「クレームを受けてもストレスゼロ」トップヘッドハンターの仕事術

写真拡大

 今回はこれまで7000人ほどのキャリア支援に携わってきたヘッドハンターの高本尊通です。

 ヘッドハンターという仕事は、人と接する仕事ゆえに、お叱りを受けたり、警戒されることも少なくありません。それでも、私自身は、これまでの20年以上のキャリアのなかで、深刻に思い悩んだことはありませんでした。

 人付き合いはまったく苦になりませんし、むしろ人への興味が尽きませんから、ヘッドハンターの仕事も自分に合っていると思っています。

 今回は、こうしたストレスのないマインドを生むための考え方のほか、日頃の仕事で工夫しているポイントについて、ご紹介します。

◆仕事術1 超ポジティブマインドを作る「幸福感」

 冒頭にも述べましたが、社会人になってからの20年以上、ストレスを感じずに過ごしてきました。もちろん、仕事で数字が出なかったり、上司から怒られたりすることはありましたが、深く思い悩みはしませんでした。

 これは、私の性格もあるのかも知れませんが、常日頃から、自分に対して、「今直面している問題は、まったく大したことがない」と言い聞かせているからだと考えています。世界には、健康上の問題など、多くの困難にさらされている人がいます。

 時代を遡れば、日本においても、戦争や災害により生活を奪われた人もいたでしょう。

 そうした困難な環境にある人々と比べると、私は幸いにして体も健康ですし、明日の食事や衣服に困るような状況でもありません。そんなことを考えていると、仕事上の悩みが大した事のないように思えてきます。もっとも、こんな私について、妻からは、「そんな風に、一人で戦時中にいるみたいな言い方はやめて」と言われたりもしますが(笑)。

 ただし、一方で心がけているのは、自分が超ポジティブ思考だからといって、部下には押し付けないという点です。

 人にはそれぞれ、考え方があります。たとえば元プロ野球選手の王貞治さんがホームランの世界記録保持者だからといって、他の人が同じフォームを真似したところで、打てませんよね。それと同じことで、マインドの整え方というのは、人それぞれが自分に合った方法を見つけるほかないと考えていますので、私の考え方は、あくまでも参考としていただければと思います。
◆仕事術2 マネジメントとはサービス業である

 私は、新卒で入社した大手総合人材会社のパソナで、若くしてマネジメントを経験させてもらいました。このときの経験から、私はマネジメントとはサービス業であると認識するに至りました。

 前回までの記事でも、ヘッドハンターとして大切なことはクライアントと向き合うことだとお伝えしましたが、部下をマネジメントするにあたっても、やはり向き合うことが第一だと心がけています。

 部下は人間ですから、常に色々な感情を持っていて当然です。しかし、マネジメントという役割が与えられた以上、こちら側にも上司としての責任があり、ときには部下と利害が対立してしまうこともありました。そんなときにも、私は努めて部下に同調することにしています。

 部下によっては、そもそも解決を求めているわけではなく、同調してもらいたいだけという場合もあります。そのときには、何も反論せず、同調だけして終わらせた方がいいでしょう。逆に、相手が答えを求めていると感じたら、私なりの答えを述べるようにしています。そのあたりの判断は、いったん話を受け止めながら考えていくわけです。

 普段の仕事においても、部下に対しては特徴に合わせた指示をしたいと考えています。たとえば、自分で物事を進めたいタイプの部下であれば、ある程度放っておいたり、逆に事細かい指示が必要な部下であれば、積極的にサポートしたりして、あくまで相手を主体に動くことにしています。