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ドミノ・ピザ・ジャパンは新たな配送サービス「ミッション 20 ミニッツ」の提供を全店舗で開始した。注文からデリバリーを20分で実現するこのサービスは、宅配ピザ業界に一石を投じることになるかもしれない。

○様々な取組みで実現したサービス

「ミッション20 ミニッツ」は、追加料金200円で20分配達を実現するオプションサービス(追加料金300円で15分配達を実現するサービスも)。ネット経由での注文に限られ、20分配達を実現できなかった場合には、Mサイズピザ1枚無料クーポンをメールで進呈するというものだ。

サービスの実現に向けて、同社は様々な取り組みを行なってきた。ひとつは3分オーブンの開発だ。約2年の試行錯誤を経て、加熱力をアップさせたり。熱風の当て方に工夫を凝らすなどして従来の5分オーブンから2分短縮させた。

ピザ作りの時間を短縮するために人材育成も進めた。さらに、Eバイクの活用やオリジナルのGPS配送システム「GPS DRIVER TRACKER」の活用を進め、効率的なデリバリーオペレーションやスケジュールの組成も可能になった。

こうした一連の取組みにより、20分配達サービスを実現したのだ。そこまでには多大な苦労があったと思われるが、ビジネス的な見方からも理に適った取り組みといえる。

人材育成により業務効率が大きく向上し、オプション料金も得られる。配達時間を短縮することで、ピザの味も落とさずに食べてもらえるようになる。売上、味、2つの側面からどちらもプラスになるのだ。

また、横並びにも見える他のピザチェーンとの差別化という点でも大きなアドバンテージとなりそうだ。他社の追随に関しても、配達システムに独自のアルゴリズムを採用するなど、「簡単にはマネできない」(ドミノ・ピザ・ジャパン広報担当)と見ている。

課題は消費者にどう受け取られるかだろう。そもそも追加料金を払ってまで10分短縮したいと思う利用者がどれだけいるのか。また、交通状況や配達状況などの諸条件が整った場合に利用可能となっており、どのタイミングで利用できるのかが明確にはなっていない。ピーク時を外してしまえば、支持され続けるサービスになるのかどうかはわからない。これから次第と言えそうだ。