最新テクノロジーが詰め込まれて登場した新型ファントム

写真拡大

英国の高級車メーカー、ロールス・ロイス・モーター・カーズは1月22日、東京国立博物館「法隆寺宝物館」で、14年ぶりに全面改良が行われた同社のフラッグシップ・モデル「ファントム」の日本初公開を行った。搭載される最新テクノロジーがもたらした快適性、静粛性の進化とパーソナライズがウリという新型ファントム。ラインナップは全2種類で、公開された「ファントム」は5460万円から、全長が220mm長い「ファントム・エクステンデッド・ホイールベース」は6540万円からの販売価格となる。

【写真を見る】ボタン一つで開閉できる電動式リヤピクニックテーブルやリヤシアターモニターなど車内快適性を追求

1925年のデビュー以来、約100年に渡って各国要人やセレブに愛されてきた「ファントム」。贅沢で高級感にあふれる内装を施し、乗り心地を追求した新型ファントムは、単なる車という枠を超えた存在感を醸し出している。

“幽霊”の名前が示す通り、静粛性の高さが特徴でもある「ファントム」。8代目となる今作では、厚さ6mmの塗装を車両全体に施し、130kg以上にも及ぶ遮音材が使われている。加えてホワイトボディに鋳造アルミ製ジョイントや高性能吸音素材を用いるほか、タイヤ内部に特殊な発泡体の層を形成しタイヤ空洞部で発生する騒音を抑える「サイレント・シールタイヤ」を共同開発するなど、“世界で最も静粛なクルマ”へのこだわりを覗かせる。これらによって先代モデルと比べて100km/h時の騒音レベルを約10%低下させることに成功しているという。

また、新型ファントムは、「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」と名付けられた新設計のオールアルミ製スペースフレーム・アーキテクチャーを採用。これまでのスペースフレーム・アーキテクチャーよりも約30%剛性が高められるとともに、車内快適性を向上させ、一段階上の「マジック・カーペット・ライド(魔法の絨毯)」と称される乗り心地を実現したという。この新たなオールアルミ製スペースフレーム・アーキテクチャーは、今後、SUVモデル「プロジェクト・カリナン」のほか、すべてのロールス・ロイスに採用される予定だ。

エンジンは最高速度250km、最高出力571PS、最大トルク900Nmを誇る新開発の6.75リットルツインターボV12エンジンを搭載。0-100km加速は5.3秒と増強されたパワーを走り出し時からいかんなく発揮する。

内装面でもユニークな試みがされている。それが全面に強化ガラスが配されたダッシュボードおよびインパネ(インストルメントパネル)周辺をアート空間として楽しめる「ギャラリー」だ。ダッシュボード上部のスペースをデザイナーやアーティストによる様々な「ギャラリー」作品の中から選べるほか、オーナー独自のデザインを施したアート作品で装飾することもできる。

同社のアジア太平洋プロダクト・マネージャーを務めるスヴェン・グルンワルド氏も「歴代の中でも最高」と語る新型ファントム。販売価格が5000万円を超える超高級車だが、一見するだけでも価値がある車が登場したことは間違いないようだ。(東京ウォーカー(全国版)・安藤康之)