朝食をしっかり摂ることには体調を整えたり、肥満を防止したりするなどさまざまな効果があります。

今回は朝食を摂ることのメリットや正しい朝食の摂り方を医学博士で女子栄養大学副学長の香川靖雄先生にお伺いしました。

目次

朝食を摂るメリット朝食の正しい摂り方正しい朝食のメニュー

 

朝食を摂るメリット

カップルが朝食を食べる様子

正しく朝食を摂ると、心身にとってさまざまなメリットがあります。ここでは朝食を正しく摂ったときのメリットについて解説します。

午前中から活発に活動できる

眠っている間も脳は働いているため、起床直後は脳のエネルギー不足になっています。朝食を摂ることで脳のエネルギーとなる糖を補給できるため、機能を上げることができます。

精神が安定する

朝食を抜くと、血液中に糖分が不足し、交感神経を優位な状態にする「アドレナリン」というホルモンが分泌されます。交感神経が優位になりすぎるとイライラやストレスの原因となるため、朝食をしっかり食べ血糖量が適量になれば、ホルモンバランスが整います。これにより精神的に安定しやすくなります。

体内時計を整える

人間の身体には「日中活動し、夜になると休息をとる」というリズムを作り出す「体内時計」とよばれるシステムがあります。その体内時計を司っているのが「時計遺伝子」です。時計遺伝子はタンパク質を一定量身体に取り込むことで、スイッチが入ります。毎朝同じ時刻に起きて朝日を浴び、朝食からタンパク質を摂取することで、時計遺伝子を働かせ体内時計を整えることができます。

生活習慣病を予防する

朝食を抜くと体内時計が正常に働かなくなり、夜の寝付きが悪くなるため、睡眠の質が落ち、睡眠不足になります。その結果、肥満や高血圧、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病にかかりやすくなることが調査で明らかになっています(文部科学省「朝食欠食と生活習慣病」)。
 
10代、20代のときから朝食を抜いた影響は50歳代以降になって生活習慣病としてあらわれます。生活習慣病にかかってから朝食を摂っても、病気を治せるわけではありません。若いうちから毎日の朝食を習慣づけることで生活習慣病を予防しましょう。

朝食の正しい摂り方

朝食を食べながらくつろぐ女性

朝食は、食べるタイミングや食べる時間、食べる順番に気をつけることで、前述したメリットをより大きくすることができます。ここでは朝食の効果を高める食べ方をご紹介します。

起床後1時間以内に食べる

体内時計の「時計遺伝子」をきちんと動かすためにも、朝食は起床後1時間以内に食べましょう。毎日、起床1時間以内に朝食を食べることで、体内時計が調整されやすくなります。

20分以上かけて食べる

朝食は20分以上かけて食べることが重要です。ゆっくりと食べることで、身体に満腹感を知らせる「満腹中枢」が働き、食べすぎを防げます。また、食事の時間が短いと、血糖値が急激に上がり、脂肪がつきやすくなってしまいます。朝食を食べる時間をしっかり作り、ゆっくりと食事をしましょう。

野菜を先に食べる

同じメニューでも、食べる順序で効果が変わってきます。食物繊維の多い野菜から食べることで、血糖値の上がり方がゆるやかになります。サラダや野菜が入った汁物を先に食べ、ごはん、パンなどの主食類は最後に食べましょう。

正しい朝食メニュー

家族で朝食を食べる様子

朝食の栄養バランスを考えるときに参考にしてほしいのが「四群点数法」です。「四群点数法」は、食品を栄養素の特徴別に4つのグループに分け、各グループから1日にどのくらい食べたらよいかを計算し、栄養バランスを整える食事法です。1点=80キロカロリーと考え、朝食は5点くらいを目安に栄養のバランスを整えましょう。1〜4群は下記を参考にして下さい。

1群 乳・乳製品、卵

1日に乳・乳製品で2点、卵で1点の計3点分摂ることが推奨されています。牛乳や卵焼きなど朝食で摂りやすい食品が多い食品群です。

2群 魚介・肉・その他加工品、豆・豆製品

魚介・肉で2点、豆・豆製品1点で、1日3点分摂ります。筋肉や血液を作るタンパク質の食品群です。朝食では焼き魚や豆腐などから摂取するのがおすすめです。

3群 野菜、芋類、くだもの

身体の調子をよくする食品群。緑黄色野菜120g以上と淡色野菜(きのこ類・藻類を含む)で計350g以上を1点とし、さらに芋類で1点、くだもので1点を摂取することが推奨されています。朝食ではサラダなどで緑黄色野菜、くだものを摂取するのがおすすめです。

4群 穀類(ごはん5点、パン9点)、油脂、砂糖・その他

4群は個人の活動量に合わせ、第4群は個人の活動量に合わせて点数を調整することが推奨されています。ごはんやパンは点数が高いので、朝食では食べすぎないように気をつけましょう。
 
<参照>
農林水産省 めざましごはん
 
厚生労働省 21世紀における国民健康づくり運動

photo:Getty Images

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