“奥目黒”で日本酒通になれる、噂の日本酒専門バー

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地元の酒好きはもちろん、遠く蔵元からも作り手が噂を聞きつけ駆けつける。注目度急上昇中の日本酒専門バー、その魅力とは!?

あの名店の跡地に、通を唸らせる日本酒専門バーがオープンしていた!


普通酒から品評会用の銘酒まで

150銘柄を網羅!

昨年目黒の住宅街に誕生した、日本酒専門バー「コメコメ」。ひとり店を切り盛りするのは、オーナーの藤田直樹さん。店内はカウンターにスツールが8席のみとこじんまりとした造りで、ひとりでも気軽にふらりと寄れる心地よい空間だ。実はここ、かの名店「メッシタ」の跡地。もともとメッシタの店主と知り合いだったことから、移転に伴いこの地を託されたのだそう。

日本酒は常時約150の銘柄を用意。ラインナップの基準はというと、「純粋に私がおいしいと思ったお酒を選んでいます」と藤田さん。

日本酒のメニューの用意はなし。普通酒から品評会用の酒、限定酒まで、幅広いラインナップの中から気になる銘柄を自由にセレクトする仕組みだ。とはいえ、日本酒に詳しくなくても大丈夫。好みの味やその時の気分を伝えれば、ベストな銘柄を藤田さんが教えてくれる。藤田さんとの日本酒談義も楽しく、自分好みの一本をきっと見つけられるはずだ。

にいだしぜんしゅ はつゆき 生

福島県郡山市の蔵元・仁井田本家がつくるにごり酒。「シルクのようにきめ細かで、まさに“はつゆき”のイメージそのもの。日本酒初心者にもおすすめです」

飲み過ぎ注意!?

手間暇かけた酒の肴がじわりと染みる。

前菜にはじまり、メインに〆のご飯まで、料理は「日本酒に合うこと」が大前提。メインの一番人気「Fish & Potato」は、魚のフライを出汁のジュレで味わう看板メニュー。白身魚と和の出汁とくれば、これはもう日本酒と合わないはずがない。化学調味料は不使用、素材は国産に限って使用するなど、体への気遣いもうれしいところ。いずれの料理も手間暇かけたやさしい味で、思わずお酒も進みそうだ。

大根の塩こうじとネギ盛り合わせ(700円)

大根のポリポリとした食感が病みつきに。ネギは群馬産。酢と出汁で煮炊きし、素材の滋味を丁寧に引き出している。

Fish & Potato(1500円)

この日は青森で獲れたメバルをフライに。衣にチーズを加えて旨みをアップしている。フライのお供は潰したじゃがいもを成型して揚げるアメリカ料理のテイタートッツじゃがいもにさつまいもを合わせることで、ほのかな甘みを演出。もっちりとした食感で後引くおいしさ。

 


魯肉飯(600円)

豚肉は群馬産のこめこめ豚を、米は岩手県の高級ブランド米「金色の風」を使用。目玉焼きと長ネギをトッピングし、五香粉を振って香り高く。半熟の黄身をつぶして食べればよりマイルドな味わいに。

昨年のオープン以来口コミで評判が広まり、最近は遠方からはるばる足を運ぶ客も多いとか。「ときには蔵元の方が突然お越しになることも」という通り、業界では早くも噂の的に。けれども、日本酒マニアでなくとも楽しめるのがこちらの魅力だ。

「おいしいお酒とラフに出会って、日本酒を好きになってもらえたらうれしいですね」と藤田さん。お酒の愉しみを気さくに伝えて、丹精込めた肴と共に堪能させる。ありそうでなかった日本酒バーに、ますます注目が高まりそうだ。

 

取材・文:小野寺悦子

撮影:石渡 朋