今回のビジネス女子マナーは、製造会社勤務の横田りえさん(仮名・29歳)からの相談です。

「わが社の女性管理職は全員未婚のアラフォーです。女性が活躍するのは素晴らしいと思うのですが、私は管理職になりたいとかそういった目標は持っていません。結婚して子供をもって、そしてワーク・ライフバランスをとりながら仕事を続けていきたいと思っています。社内では長く仕事ができそうな、経理の仕事をしています。ただ、社内に結婚して子育てをしながら働いている人がほとんどいないんです……。つまり、私にとってのロールモデルがいないので、どう動けば理想の人生が歩めるのかわかりません。とくに出世したいわけではなく、普通に長く、同じ会社で粛々と働ければいいいんです。そのための転職も視野に入れての、長く働くために、何かすべきことや心しておくことはありますか?」

「人生100年」と言われるようになってきてから、キャリアを目指すのではなく、楽しく長く働くにはどうしたらいいか、ということを考える女性も多くなっています。相談者さんのように「働くこと」を特別に考えず、「普通に働く」という考えも広まってきました。しかし、その方法がわからない……。どうすればいいのでしょう。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

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ロールモデルがいなければあなたがロールモデルに

かつては、お茶くみ、コピー、ファイリングが女性の仕事で、20代のうちに寿退社が女の花道、なんて時代も確かにありました。でもそれは、バブル時代までのお話です。女性管理職は、これからもどんどん増えるでしょう。

また、今はダイバーシティ、多様性の時代です。「ワーク・ライフバランスをとりながら仕事を続けていきたい」と考える相談者さんは柔軟で、よっぽど今どきの発想です。なんら咎められることはありません。

ロールモデルがいないというのなら、あなたがなればいいのです。むしろ、ロールモデルがいる方が少数派なんですよ。会社が求めることも、社会の流れによって少しずつ変わってきます。その流れを見極めて、よきタイミングを見逃さないようにしてください。それも仕事を続けていく上での、大きなスキルです。

結婚して出産して仕事も続ける。役職はいらなくて、いち担当者として、経理を極める働き方をしたいというのは、ステキなことです。ぜひ面談などで、上司に自分のなりたい姿を伝えてみてください。

経理の仕事はどこの会社でも、なくてはならない部署です。さらに財務諸表を理解したり、数字を解析できたりすれば、経営陣からも頼りにされることでしょう。

 やりたい仕事に役立つ資格を増やそう

経理の仕事をしている相談者さんは実務に自信があるから、ずっと続けていきたいと考えていらっしゃると推測しています。ところで、簿記などの資格はお持ちでしょうか。もし、もっていないのなら、早いうちに取得することをオススメします。

もちろん、実務ができれば資格はいらないという考え方もあります。資格さえあれば仕事で認められるということはありませんし、資格を取れば仕事が見つかるというわけでもありません。やはり、実務がものをいうというのは、間違いありません。

でも、すでに実績がある人こそ、資格は持っていたほうがいいといえます。なぜなら、ひと言でいうと「わかりやすい」からです。万が一転職することになっても、資格は履歴書に書けますし、客観的な評価にもなります。

また、資格を持つということは、「勉強した」ということ。これは、ロジカルな知識もあるということの実証にもなります。そして、やる気をアピールできます。

せっかくなら勉強して、名実ともに、経理のエキスパートになってください。

とりあえず60歳、定年まで同じ仕事を続けていけたらいいけれど……。



■賢人のまとめ
働き方は多様化しています。出世したくない、エキスパートとしてずっと同じ仕事をしていきたいという考えも、大いにアリです。実務ができるなら資格はいらないという考えもありますが、面談の材料にもなるし、転職にも有利に。せっかくなら、さらに勉強をし、名実ともにエキスパートになってください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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