港区や恵比寿などで仕事帰りにさくっと楽しむ。まんざらじゃないこのコース。しかし、大人になればなるほど、食傷気味になってくる。ならば次へのステップアップに神楽坂をオススメしよう。

東京最後の未開の地であるこの街は、遊び慣れた大人たちが最後にたどり着くと言われている…。

そこで今回は、なぜ神楽坂が大人を魅了するのか?を探るべく、社会人10年目、32歳のとあるキャリアウーマンが神楽坂に誘われ、大人になっていく様子を彼女の心情とともにお伝えしていく!



私が提案した企画を評価してくれた部長が食事をご馳走してくれることになった。

「神楽坂でいい?」と、珍しく会社近辺ではない場所を提案された。アクセスがいいのは知っていたけれど、未開拓のままだった街だ。

私と新卒3年目の後輩は、ただ部長についていった。



神楽坂駅で降り、神楽坂通りを下っていく。路地に入ると住宅と思った建物がビストロだったり、石畳の道があったり、他にはない街の風情に早くも魅了された。

「今でも芸子さんがいるんだよ」と部長が教えてくれたけど、確かに映画のワンシーンのような小径ばかり。

一番気に入ったのは、部長が選んだ店へ続く石畳の階段だ。オレンジ色の明かりが足元を照らす狭い階段は、店への期待を否応なしに高めていった。



いつも服と店のセンスがいい部長が選んだのは、『エスタシオン』というスパニッシュ。狭い階段の中間に位置し、この裏路地を知らなければ絶対に来られない隠れ家だ。

ヨーロッパの雰囲気が漂う内装で、カウンター席はひとりで食事をするのに良さそう。客層は恵比寿や渋谷より落ち着いていて、でもみんなワイン片手にお喋りを楽しんでいる。その大人の喧騒が心地よい。



「ここはスペインの色んなロゼワインをグラスで飲めるんだ」と部長が言うので、ロゼで乾杯。

最初の一杯は泡が当然と思っていたけれど、スッキリとしたロゼが渇いた喉に最高!

そして料理はバルで食べるものと違い、もっと繊細で創意があり、これはスペイン語で爛瓮愁〞という形態なのだとか。ひと晩にして新たな学びが続く。


酔った体には夜のテラスがちょうどいい



『エスタシオン』で〆のお米料理をいただき、バスク風チーズケーキを食べ終わる頃、部長はいつの間にかお会計を済ませていた。

「近くでもう一軒行きませんか?」と誘ったものの、「ふたりでゆっくりしてきなよ」と私と後輩を残し帰っていった。

周辺にいい感じの小さなワインバーもあったけれど、明日も仕事のためお茶をすることに。



部長が言っていた飯田橋駅徒歩1分の『カナルカフェ』まで神楽坂通りを下っていく。

到着すると、ロケーションがとびきりいいことがすぐにわかった。店はお堀の水辺にあり、頭上には外堀通りの桜の木が連なる。

春には絶好のお花見スポットとなるだろう。そう思いテラス席に座ると、水面が近くて船上かと錯覚するほど。こんな好立地のレストランが駅近にあるなんて。

テラス席から眺める湖面に、周辺の夜景が写り込んで美しかった。ストーブとブランケットのおかげで寒くなく、むしろ温度差が気持ちいい。

店の脇にはボートがとめてあり、それを見ていたら昼にも来てみたくなった(ボートを漕いでくれる彼氏はいないけど)。



「神楽坂って面白いね。一軒目の周りにもいい感じの店がいくつもあったし、予定をたてずにふらりと探索したいな」と後輩に言うと、「住むにもよさそうですよね。丸の内も近いから、商社や金融の男性も多いらしいです」と返された。

なるほど…、神楽坂、やっぱりいい!

女32歳、神楽坂が似合うイイ女目指して、また来るしかない。


彼女を大人にした神楽坂の2つの名店



暖色の照明が落ち着く店内。シェフの野堀貴則さんは、年に1度はスペインのレストランを巡り、独自に料理とワインを研究する

バルより一段本格的なスパニッシュ
『Estación』

“Estación”とは、スペイン語で季節の意味。店名どおり、ここでは旬の食材をスペイン各地の調理法を組み入れ提供する。オーナーシェフの野堀貴則さんは、神楽坂のスペインバル『エル プルポ』でシェフを務めたのち独立。



真鯖のマリネ¥1,600


バルはカジュアルなメニューが多いが、自分で店を作るとなった時、「もっと料理に力を入れたい」と、メソン(ビストロに近い意味)の形態とした。

真鯖のマリネにはイチゴのガスパチョソースを添えるなど、組み合わせの妙が楽しいひと皿をいただくことができる。

ワインはすべてスペイン産で、特にロゼ推し。常時6種類の個性豊かなロゼをグラスでいただけるので、最初から最後までロゼで通すのも面白い。



ハーブなどでマリネしてからローストしたイベリコ豚のロモ デ オルサ¥3,300。




最高のロケーションを誇るレストランサイド。この時期はデッキからも湖面に浮かぶボートのイルミネーションを眺められる

外堀に浮かぶという絶好のロケーション!
『CANAL CAFE』

『カナルカフェ』は、今年で創業100年を迎えるボート乗り場の老舗『東京水上倶楽部』が1996年にオープンさせたレストラン。

店内はレストラン・サイド(200席)とデッキ・サイド(200席)に分かれ、デッキ・サイドはコーヒー1杯からの利用も可能。デッキはお堀に沿って長く、観光の外国人たちが景色を楽しむ様子もよく見られる。



春は都内きっての桜の名所に


食事はイタリアンのメニューをメインにそろえ、人気なのが、ナポリから取りよせた薪窯で焼き上げるピッツァ。

桜の木に囲まれた絶好のお花見スポットであり、ピークが過ぎ、花が散ると、湖面がピンクの絨毯になる。夏には蛍が放されるなど、四季を感じられる格別のロケーションを誇るレストランだ。



ホワイトチョコレートとベリーのケーキ¥700。オリジナルコーヒー¥500と好相性。




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