家計管理において、工夫のありなしで大きな差が出がちなのが食費です。考えなしに買い物をした結果、賞味期限をきらしてしまったり、もっているものをダブり買いしたりすれば、お金のムダ使いに。逆に、食材をムダなく活用して上手にやりくりすれば、日々の食事を充実させながら出費を抑えることも可能です。在庫ノートで無駄なく管理して年170万円を貯金

年に170万円もの貯金を実現しているESSE読者の山井恭子さん(仮)は、まさに食費のやりくりの達人。そのカギは、独自に考えた「在庫ノート」です。

運用は簡単。「ノートは週単位で、まとめ買いする火曜日にスタート。買い物から帰ったら食材の下処理を行い、在庫リストを記入します。ノートをつけ始めてから、食材をムダなく食べきれるようになり、食費が月1万円減額。今後もう少し減らせそうです」と語る山井さんに、在庫ノートの具体的な活用方法を伺いました。
こちらが、冷蔵庫の食材が一目瞭然の、山井さんの「在庫ノート」。在庫をまず冷蔵室と冷凍室に分け、前者の枠には野菜、卵・加工食品、果物、下処理ずみ&つくりおきしたものを、後者の枠には肉、魚介類・加工食品、カット野菜、つくりおきおかずの素&スープ類を書き込みます。さらに使いかけのものにはチェックマークを入れたり、次の買い物までに使いきる予定のものはカッコでくくったりして、在庫状況がひと目でわかる工夫がなされています。火をとおしたり、下味をつけて冷凍した保存食材もひと目でわかり、組み合わせて調理するだけなので、時短にもなるそう。
「金曜日に週後半のメニューを考え、右端に記入します」。
買い物に持っていくため、小さめのノートを選んでいます。「1週間たったら繰り越し分を書き写し、古いページは処分します」。1週間の食費計画を公開!買い物は週に1回のまとめ買いが基本

週初めに在庫を見直し、近所のスーパーが特売日である火曜日にまとめて1週間分の買い物をするのが、山井さんの食材管理のルール。「ただし、肉だけは2週間に一度購入しています。冷凍庫にストックしやすい量をまとめ買いする方が安上がりだと気づいたためです」。そんな山井さんの1週間を教えてもらいました。●月曜:翌日の買い物に向け、残り食材で調理しノートを更新


月曜日は残っている食材を消化し、翌日の買い出しに向けてノートを更新します。「最終的に冷蔵庫に残った食材を、繰り越し分として記入します」。目立つ左上に書くことで、早めに使う目印にしています。●火曜:特売日にまとめ買いし、すぐに下処理


近所のスーパーは火曜日が特売なので、この日を週に1度の買い出し日としています。「定番の食材とその日の特売品を中心に買います。肉は近所の精肉店で3000円分購入」。帰宅後に下処理し、買ったものをノートに記入します。●水曜、木曜:魚など、早めに食べたい食材を優先的に消化

「魚は新鮮な状態で食べたいので、買い物の翌日くらいまでの主菜にするように献立を考えています」。前週から繰り越している食材や、日もちのしない加工品も副菜などに使い、早めに調理します。●金曜:ノートを見直してメニューを考える

在庫をチェックし、週末に食べる料理を書き出しておきます。「週末は急な用事も多いので『あとは炒めるだけ』の状態まで仕込んでおくと時短に」。●土曜:牛乳などの買いたし

すぐになくなる牛乳や果物は、火曜日に週の前半分、土曜日に後半分を購入。「土曜日がポイント5倍デーのお店で買っています」。●日曜:月に1回は外食も

基本は週末も家ご飯ですが、月に1回はぜいたくデーとして外食を楽しみます。「外食は回数よりも味と質を重視。高めでも、おすしや焼き肉のおいしいお店へ」。満足度があがれば、月に1回でも気になりません。●乾物や麺類は特売時に1つだけ購入


乾物や麺類といった保存食は、この1週間ルールとは別のルールをもうけています。「残量がわかりやすい透明な容器で保管し、少なくなったらノートの最後のページにメモして、特売で出たときに購入しています。いくら安くても1つだけにし、ムダ買いを防止します」。

食材の在庫を細かくチェックし、毎日の食事づくりに生かすことで、ムダを削減しています。本当に必要なものだけ購入するという仕組みの山井さんの食費節約術、ぜひ参考にしてくださいね。

<撮影/合田和弘 取材・文/ESSE編集部>