NHK大河ドラマ『西郷どん』の主人公、西郷隆盛は悲劇的な最期を遂げたが、その末裔たちの顔ぶれは侯爵、大臣、市長、女優、さらにエース球児まで実に華やかだ(写真はイメージです)

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西郷家のルーツは藤原氏?
『西郷どん』をもっと楽しむトリビア

 今年は明治維新からちょうど150年目。NHKの大河ドラマ『西郷どん』の主人公も維新の立役者の1人、西郷隆盛だ。西郷隆盛は薩摩藩の下級武士の生まれで、その周辺の人物が薩摩藩における維新回天の中心人物となり、さらに明治新政府の要職に就いて、近代日本の初期の舵取りにあたった。

 今回は、今話題の西郷隆盛のルーツに関する興味深い薀蓄をお届けしよう。

 西郷家には、肥後の名家・菊池氏の一族の末裔であるという伝承がある。菊地氏は藤原氏の一族で、南北朝時代には一貫して九州南朝方の中心として活躍した。この菊池氏の系図を見ると、祖である則隆の子の政隆が西郷氏を名乗っており、その子孫ということになる。隆盛自身もこのことは知っていたようで、奄美大島に流されていたときには「菊池源吾」という変名を名乗っていた。

 しかし「西郷」はべつに珍しい名字ではない。そもそも、「郷」とは古代律令制で郡の下に置かれた行政区画のこと。平安時代になって荘園制が発達し、さらに住民が自治をする「村」が生まれたことで、「〜郷」は次第に「〜荘」や「〜村」に置き換わっていった。

 それでも、長崎県の東彼杵郡・西彼杵郡や五島列島などでは、今でも市町村の下の行政地名として字名に「郷」が使われている。

 つまり、「西郷」とは西の方にある郷(集落)という意味で、各地に様々なルーツを持つ西郷氏がいる。西郷家も、元禄年間に没した九兵衛以前のことはわかっておらず、菊地氏一族の西郷氏が先祖であるかどうかはわからない。

 ところで、鹿児島県は錦江湾を挟んで、下に向いたUの字のような形をしている。薩摩半島・大隅半島はともに南北に長く、川の多くは東西に流れている。そのため、集落は東西に伸びていることが多く、郷の南北よりも郷の東西に住むことが多かったことから、鹿児島県では「東郷」と「西郷」という名字が多い。

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