画像提供:マイナビニュース

写真拡大

前回、神田「河北や」での一杯を食べ終わり、さて帰ろうとふと脇を見やると「信州そば」「ダッタンそば」ののぼり。まだ腹には余裕がある。これは入らねばなるまい、ということで「江戸や」にハシゴした。

○酒とつまみとそばの居酒屋式

パッと見はどこにでもあるようなそば屋だが、中をのぞくと壁に貼られた短冊メニューや少し落とされた照明などから、回転重視の立ち食いそばではなく、酒とつまみとそばの居酒屋式のようである。やはり働く大人と酒は切っても切れないというわけか。早速中に入ろう。

時間は14時半頃。ランチタイムと居酒屋タイムの狭間とあってか、相客はひとりしかいない。座席は4人がけのテーブルが3脚、2人がけが1脚。1人で座るカウンターもある。店内にはAMラジオが流れており、壁のつまみメニューは「ポテトフライ」や「枝豆」、「コーンバター」や「ハムカツ」とか、そういう類のベーシックなものが多い。

入口すぐ左手に券売機。奥突き当りが厨房と返却棚になっている。そばのラインナップも「かき揚げそば」や「山菜そば」、「肉そば」「きつねそば」などそろっていたが、「鴨だんごそば」(税込460円)は他所ではあまり見られないメニューだ。こちらのボタンをプッシュ。

○鴨の相方・ネギは大きく太く

さて、冷めない内に実食。鴨だんごは5つ。独特の風味と脂がかみしめる度に口に広がってうまい。鴨といえばネギ。小口切りではなく5cm程に長く切られていて歯ざわりがいい。さらにわかめと刻み海苔も入っている。

ツユは黒く、濃い。味はやはり居酒屋風だ。麺は細く、スルスルと口当たりがよい。どちらかと言えばもりそばで食べるのが似合っているのかもしれない。そちらの方が上品な香りが引き立つ気がする。

そばの完成を待つ間、店内を観察していた。居酒屋メインで、そばはアテなのかと勝手に思い込んでいたが、「江戸切りの白そば」だとか「信州より毎日打ちたての麺を直送で仕入れている」「つなぎは駿河とろろと卵白、水は八ヶ岳山麓」などなど、随所にこだわりがあるようだった。店は入ってみないと分からないものだ。

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。