エアバスA380。(c) 123rf

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■国運をかけたハブ空港の地位をめぐる戦い

 航空機業界は大変シビアで、この件でエアバスが生きていけるのかの戦いになるであろう。技術的に燃費向上策が進んでいるため、どこまで顧客の利便性に答えることができるのか?各路線の輸送人数との兼ね合いで採算性が決まる。航空旅客の伸びが予想を上回れば、直行便がニーズに合っているので伸びる可能性があり、ハブ空港の必要性は下がってくる。

【前回は】エアバスA380生産中止か?(上) MRの失敗B787に敗れる 短命な巨人機に

 日本の成田、羽田空港は韓国の仁川空港にハブ空港の地位をとられていたので、苦戦が予想されていた。しかし、B787の就航で懸念が下がったのは確かであろう。世界経済の中での地位が、空港の重要性を決めることになるのだが、各都市に直行便が就航していくことになれば、ハブ空港という概念も消えていくであろう。

 就航が遅れる国産旅客機、三菱・MRJの問題が気になるのは私だけではないであろう。欧州エアバス社も国策として支援されて現在の地位を得ているので、是非ともMRJも日本国として支援してほしいものだ。

■半世紀スパンの市場予測が、自動車産業にも必要な時代

 航空機産業では半世紀先の社会を予測できなければ敗れ去る。自動車産業では5年先の予測で生きていけたが、AI・EV・IoTと技術革新の急速な進展で、現在は半世紀先、少なくとも30年先の予測が必要だ。先日発表されていた、トヨタ・次世代EV「e-Palette Concept」は確かに先の予測である。

 現在、資金の主導権を握っているファンドなど、投資家は目先の視野しかなく、せいぜい5年ほどの中期事業計画を本気で建てていればよいほうだ。「大丈夫であろうか?」どの企業も目先の利益を求めなければ経営者は投資家に排除されてしまう。その意味で、またトヨタに頼ることになるのであろうか?

 自動車ジャーナリストには、現在の自動車産業の置かれた環境の中では、「趣味の知識レベル」で対応できないことを自覚して、自動車産業の行く末を本気で取材してほしいものだ。