就活は3月までの準備が重要。あれこれ悩んでいるひまはない (写真:ふじよ / PIXTA)

就活本番まで残り1カ月ほど。みなさんは就職活動の準備をどこまで進めているだろうか?

ギリギリに作成すると完成度が下がる


今の就活は、「短期決戦」の傾向がますます強くなっている。3月のエントリー開始から6月の面接開始まで3カ月あるが、企業説明会、エントリーシートの提出、筆記試験、面接など、とても濃く、かつ忙しい期間となる。昨年の状況を見ると、とくに3月に活動が集中する傾向が進んでいる。

そうしたことからも、いかにスタートダッシュを切れるかが重要になってくる。短い期間で納得する就職先を見つけられるよう、3月1日の広報解禁日までにやっておきたい5つのポイントをまとめた。万全の準備を整えて本番に臨んでもらいたい。

準備1 履歴書やエントリーシートの下書きを完成させる

3月1日までに取り組みたい作業が、履歴書やエントリーシートの下書きだ。必要に迫られてから応募書類の準備に取り組むと、時間的にも精神的にも余裕がなくなり、完成度が低くなってしまう。だからこそ、今のうちに下書きを完成させておきたい。

学校指定の履歴書や、市販のもの、あるいはエントリーシートでも、共通するのは「自己PR」や「学生時代に力を入れて取り組んだこと」。まずは、その欄を埋めていく。もちろん、志望企業が具体的にあれば、「志望動機」の作成も進めておきたい。

ただし重要なのは、自分ではうまく書けたと思っても、それで終わりにはしないことだ。下書きはキャリアセンターの人に必ずチェックしてもらう。「文章は論理的か」、「内容は具体的か」、「説明に説得力があるか」……。添削を受ければ、本番までに完成度を高めていくことができるだろう。

準備2 エントリーする企業をリストアップする

3月にエントリーする企業はもう決まっているだろうか? マイナビの調査(2018年卒マイナビ学生就職モニター調査)によると、昨年の先輩たちは、3月の1カ月だけで平均27.9社にエントリーしている。とはいっても、やみくもにエントリーをしては意味がない。企業研究をもとに、候補企業をできるだけ事前にリストアップしておけば、本番で慌てずにすむ。

現時点で、興味を持てる企業がなかなか見つからないなら、次の3点を意識してエントリー候補企業を検討すると、知らなかった優良企業が発見でき、そして企業を絞ることができるだろう。

ひとつの商品でもいろいろな会社が携わっている

●BtoB企業も視野に入れる

まず、多くの学生は、一般消費者に製品やサービスを提供しているBtoC(Business to Consumer)企業に目が向きがちだ。しかし、企業向けにビジネスを展開しているBtoB(Business to Business)企業にも優良企業はたくさんある。たとえば、自分が興味を持っている企業の取引先を調べてみよう。すると、今まで知らなかった企業がたくさん見つかるはずだ。

●身近な製品やサービスから興味を広げてみる

自分の身の回りにあるモノやサービスに、どういった業界がどのような形で関わっているのかを意識して調べると、今まで気づかなかった企業を見つけることができる。『マイナビ2019』には「業界研究大図鑑」というコンテンツがあり、その商品やサービスに携わっている業界や職業を俯瞰することができるので、参考にしてもらいたい。

●先輩たちの活動履歴を参考にする

学校の先輩がどのように就職活動をしたかも有力な参考情報になる。ほとんどの大学のキャリアセンターには、先輩の活動履歴がわかる資料がある。そうした情報から、どんな企業があるか、知ることができる。

準備3 手間を惜しまずリアルな情報収集を心がける

就職情報サイトや企業のホームページの情報は、企業研究には欠かせない。しかし、これらの情報は誰もが入手できるもの。ホームページだけの企業研究に満足していると、同じ企業を志望しているほかの就活生と差をつけるのは難しい。

そこで、複数あるエントリー候補の中で、特に志望度の高い企業は、“リアルな情報収集”をした方がいいだろう。そのためにも、インターンシップへの参加やOB・OG訪問を大切にした方がいい。3月まで日程はあまりないが、今からでも参加出来るインターンシップは少なくない。

OB・OG訪問は3月以降でもできるが、早めにやっておいてもいい。実際にその会社で仕事をしている先輩から、職場の雰囲気、仕事の大変さ、やり甲斐などを聞くことで、ホンネの情報を収集できる。「本当にその会社、その職場で生き生きと働けるのか? 成長できる職場なのかどうか?」そういった視点で、自分と企業との相性を確認するのも一手だろう。

予約が殺到する前に模擬面接を

準備4 早めに筆記試験対策に取り組む

ついつい後回しにしがちなのが、筆記試験対策。後期試験の準備や、クラブ活動、アルバイトと、何かと忙しい学生生活の中で、そこまで手が回らないというのが実情かもしれない。しかし、苦労してエントリーシートを作成し、書類選考は通過できたのに、筆記試験で落とされて面接までたどり着けないのは非常にもったいない。

筆記試験は、限られた時間の中でスピーディに答えを出すために、ある程度の慣れが必要になる。学内の対策講座があれば参加しておきたいが、スケジュールが合わなければ、市販の問題集や就職情報サイトのコンテンツなどを活用して早めに準備した方がいいだろう。3月に入ると、合同企業説明会や個別の会社説明会、あるいはエントリーシートの作成に追われ、気持ちの余裕がなくなってくる。後期試験が終わったら、試験対策に取り組んでもらいたい。

準備5 キャリアセンターで模擬面接を受ける

最後に面接対策。経団連に加盟する企業の面接は、6月以降にスタートとなっているが、それ以前に面接を開始する企業は少なくない。昨年行ったマイナビのモニター調査でも、3月に一次面接を受けた人は、5割超の53.3%という数字になっている。こうした状況を考えると、面接対策もできるだけ早めに進めておいた方がいい。

どの大学のキャリアセンターでも、模擬面接は実施しているが、3月に入ると、希望者が殺到して予約が取りづらくなる。できれば、2月末までに最低でも1回は模擬面接を受けておきたい。

大学のキャリアセンターには社会人の経験が豊富な担当者がたくさんいる。本番までに実際の面接に近い環境で、どこまで自分のことをしっかりアピールできるか確認し、面接慣れしておくといいだろう。

以上、3月までにやっておく就職活動の最終準備のポイントを5つに絞って説明した。何かと忙しくてまだまだ準備不足という方は、ここからが勝負。3月1日にうまくスタートが切れるように、残された期間でしっかり準備を整えてもらいたい。