楽天・則本昂大【写真:荒川祐史】

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創設14年目の楽天、歴代成績も若い数字が並ぶ

 東北楽天ゴールデンイーグルスは、NPBで最も新しい球団だ。2005年にパ・リーグに参加。今年で14年目を迎える。当初は分配ドラフトで獲得した選手が中心で下位に低迷したが、2013年には初めてのリーグ優勝と日本一を経験。昨年もポストシーズンに進出するなど実力を蓄えつつある。歴史を飾った名選手を、投打の通算成績で見ていこう。※は現役

○通算安打数5傑
1.鉄平 850安打(2006-13年)
2.嶋基宏 842安打(2007年-)※
3.山崎武司 820安打(2005-11年)
4.聖澤諒 811安打(2008年-)※
5.銀次 803安打(2010年-)※

 1000本安打を記録した選手はまだいない。鉄平が1位だが、嶋、聖澤、銀次と現役選手が50本差以内で迫っている。今季中に最多安打1位が入れ替わるのは確実だ。

○通算本塁打数5傑
1.山崎武司 191本(2005-11年)
2.ウィーラー 72本(2015年-)※
3.フェルナンデス 71本(2006-08年、12年)
4.松井稼頭央 51本(2011-17年)
5.ジョーンズ 50本(2013-14年)

 草創期の中軸打者だった山崎武司が傑出している。2位に現役で今年4年目のウィーラー。ウィーラーは14本、27本、31本と3年連続で本塁打数を増やしている。松井稼頭央は今季から西武に復帰した。

○通算打点5傑
1.山崎武司 568打点(2005-11年)
2.鉄平 333打点(2006-13年)
3.フェルナンデス 317打点(2006-08年、12年)
4.銀次 314打点(2010年-)※
5.嶋基宏 275打点(2007年-)※

 通算打点も山崎武司が1位だった。現役の銀次と嶋が4位、5位だが、この先2、3年は山崎の首位が続くと思われる。

○通算盗塁数5傑
1.聖澤諒 196盗塁(2008年-)※
2.渡辺直人 97盗塁(2007-10年)※
3.内村賢介 68盗塁(2008-12年)
4.鉄平 64盗塁(2006-13年)
5.松井稼頭央 56盗塁(2011-17年)

 2012年に盗塁王に輝いた現役の聖澤が突出している。2位の渡辺直人は今季から8年ぶりに古巣楽天に復帰する。

セーブ数は松井裕樹が圧倒

 投手成績を見てみよう。

○通算勝利数5傑
1.田中将大 99勝(2007-13年)
2.岩隈久志 65勝(2005-11年)
2.則本昂大 65勝(2013年-)※
4.永井怜 43勝(2007-15年)
5.美馬学 41勝(2011年-)※

 MLBに移籍した田中、岩隈の歴代エースが1、2位だが、2位タイにつける現役の則本が今季には単独2位になるだろう。まだ100勝投手はいない。則本が最初のテープを切ることになるか?

○通算奪三振数5傑
1.田中将大 1238個(2007-13年)
2.則本昂大 991個(2013年-)※
3.岩隈久志 747個(2005-11年)
4.青山浩二 632個(2006年-)※
5.永井怜 616個(2007-15年)

 奪三振数も田中将大が1位だが、4年連続奪三振王の則本昂大が大股で追いかけてきている。則本は4年連続で200奪三振をマーク。今季中に田中を抜く可能性もある。

○通算セーブ数5傑
1.松井裕樹 96(2014年-)※
2.福盛和男 59(2005-07年、09-10年)
3.青山浩二 45(2006年-)※
4.ラズナー 40(2009-13年)
5.小山伸一郎 36(2005-15年)

 パ・リーグではサファテに次ぐ屈指のクローザー・松井裕樹が1位。NPB史上29人目の100セーブを通過点として、さらに記録を伸ばすだろう。

○野球殿堂入り
1989年 野村克也 指導者
2016年 星野仙一 指導者

 歴史の浅い球団だけに、関連する人物で野球殿堂入りしているのは監督経験者の2人だけだ。今後、OBになった田中将大などの選手、指導者が殿堂入りすることだろう。楽天の歴史はこれから作られるのだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)