アルカテルPULSEMIX用交換カバー「SNAPBAK」はMoto Modsばりの合体アイテム。いずれBlackBerryも合体に?!:CES 2018
本体背面に専用アタッチメント「Moto Mods」を取り付けて機能追加できる、モトローラのスマートフォン「Moto Z」シリーズは、これまで数社が取り組みながらも失敗してきた「合体スマホ」の唯一の成功例と言えるでしょう。しかしその後を追いかけるように合体式スマートフォンが出てきました。現在アメリカで販売中のアルカテル「PULSEMIX」です。CES 2018では中国TCLがブースに実機を展示していました。

 

PULSEMIXのスマートフォンとしてのスペックはSoCがMT6738クアッドコア1.5GHz、RAM2GB、ストレージ16GB、5.2インチHDディスプレイ、メインカメラ1300万画素、フロントカメラ200万画素と、ミッドレンジでも下位に位置するモデルです。アメリカではプリペイド端末としてMVNOキャリアがSIMロックをかけ100ドル以下で販売しています。

スペックだけ見ると、さしたる特徴もないPULSEMIXですが、本体背面に大きな秘密が。そこにはSNAPBAKと呼ぶ交換式の機能性カバーを取り付けられるのです。モトローラのMoto Modsはスマートフォンの背面にマグネットでモジュールを取り付けますが、PULSEMIX用のSNAPBAKは背面カバーを取り外して交換する方式を取っています。

 



SNAPBAKには3種類の製品が存在します。3100mAhの外付けバッテリー「Power SNAPBAK」、LEDライトで通知を光らせたり点滅を楽しむ「LightUp SNAPBAK」そして大型スピーカーを搭載する「Sound SNAPBAK」です。



いずれも専用品で、背面カバーとして本体の爪にしっかりと固定されるため、使用中にはずれてしまうことはありません。なおSNAPBAKとPULSEMIXの電気的な接続は内部にある専用の16ピンの端子を使います。

最も使い勝手が高いPower SNAPBAKは、厚みがあるもののカーブしたデザインに持ちにくさがなく、普段からつけっぱなしにしてもいい感じ。Power SNAPBAK内蔵のバッテリー容量は3100mAhです。PULSEMIX本体が2800mAhバッテリーを備えるので、それを1回分以上は充電できる計算になります。





次に便利な存在がSound SNAPBAKです。2.5ワットの2つの大型スピーカーを内蔵し、本体スピーカーに比べて3倍の大音量を味わえるとのこと。折り畳み式のスタンドも内蔵されているのでスマートフォンスタンドとしても使えます。

モトローラのMoto Modsも初期にスピーカーが出てきたことからわかるように、自分の部屋で音楽を聞いたりや映画を見るとき、スマートフォン本体のスピーカーでは音量・音質に不満のある人が多いのでしょう。Bluetoothスピーカーと違い、本体にはめるだけですぐに使える手軽さも便利です。





そしてもう1つのSNAPBAKが、内蔵LEDライトの光る「LightUp SNAPBAK」です。メッセージなど通知に合わせて光の点滅パターンをカスタマイズ可能。また普段スマートフォンを使わない時にいくつかのパターン点滅をさせることもできます。





このLightUp SNAPBAKを見て、どこかで見たことがあると思った人もいるかもしれません。実は2017年2月のMWC 2017で発表された「Alcatel A5 LED」の背面と全く同じ。A5 LEDも背面カバーを交換でき、スピーカーやバッテリーモジュールと交換できるという話でしたが、ヨーロッパやアジアではモジュールは出てきませんでした。



PULSEMIX vs A5でスペックを比較すると、本体サイズ、ディスプレイは全く同じ。チップセットがMT6738 vs MT6753、フロントカメラが200万画素 vs 500万画素と、PULSEMIXのほうがコストダウンされています。ちなみにMWC 2017の会場に参考出展されていたスピーカーやバッテリーにはSNAPBAKの名称も無く、試作品でした。現在販売されているSNAPBAKを見ると、デザインはよくなっていますね。



さてアルカテルのスマートフォンを製造するTCLのスマートフォン事業は、ハイエンド製品が枯渇していることなどから2017年上半期の販売台数が前年比で36%ダウンの2100万台に留まりました。「背面が光るスマホ」として売り出したA5 LEDも、売り上げは思わしくなかったと思われます。「明かりで楽しめて、スピーカーやバッテリーも付けられる」では、消費者の心をつかむことができなかったわけです。

そこでアメリカ向けに価格を引き下げ、さらにLEDライトはオプションとすることで投入したモデルがPULSEMIXというわけです。アメリカではクリケットワイヤレスが79.99ドルで販売中。本体には49.99ドルのPower SNAPBAKが付属します。



他のPULSEMIXもそれぞれ49.99ドルです。LEDライトはさておき、スピーカーのSound SNAPBAKは一緒に買っても悪くない製品です。合計でも約130ドルなら悪くないでしょう。販売店で専用のコーナーを設置して、SNAPBAKの宣伝と拡販に努めてほしいですね。

それでは今後、SNAPBAKのモジュールの種類は増えるのでしょうか。CES2018のブース説明員によれば「市場の動向次第」とのことでしたが、SNAPBAKを取り付けられるスマートフォン、PULSEMIXを買う層は価格に敏感なユーザーです。あまり高価・高機能なSNAPBAKを開発することは難しそうです。そもそも専用端子でどこまでのことができるかもわかりません。

そう考えると、自社のハイエンドかつフラッグシップモデルを合体スマートフォンにしたというモトローラの戦略は大胆でしたが、この手の製品を普及させるには一番うまいやり方だったと思われます。

ではアルカテルはなぜハイエンドモデル向けにSNAPBAKのようなソリューションを出さないのでしょうか?それは現在の同社の販売不振にもつながります。アルカテルはここ数年、価格重視のコスパ端末を数多く出してきました。そのためハイスペックな端末の開発はしていなかったのです。

その状況を打破するために取った戦略が、BlackBerryとの提携でした。ハイエンド製品の開発に舵を取る一方で、ミッドレンジ・エントリーモデルブランド色の強いアルカテルは使わずに、BlackBerryを上位モデルとして今後リリースしていきます。


A5やPULSEMIXで合体スマートフォンの市場の反応を見つつ、将来のBlackBerry端末にそれを応用展開する、なんて夢も見られるのかもしれません。ぜひ「合体式BlackBerry」の実現に向けて頑張ってほしいものです。