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小泉さん、企業の就労実態をぶっ壊してください(4)

【PJ 2005年10月02日】− 第四回:「正社員の終焉」時代を迎えるにあたって。(全7回)

小泉さん、働き方の多様化が進んでますね。これは良いことでしょうか、悪いことでしょうか。いや良くも悪くもなりうるんですよ。背景にある企業の思想、発想、価値観次第なんです。これまでのところ、働き方の多様化は「就業形態」の多様化という形で進んできました。どうもそのためかえって、正社員の働き方がより画一化し始めている、悪くなっている、そういう懸念があるんです。

「正社員の終焉」時代を迎えるにあたって。
 リクルートワークスによると、2010年に正社員比率は5割を切り、私達は「正社員時代の終焉」を迎える。こうしたなか、正社員と非正社員の間の処遇格差が問題になってきた。コストとしての賃金をどう按配するかは企業経営上の大きな課題だ。現状はどうなっているか。

 (1)賃金水準の格差=パートタイマーの時間当たり賃金の正社員に対する割合は約44%にとどまっている。これは非正社員の平均賞与額が正社員対比大幅に少ないことの影響が大きい。(2)社会保険コスト=パートタイム労働者のケースで、健康保険、厚生年金の適用率はそれぞれ36%、31%にとどまっている。(3)雇用調整の難しさ=2004年から労働基準法にもこの点が明記された。一方、非正社員については短期の有期契約が多く、期限更新時に雇い止めを行うことで調整が容易である。

 この現状を前に、労働側は「均等処遇原則」の確立が急務であると主張する一方、使用者側は「均衡処遇」は必要であるが、労働条件はあくまで労使の自治によって決められるべきであり、ルールの法制化には反対姿勢を強めている。労働側の主張に従い、均等処遇原則を強制適用した場合、企業の雇用コストが高まるため、かえって雇用機会が減少する恐れが大きい。

 一方、使用側の言う通り、完全に労使の自治に任せることで事態の改善が図られるかどうかも疑問である。このように、労使の主張は相容れず、その間には解決し難いジレンマが存在する。ジレンマを解く鍵はないのか。ジレンマは、現在の「正社員」への処遇が「是」だとしたうえで、「非正社員」を「正社員」並みに、「引き上げ」ようとする点に起因する。

 現在の「正社員」への処遇は本当に「是」か。正社員に対する現状の処遇や法的保護の在り方自体を見直した上で、新しい時代のニーズに対応したあるべき労働条件の組み合わせに向けて均等化していく必要がある。「処遇均等化」とは非正社員の処遇や法的保護のレベルを単に現在の正社員並みに引き上げることではないはずだ、と思い至れば別の道が開ける。

 現場では既に、「正社員内の多元化」と「非正社員内の多様化」という二つの方向の変化が生じている。これらが同時に進んでいけば、結果として正社員と非正社員の区分、隔たりは解消していく可能性はある。「正社員内の多元化」と「非正社員内の多様化」とは、例えばスーパー業界では、マネージャーを務める「正社員的パート」が登場する一方、転勤のない「パート的正社員」の制度が設けられている。

 これは、非正社員が従業員全体の半数近くや過半を占めるようなったスーパー業界において、彼・彼女達のやる気をいかに引き出すかが企業のパフォーマンスを大きく作用するようになるからである。「正社員内の多元化」と「非正社員内の多様化」は、それが経済合理的だから起きている。「経済合理性」、これがキーワードだ。「経済合理性」があれば会社も納得する。社員も満足する。【了】

○関連URL
 ・「正社員・非正社員の処遇格差の是正に向けた視点」

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 神宮司 信也【 東京都 】
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