どのクラブも補強がほぼ終わり、J1は全クラブが始動しました。去年の激戦を思い出し、今年もさらに盛り上がってほしいと思っています。

現在のJリーグの特徴は、「決断が早い」ことでしょう。夏前までに戦い方が安定すればよし。たとえば去年の磐田はすぐに戦いが安定してそのまま好調なシーズンを終えました。ですが、もし序盤戦で想定以下の戦いぶりしか見せなかったとしたら、あっという間に指揮官は代えられますし、選手が補強されます。

これはDAZNのパフォーム・グループからの資金が当てになるからです。優勝すれば、どっさり強化資金が手に入って、ますます強いチームを作ることができます。ですが、その賞金の枠から漏れてしまうと、今度は上位との差を縮めるのに苦労するのです。

今年もきっと夏前に大きな補強をしなければいけないチームが出てくるでしょう。それはそのチームが苦しいということの現れでもあるのですが、勢力図を一気に変えてしまうドラマが見られるかもしれないと思うと、それだけで胸がわくわくします。

ただし、少しだけ苦言を呈するなら、現時点での補強はどうでしょうか? ビッグネームでいうと名古屋のジョーということになるのでしょう。

パフォーム・グループがJリーグにこれだけの資金を投入しているのは、Jリーグそのものの価値を上げてほしいと思っているからではないでしょうか。闇雲に補強すればいいというのではありませんが、Jリーグに世界的に知られている選手がいて、その選手の動向を世界が注目することでJリーグがさらに知られるようになるという構図はほしいはずです。

選手のためにも必要でしょう。世界的な選手と一緒に練習する、世界的な選手を向こうに回して戦うということでレベルアップが期待できます。Jリーグにいながら、世界レベルの経験が積めるのです。発足当時のJリーグのような、海外のスター選手を呼ぶ環境は整ってきました。

去年のルーカス・ポドルスキが来たときの盛り上がりが今年も続くように、さらにビッグネームにぜひ来てほしい。どこがそんな強化資金の使い方をするのか、楽しみにしています。