても、続くはずがない。「いくつもやりたいのはわかりますが、習慣化したい行動は、1つに絞りましょう。1つの行動が習慣化してから、行動を増やした方が、長い目で見たら、さまざまなことが習慣づけられます」(大平氏)。

まず「10秒アクション」で習慣化

失敗する原因3 イメージしにくい目標の立て方をしている

「本気で達成したい」と思う目標を設定するためには、達成した時の喜びがイメージしやすい目標を立てることも重要だ。たとえば、「英語をマスターしたい」なら、「ブロードウェイのミュージカルを楽しむ」「英語の問い合わせメールに対応できる」というように、より具体的な目標を立てるといい。さらに、写真やイラストなど、ビジュアルにすると、よりイメージしやすくなるという。「努力しなくても達成できそうな『無難な目標』よりも、『挑戦しがいのある目標』のほうが、モチベーションが上がりやすくなります」(大平氏)。

失敗する原因4 習慣化しようとする行動のハードルが高い

これまで英語の勉強をまったくしてこなかった人が、「英語の音声教材を毎日1時間聞く」などとすると、行動のハードルが高すぎて、続かない。最初は「毎日5分だけ聞く」というように、簡単なレベルから始めることが重要だ。

さらに大平氏は「10秒アクション」から始めることをすすめる。「習慣にしたい行動を分解し、最初の10秒ですることを習慣にするのです」。たとえば、英語の音声教材なら「通勤中、電車に乗ったら必ずイヤホンをつける」、朝のランニングなら「朝、起きたら、ジャージに着替える」といったことだ。「それがトリガーになって、習慣にしたい行動につながっていく。10秒だけなので、ハードルもぐっと低くなります」と、アドバイスする。

失敗する原因5 完璧を求めてしまう

習慣化できない人は、意外と完璧主義の人が少なくない。それゆえに、習慣化したいことが完璧にできないと、自己嫌悪に陥ってしまい、それで持続するモチベーションが下がってしまうのだ。

「しかし、それで行動が続かなくなったら、何も得られません。重要なのは、完璧を求めることよりも、とにかく長く続けることです。ポイントは、減点法ではなく、加点法でいくこと。『30分音声を聞くつもりだったのに、5分しか聞けていない』と考えるよりは、『5分は音声を聞けた』と考える方が、自己肯定感が上がり、ますます行動が続くようになる、という良い循環に入れます」と、大平さんは話す。

できないことを責めず、できた自分をほめる

失敗する原因6 できない自分を責める

挫折しやすい人の特徴をここまで紹介してきたが、最も問題のある特徴はコレ。「こんなこともできないなんて、なんて自分はダメな人間なんだ」などと自分を責めれば責めるほど、自分自身の能力や存在を否定することになり、自信や、やる気をなくすという悪いスパイラルに陥っていく。

それを防ぐ方法として大平さんは「そうやって一喜一憂してしまう人は、『できる・できない』で捉えている傾向があります。一喜一憂しないためには、『行動する・しない』で捉えること。今日行動しなかったのなら、明日取り戻せばいいだけと、淡々と考えることが大切です」と、語る。

以上のポイントを意識すれば、三日坊主からの脱却も夢ではない。2018年はまだ始まったばかり。もう一度目標と行動を見直して、今日からでも行動を始めれば、年末にはみちがえるような自分に変わっているかもしれない。